投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
女子刑務所に派遣された医師の香織と看護師マリ江はそこで刑に服している受刑者達の診察をする。
その時同僚から授かった聴診器を胸に当てると不思議な事が起きて…。
心の声が聴こえたりかこが見えたりする不思議な聴診器を使ったことで、受刑者達それぞれの抱える悩みや苦しみを知り力になろうとする二人の活躍を描く。
お惣菜を万引きした事で懲役することになったり、
DV夫を殺害して刑に服していたり、悪い男に騙されて覚醒剤に手を出したり。様々な事情によりチョウエキになっている女性たち。皆このままではいけないとわかっているけれど現状から抜け出す事ができずにいる。そんな受刑者達がもどかしい。
最後は問題が解決されて良かった。読後感も良く面白い一冊
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「病棟」シリーズ第3弾。
今回は聴診器がどのような先生の元へ行くのか
興味津々で読み始める。
元暴走族の香織先生。
聴診器を片手に女性刑務所の常勤へ。
P25
〈女子の場合は無期懲役と刑期一年の受刑者が
同じ部屋になることもあるんです〉
女性刑務所が少ないので分けられないという。
犯した罪もいろいろ。
小説の中の話ではなく、すぐ近くで起こっていること。
解説は
郵便不正事件で逮捕・起訴された(のちに無罪確定)
村木厚子さん。
とても分かりやすく書かれていた。
〈罪を犯してしまった人々や、
彼らと関わる人々について知ってほしい、
想像してほしいと心から願っています〉と、結んでいる。
再犯を防ぐ、その手立てはないのだろうか。
ニュースで目にする犯罪も
女性だけが悪いのではないだろう。
その背後にある生活を想像し、悲しい気持ちになってしまう。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
後悔病棟に続けて、2冊目です。
まず、タイトルに惹かれました。刑務所病棟とかではなく、「懲役病棟」って(笑)
相変わらず、読みやすい、さくさくっと読めちゃう。それぞれの懲役(受刑者)ごとに短編になっているので、一度に読むボリューム的にちょうどよかった。
正直、ここまで仕事でやらないでしょというか、やっていいの?というようなところがあったけど、まあ、そこはフィクションだから有り?なのかな。
それぞれの登場人物が個性的で、読んでて面白い、聴診器を使ってその人の過去が分かるっていう設定、もう定番ですね。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
女子刑務所に半年派遣された女医さん(暴走族あがり)と看護師さん。
後輩から送られた聴診器を受刑者に当てると心の声が聞こえてくるという、設定は不思議な話だけど不自然な感じが全くしなかった。
むしろ女子刑務所や受刑者、刑務官の実情がわかってリアルだった。
受刑者も普通の人というのが目から鱗。
振り込め詐欺とか強盗などのセンセーショナルな事件ばかり見聞きするから、犯罪者なんて悪人で同情の余地なしみたいに思ってた。
もちろんそういう人もいるけど、私もDVされたり、離婚や解雇により貧困に陥ったり、生きるのがつらい時に優しくしてくれるのが素行の悪い人だけだったら犯罪に手を出してしまうかもしれないな。
解説は村木厚子さん。文章から賢さが伝わってきた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
この物語を読むまでは、犯罪者は単なる法を侵した人と思っていました。その犯罪に正当性は1ミリもないと思っていましたが、末巻の元厚生労働省事務次官、村木さんの解説を読んでそうではないかもと思え、さらに収監者の苦労してきた人生の背景が見えるようでした。読んで良かったです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
不思議な聴診器シリーズ(?)三作目。
今回は、太田香織医師(39)と松坂マリ江看護師(52)が女子刑務所に派遣される。窃盗、覚せい剤、殺人、放火とさまざまな罪状の受刑者を診察し、聴診器の力でその来し方を知ったうえで、出所後の行く末を見据えた対処をする。
やり方は無茶苦茶で強引だし、巻きこまれる周囲は迷惑この上なくはあるのだが、結果的に彼女たちのためになっているのが好ましい。
香織の自然体の振舞いに好感が持てる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
元暴走族の医師・太田香織と、看護師の松坂マリ江が女子刑務所に派遣され、不思議な聴診器で患者の心を知った二人は規則を無視して受刑者に関わり、問題を解決していく…。
概説が元厚生労働事務次官の村木厚子さんで、拘置所に164日間拘留された経験(のちに無罪確定)から、この小説には「罪を犯す人のリアル」「刑務所の中の暮らしのリアル」「世間のリアル」があると勧められています。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
相手の考えていることが分かる不思議な聴診器。これを使って女子刑務所に服役中の受刑者の、罪を犯すまでの切実な事情を読み取り、彼女らの未来に希望を持たせるためにアレコレと策を考える女医(元暴走族のお嬢様)。設定や主人公の現実離れ感はあるものの、コミカルなお話を通して、現在の女子刑務所の問題、受刑者の事情などなかなか知り得ないことを知ることが出来た。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
惜しむらくはこれがシリーズものだと読み終わってから知ったことだ。
聴診器を借りる時点でなんの含みかと思っていたらシリーズを読んでいないとわからないということだ。くそー、第一巻を読むか。
内容的にはどうにも人物設定が稚拙すぎて評価1にしたいくらいだったけれど、物語全体の雰囲気は悪くないし割りと好きかも。人情もののオチになるんだけれどやっぱり人物設定が...
ありがちな短編ものなので読みやすさは一級品!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
連作短編5篇
半年だけ女子刑務所の勤務医となった金髪の女医香織先生と看護師のマリ江が患者の本心が聴こえる不思議な聴診器で囚人たちの真実を知って彼女たちのために奮闘する物語。刑務所の実情が分かり、再犯が多いのにも納得。
香織先生とマリ江の食事を巡っての攻防が面白かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
シリーズものみたいだけど、初めて読みました。元ヤンキーで金髪の女医さんが、期間限定で刑務所の女性受刑者を診察するっていうハナシ。
社会を知らない女医さんは、最初は偏見で「こわい」「逆恨みされたらどうしよう」などと身構えて赴任するが、実際に診察してみると受刑者たちは皆、やむにやまれぬ事情があって夫を刺し殺したり、万引きしたり、覚せい剤に手を出したり、放火したりした女性たちだった。
垣谷美雨さんを最近読むようになって、本屋さんで目に留まったので買って読んだのですが、ちょうど最近「箱の中」とか、「闇バイト」とか、刑務所の中を描いた作品を読んだところだったので、また「つながってる!」と思いました。
犯罪を犯して服役した人の中には、同情すべき点が多々ある人もいるし、出所してからしかるべきサポートを受けられれば、再犯を防ぐことができる。しかし実際は一度でも罪を犯せば世間からはじき出され、本人だけでなく家族も、社会から抹殺されるような世の中。
この小説ではハッピーエンドというか、受刑者たちの未来が明るいような感じに描かれていたが、実際はもっと厳しいよね。
なかなか興味深いストーリーでした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
後悔病棟、希望病棟と来て、懲役病棟。
名前の通り、前作とはかなり違った作風でしたが、これもこれでとても楽しめました♪
ひょんなことから、女子刑務所の内科医に派遣された香織と、看護師のマリ江。行く前にルミ子と摩周湖から手渡された聴診器で、患者を診察していく。
最初は囚人たちを見下し、ロクでもないやつらしかいないと思っていた香織が、惣菜四百三十円を盗んで懲役二年を科せられた清子や、夫のDVが子供達にまで向いたことで殺害に至った美帆、悪い男にそそのかされ、覚醒剤に何度も手を出したルルたちを診ていくことで変わっていくのが嬉しかった。さすがに香織みたいには思っていないけれど、私も心の隅では見下してしまっているところがある。刑務所事情が分かって勉強にもなった。
〈驚いたメモ_φ(・_・〉
・全国の刑務所は百を超えているのに、女性を受け付けているのは十あまりしかない
・囚人の大半が、盗み(だいたいはスーパーの食べ物など)をし、捕まっている
・いじめは日常茶飯事
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
医師である香織と看護師のマリ江が女子刑務所へ派遣され、魔法の聴診器を通して、様々な受刑者たちの心の声を聴く。
読みやすくてスラスラと読み進めることができた。
女子刑務所の様々なリアルが描かれていて、さらには香織とマリ江が受刑者たちを更生への道へ、医療の範疇を超えて進めていくところは、興味深かった。女子刑務所の様々な問題点にも考えさせられる一冊だった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
柿谷美雨さんは面白おかしく物語を進めながら、現代社会の問題を明るみに出していく。そうだよね!母子像の批判には私も本当にそうだそうだ!と思いました。出所した人たちを福祉が繋いで社会復帰することが考えられ始めているけど、まだまだだなぁと感じました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
犯罪の裏には、その人が抱える様々な事情がある。その背景にある社会問題に目を向け、向き合うことの大切さを教えてもらった。
私は教員をしていますが、生徒にも同じようなことが言えると思った。問題行動の裏にある生徒を取り巻く様々な環境、心の内に抱える感情を観察することの大切さを改めて感じた。表面に捉われず、見えない心を大切にして人と接するべきだなと思う。笑ってるけど心は泣いているということはよくあること。ルールを守らせたり、問題行動を罰することが大切なのではなく、生徒の内面に迫ることを心がけたい。