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前作にも増して、小林先生の思想が強目に出た文章だったと思う。
賛否ありそうだけど、生物学者からみた世界観でわたしは面白かった。
85歳以上まで生きると、いろいろ超越して死が怖くなくなるのか。期待。
そして老化防止の薬か何かが出てくることを期待。小林先生がんばれ!認知症にはなりたくない…!
ヒトの進化については、ほんまかいなと思うところもあった。
エマニュエルトッドの本と読み比べてみたい。
家族関係、おばあちゃん仮説…
あと、ヒトの昆虫化(産むヒトと産まないヒトに分けられる)は斬新だけど、生物学的にはありえなくないのかとギクッとした。ちょっと嫌だよね。
最初のガチ生物学の話(RNAからDNAが生まれるまでの話)から、シニア層の心の持ち用の提言まで、話の振れ幅が大きくて、大学の講義ってこんな感じだったよねーと思い出して懐かしく思った。
感想がまとまらなすぎる…
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学術的であまりおもしろくないところと、「なるほど!」と妙に納得するところが混在していました。人間も女王蜂とそれを支える働き蜂のように分業化していく話は説得力がありました。
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ネアンデルタール人がホモ・サピエンスに滅ぼされた理由のひとつ、集団の大きさ。ネアンデルタール人は100名ほどの集団で暮らしていたのに対し、ホモ・サピエンスはその10倍の1,000名の規模。
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タイトルに興味を惹かれて、読んでみた。
老いれば襲われる可能性が高いため、老いの期間が長くない動物、一方老いてからも下の世代に伝えるといったことができるヒトは、進化の中で老いの期間が長くなった。この違いは個人的に納得感がある。
一方、著者の考えがかなり甘くも感じてしまった。シニアも働き続けることには賛成だが、本に出てくるなんちゃってシニアは、もっと体感として多いのではないか。
また生物学者としての観点が、後半はおまけのようになってしまい、読み切るのが少々厳しかった。
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生物学や生命科学的なお話から社会的な老いの意味合いまで、著者の学者的立場とコミュニティに属した人間としての立場の両側面から言及されている本。社会的意味合いは、孔子の教えのような部分がありつつ、昨今の若々しい老人を彷彿とさせる内容でもあった。本書を通して、ヒトが老いる理由は人類の歴史の過程で必然であったことと理解できた。
整然とした流れでありつつ、リズミカルに平易な言葉で書かれておりとても読みやすい本で、飽きずに読了できた。
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生物学的な視点で他の動物と比較してのヒトの老いに関するファクトはとても新鮮でした。
一方、それを踏まえた上で、老後をどう生きるか、”シニア”に与えれた使命が提言されていて、ここは納得感のあるところ。
もう頑張らなくていい「老年的超越」の境地に早くたどり着きたいものです。
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生物はなぜ死ぬのか?それは進化するためである。
そして過酷すぎるこの地球環境の中で生き残るためである。死ぬ種族だけが生き残って来れた。人間以外老化して死ぬ生物はなかなかいない。ホモサピエンスの中で、老いる事に意味があり、繁栄出来た者だけが生き残れた。その生き残りが我々である。老いには十分に意味があると言うことだ。おばあちゃんがいるから、生存確率が上がったという理論だ。
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シニアの定義
生物学的な「年齢」とは切り離して、知識や技術、経験が豊富で私欲が少なく、次世代を育て集団をまとめる調整役になれる人のことです。(簡単に言えば「徳のある人」)
ヒトだけ なぜ老いる? 野生動物に老後はない 東大・小林武彦教授に聞く 「利他的」シニアは知恵袋 進化の推進役
https://www.tokyo-np.co.jp/article/281775
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人だけが寿命が長い理由、老いの仕組みについて説明があり、著者の死生観についても述べられている贅沢な新書。
子育てする種に分業化するという仮定は現在は倫理的に難しいですが、今後人口が減ってくると検討されるのかもですね。
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人間が生きる意味を知りたくて、生物学観点からの見解を読んでみた。
どうやら哲学的な意味での個人の生の意味は無いらしい。生物学者が淡々と調査結果を報告するスタンスなので、抵抗なく腹落ちした。
「老い」は人だけに許されたもの、という見識は目から鱗だった。たしかに人以外の動物はいきなり死ぬのだ。
生物学は面白いかもしれない。
<アンダーライン>
★★★
「死は進化に必要である」ことは、生物学的な「死生観」と言ってもいいのかもしれません。
★★★★★
私たち生物は進化の結果できたので、死がないとそもそも進化できず、存在し得ません。つまり「なぜ死ぬか」ではなく、死ぬものだけが進化できて、今存在しているのです。
★★★★
生が利己的であるのに対し、死は利他的、公共的と言ってもいいかもしれません。
★★★
子孫を残すこと自体は生物の生きる目的ではありません。進化に目的はないのです。結果的に、子孫を残す生物が生き残ってきただけのことです。つまりこれも「たまたま」そうなっただけといことになります。
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興味深い。人は必ず歳をとる。その時にどう過ごすか… 社会に還元、そして最後は老年的超越で幸せに過ごす、自然に得た心境である意味ご褒美だと。
死への恐怖から解放されて大きな後悔もなく死んでいける。
野生の生き物は基本的に老化しない、老化は突然やってくる。
細胞の老化=個体の老化
幹細胞は寿命が長く、一生涯生き続けるものもある。
血液の細胞は約4ヶ月でワンサイクル
骨の細胞は約4年周期
ヒトの寿命は50〜60歳くらい、その根拠は
1. ゴリラ、チンパンジーの寿命からの推定、ゲノム遺伝情報はヒトとほぼ同じで50歳前後の寿命
2. 哺乳動物の、総心拍数は一生でほぼ20億回仮説
2〜3年寿命のハツカネズミも60年のゾウもほぼ同じで15億〜20億、ネズミは1分間に600回、ゾウは30回とゆっくり。
3. がん ヒトは55歳くらいからガンで亡くなる人が急増、年齢以上に生きることを想定していない進化の選択のためかと。野生動物はがんにほぼならず、その前に寿命で死ぬ
ヒトは本来の寿命55歳くらいから30年ほど生きるのは、強力な免疫機構のおかげ。十分な栄養で臓器も元気に。また、集団としての優位性を保つ社会性の生き物。
よって、細胞が壊れるまでの程よい過程が「老化」
人の社会の2層構造、想像力豊かなクリエイティブ層と、自由度を支えるベース層。若者と年配者、それぞれの活躍の場が結局互いを支え伸ばすのではないか、と。
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ヒトには老後がある理由とそれをいかして少子化の歯止めと知見の継承もできる提言がなされています。こういうアプローチもありだなと思いました。
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老後って何だろう。
そんな年齢になったため、手に取った本。
子孫を残せる年齢を過ぎても、人はまだまだ生きる。何のため?
高齢になったら自分の知識を公共化する、なるほど、と納得した。
死んだら今までの知識が0となる。
他の人に伝えて、更なる進化&発展をする。
人類全体でみる。
大きなメタ。
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前著「生物はなぜ死ぬのか」で話題となった著者の続編。
前著で、生物は「変化と選択」を繰り返す「進化のプログラム」によって、今ある姿・形・性質の全てを獲得したこと、「生物はなぜ死ぬのか」ではなく、死ぬものだけが進化できて、今存在している、死は進化に必要である、ということを示しました。
本書では、死ぬことは必然としても、人間だけが老化するという現象はなぜ起きているのか、ということに着目しています。著者に言わせれば、前著同様、「なぜヒトだけが老いるのか」ではなく、老いた人がいる社会が選択されて生き残ってきた、ということになるそうです。
生物としての老化にどのような意味があるのか、それを理解し、私たちは老いとどのように付き合っていくか、シニアが社会に果たすべき役割は何か、と考えさせられる内容が満載です。前著ほどのインパクトはなかったものの、難しい内容も丁寧に優しい言葉遣いで解説してもらっていますので、非常に読みやすくなっています。高齢社会を迎えるにあたり、ぜひ読んでいただきたい一冊だと言えます。
▼著者の提案
①元気なときには、本能のおもむくままにやりたいことをやり(もちろん公序良俗に反しない範囲で)、
②老いを感じ始めたら、少しずつ中心を自分から周りに広げて(老いを感じる年齢は個人差があります)、
③「シニア」になり、無理のない範囲で公共に尽くし(選手兼コーチもOK)、
④最後は皆に惜しまれて天寿を全うしてピンピンコロリと死んでいく(いつ死んでもいいようにご準備を)、
という考え方で生きるのはどうでしょうか
<目次>
はじめに
第1章 そもそも生物はなぜ死ぬのか
第2章 ヒト以外の生物は老いずに死ぬ
第3章 老化はどうやって起こるのか
第4章 なぜヒトは老いるようになったのか
第5章 そもそもなぜシニアが必要か
第6章 「老い」を老いずに生きる
第7章 人は最後に老年的超越を目指す
おわりにー幸せについて
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著者は細胞の老化研究をしている細胞学者。
タイトルの答えは単純に他の生物は老いる
前に搾取される弱肉強食の世界にいるから。
後半は学者の範囲を超え、シニア世代を
どう生きるかを言及しており、正直、
大衆向けになっており、期待はずれの
内容だった。