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4年。筋ジストロフィーのかっちゃんを取り巻く男の子達の一夏の冒険。大きな冒険でなく、子どもの等身大の夏休みを元気に描いた作品。マメイケダさんの豪快な絵が夏を描く。最後がまだ続くのかと思い普通に開いたら、終わりでちょっと残念。
課題図書として再読。かっちゃんの前向きな今を生きる姿と声に出さずとも病気を理解し、一緒に楽しむ優しい爽やかな友情が気持ちいい。病気はあっても友達として同じ位置でみんなを引っ張っていく姿がよい。
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少年達の夏の冒険もので1人が筋ジストロフィー、という設定でだいぶ構えつつ読みましたが、大人のそんな目線なんか知ったこっちゃない少年たちの時々繊細さもまじえつつ元気でバカで溌剌とした姿がよかったです。最後のとぼけたシメがまたいい。きっと彼らの冒険は続くんでしょうね。
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2024年度読書感想文課題図書 小学校中学年の部
「山ちゃん、シューちゃん、かっちゃん、ぼくの仲よし4人組は、天神集落で同じ小学校に通う4年生。かっちゃんは筋ジストロフィーという病気だけれど、小さい頃から一緒にいるぼくらにとって、かっちゃんは特別な存在ではない。親友のひとりだ。そのかっちゃんが、4年生の夏休みに、川へダイブしたいと言い始めた。天神集落の子どもにとって、川へのダイブは、大人への階段を一歩上がるような、そんなならわしだった。「だいじょうぶ、どぼんて落ちるだけだからさ。来年になったらとべねえかもしんねえし」。人なつっこい笑顔でそう言うかっちゃんの願いをきいてあげたくて、ぼくらは綿密に計画を練ったのだけれど……。
夏の匂いが濃く立ちこめる山あいの村で、死という確かで曖昧なものを共有しながら、めいっぱいいのちを謳歌する少年たちの夏の日をみずみずしく描いたさわやかな作品。」
・後半からおもしろくなってきて、読後感よかった。前半は暑苦しいおっちゃん出てくるし、夏の暑い日に読みたい本ではないなーと思った。昭和なにおいのする本だが2022年の本。
・小4男子4人の冒険、疲れてもしょーもない話してたら元気が出てくること。トチノキの中の空洞に寝転ぶ姿。冷たくて甘い(気がする)泉。いいなあ。
ふざけてばっかりでダラダラゆるゆるしているけれど、トチノキの中ではなんだか将来の夢の話なんてしちゃってちょこっとだけ真面目。この時間を、4人共いつまでも覚えているんだろうなと思う。
・筋ジストロフィーの少年が出てくる。だんだん目に見えて歩けなくなってくる。そんな姿に、周りの子がドキっとしたりもする。おとなになっても長くは生きられないということも友達たちはなんとなく知っている。でもかっちゃんはイキイキしているし、落語家を目指し、他にも夢がある。周りの子も、かっちゃんといてて、この4人で過ごすことがとても楽しいのだとわかる。
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進行性の病気の少年。というと深刻な話になりがちな設定だが、本人も仲間たちもそれを当たり前に受け止めて過ごしている。おそらくこれが彼らのかけがえのない夏になる。
残念ながらこの類の作品には、あまり小学生たちの手はのびない(一部の本好きな子を除いて)。課題図書になることで、この本に出会える子たちが増えることはうれしい。
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2024年度課題図書 中学年の部。
なんてことない、やんちゃ盛りの小学四年生4人が過ごす、普通の夏の物語。
4人のうち1人の、かっちゃんが、進行性の病気であることだけを除けば、どこにでもいる、どこにでもある、夏の思い出の話なのでした。
かっちゃんのことをすんなり受け止めている3人と、かっちゃんの関係性がとてもよく描かれていて、小学生にも違和感なく読める作品になっていると思います。
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2024年中学年課題図書
最上一平さんは、昔の作家さんのイメージでしたが、訂正します。みずみずしくて素敵なお話しでした。
小学4年生の男子4人の夏を描いた連作短編です。ずっと一緒に育ってきた4人のうちの1人「かっちゃん」が筋ジストロフィーであることを受け止めながら成長していく子どもたちが、ただただ眩しいです。
イラストも物語にぴったり合っていました。
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最上一平「じゅげむの夏」
R6年度課題図書 中学年
僕は、失敗したり怒られるとキズついて落ち込むタイプ。計画を立てて夏休みの宿題は早いうちにやってしまうタイプ。その、明(あきら)が語る物語。
ぼくと山ちゃんとシューちゃんは、よくかっちゃん家で遊ぶ。4人は天神集落の4年生で小さい時からの遊び仲間だ。かっちゃんは、筋肉がだんだん痩せていく筋ジストロフィーという病気だ。だんだん病気が進んでくると歩けなくなってくることも大人になっても長くは生きられないという事も何となく知っていた。
かっちゃんは、落語家になる夢を持っていて研究している。「じゅげむ」が気に入っていて何回もみんなに聞かせてくる。かっちゃんが「4年生の夏休みを最高の夏休みにしようよ」と冒険をしようと言って、みんなが賛成した。
4人の冒険が始まる。
かっちゃんは、歩くの相当のろい。3人はよく知っている。それがかっちゃんの普通だから何とも思わない。おくれたら、3人でバカな事をして待っている。かっちゃんも遅い事に遠慮はしない。
「スタンドバイミー」や「夏の庭」をちょっと思い出す。小さい頃から知っていると偏見や差別はないのだと思った。ノロくてもそれが普通だから、何とも思わないっていうのがイケてる。かっちゃんも遠慮をしないのが良い。
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爽やかだ。
憧れる夏の風景。憧れる夏休みの過ごし方と、友達との関係。
もう手に入らないものだから、余計に胸の奥底から焦がれる。
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筋ジストロフィーのかっちゃんは、何をするにも時間がかかる。それはかっちゃんのふつうただから、他の3人は何も言わない。それは3人のふつうのこと…理解してくれる友達がいること、その友達に遠慮しなくていいこと。
4人で過ごした夏の思い出、パインサイダーの味は大人になっても忘れることはないんだろうなぁ。
友達っていいなぁと思わせてくれる一冊だった。