投稿元:
レビューを見る
スーパージーン、こういうことばを初めて知った。中身の説明はできない。ある種の蝶が捕食を避けるために毒のある蝶に擬態することがあるということは知っていた。形質を決定するわけだから当然遺伝子が関係しているのだろうが、それがここ10年くらいの間でどの部分のはたらきかが同定されるようになってきたということらしい。スーパージーンという考え方自身は100年ほど前からあったようだが、技術の進歩に伴って、それがどうやって遺伝子として固定されていくのかが分かって来たということのようだ。著者たちの研究の様子が記述されている部分はワクワクさせられる。我が家にも小さなレモンの木がある。毎年アゲハが卵を産みに来る。今年も春しばらく幼虫の様子を観察していたが、ほとんどの葉を食べつくされてしまった。同じ親の子なのかどうか定かではないが、限度というものを知らないのだろうか。このままでは、エサを食べつくし、成虫にまでなれない子どもが出て来るのではというような予想は立てられないのか。現在は、レモンも新しい葉をつけ出しているので、卵や1齢幼虫を見つけ次第、申し訳ないが取り除かせていただいている。過去にはさなぎになるところまで観察したこともある。確かに緑と茶色があった。茶色の方はもう死んでしまったのかと思っていたがそうではないらしい。下の様子で色が決まるとのこと。それも遺伝子がなせる業か。環境によって変化するのだから、それは別のはたらきか。あるいは、どういう環境に置かれるかによって、どの遺伝子がはたらくかということ自体が決まるということだろうか。うーん、よくわからない。これからの研究によって新たなことが次々と分かってくることだろう。ただし、時間と人と、そしてお金がかかることだから、まあ課題は多くともなかなか解決しないのかもしれない。こういうことに興味を持つ若者がどれくらいいるかということにかかっているのだろうなあ。