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あさこ 7 (ヤングチャンピオン・コミックス) みんなのレビュー
- よしだもろへ (著)
- 税込価格:715円(6pt)
- 出版社:秋田書店
- 発売日:2023/08/18
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コミック
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電子書籍
救い、救われるケアの物語
2023/10/24 15:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひつじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
よしだもろへ先生の最高傑作(2023年時点)です。
純愛ものでもありますが、それに留まらない深さと広がりを持った、優しい物語です。
以下、全巻読んでのネタバレ感想です。
この物語は、令和元年8月、東京で新聞記者をしている独身、34歳男性の「青島将司」の回想から始まります。
平成8年夏、当時11歳の将司は海辺の町の民宿の一人息子でした。3月生まれで同級生のみんなよりも幼く、勉強も運動も苦手で、いじめられていました。優しい(情動的共感性が高い)子なので、どうしてみんなが自分をいじめるのかもわからずただ泣いていました。
そんなある日、民宿に、若く、美しい女性が泊まります。東京から一人旅で来たという、タバコの似合う「大人」の女性です。将司はその女性を見てドキドキします。
その翌日、将司はいつものように同級生からいじめられて、波止場から海に突き落とされます。溺れかけて沈んでいく将司をたまたま見ていたその女性、「あさこ」は海に飛び込んで将司を救い上げます。そして、将司は「あさこ」に強く惹かれていきます。
将司は、あさこに「なりたいもの」を聞かれてこう答えます。
「この町を出て…あいつらのいないところ行きたい」「僕 おとなになりたい!!」
あさこは、将司にこう言います
「もしキミがあたしを知り尽くして…カラッポの履歴書を生めてくれたら…その時はあたしがキミを大人にしてあげる」。
将司は「あさこ」との記憶を辿るなかで、少しずつ「あさこ」の過去と、当時、他の人たちから「あさこ」がどう見えていたのがを知っていきます。「将司」にとっては憧れのお姉さんなのですが、「怖い」という人もいましたし、「嫌い」という人もいました。そして、「あさこ」が子どもたちの前で「理想の大人」を演じ続けてきたことも知ります。それによって、いじめられて万引きに加担させられていた女子や、トランスジェンダーの女子が救われていました(そして、そのことが「あさこ」にたどり着くことにつながります)。そして、「あさこ」の壮絶な過去を知り、それでも、いやだからこそ「あさこ」に対する強い好意を自覚した「将司」は、今の「あさこ」に会いに行きます。
この作品がとても素晴らしいのは、「あさこ」と「将司」がお互いを救っていたことです。「あさこ」は「将司」を男として肯定し、将司の悩みを解決していくのですが、同時に「あさこ」も将司の純粋さによって救われていくのです。
将司の、あさこに対する強い感情、それは性欲が基本にあり、「あさこ」を守り、助けたい、独占したいという「男」としての感情、それだけでなく「あさこ」の傷を癒やしたいという思い…その将司の思い・行動が、「男性の暴力性」によって散々に傷つけられてきた「あさこ」を癒やしていくのです。あさこが、将司の姉に自分のことを「バイセクシャル」だといったのは、将司に惹かれて自覚したのだと思います。
このまま進めば、二人には別の未来があったと思うのですが…二人は、ある男の、嫉妬からの介入によって強引に引き離されてしまいます。そして、現在まで、「将司」は初恋を引きずり続けることになります。でも、その回り道によって得られたもの、与えられたものもあるのです。
「加害」も連鎖しますし、「ケア」も連鎖します。「あさこ」は、過去を捨て「あさこ」として他人をケアしていくなかで生まれ変わりましたし、あさこに救われた人たちは次は別の人たちを救っていきました。
本作は、レビュー時点では十分な社会的評価を得られていませんが、何らかの賞を受賞して、漫画史に残されるべき傑作です。
電子書籍
うーん微妙だった
2023/08/23 01:09
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MTB84 - この投稿者のレビュー一覧を見る
Amazonの書評とかは非常に高評価で大多数が5星のようだったから自分は少数派である。感動したという様な手放し大絶賛の嵐だけれど、そう、多分評者は主人公のキャラクタが嫌いなのだと思う。幼少期から35歳に至るラストまで全く感情移入出来なかった。両親や姉など家族との関係性の描き方、が何となく雑な感じを受けた事も原因の一つかもしれない。なに、捻くれた少数派読者の戯言。
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