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捜査機関の供述調書は話を聞いたことをまとめたものではなく、自分達が描いたストーリー通りに書くものに過ぎない。検察官にとって都合の悪い話は排除されるので、事実と異なる調書が作られてしまう。取り調べ時に検察官が威圧的態度によって無理やり調書にサインさせることは、珍しくないのである。
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弘中弁護士。
知らない人はいない弁護士ですね。
すぐ思い浮かぶだけで、カルロスゴーン、ホリエモン、村木厚子、鈴木宗男、小沢一郎氏等の弁護人を務めてきた方。。
(冤罪事件を取り上げた内容という意味で)
やや不適切かもしれませんが、
めっちゃ面白いです。
よく、検察は先ずはストーリーを作り、そのストーリーを完成させるために証拠を作り訴訟手続きを進める、と言われますがさもありなん、と。。
有名な事件における検察側の問題点をわかりやすく解説、指摘した内容で、面白いのですが、こうやって冤罪は作られる的な内容で怖くなってきます。。。
注意点は、グレーな部分での訴訟というのは、裁判官が正しいのか、検察が正しいのか、弁護人が正しいのか微妙ですよね。
したがって、この本の中で取り上げられた事案の全てについて弘中氏の主張が本当に正しいのか、という事は読み手が考えないといけない事ですかね。
本の内容とは直接関係ないのですが、
学生時代、刑法(実体法)の授業が嫌いでした。
(刑事訴訟法(手続法)は好きでしたが)
思うに、構成要件やら違法性やら理論から教える順序とか、ずいぶん昔の判例等を学ばせる教育方法がおかしかったのではないかと。
この本のような、記憶に新しく、話題になった事案をたくさん取り上げた本をまずは読んだ上で、理論に取り組むという順序であればもっと関心を持てたのではないかと思いましたね。
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筆者の弘中惇一郎氏は高名な弁護士である。何冊かご自身が請け負った裁判に関しての著書がある。私は少し前に、「生涯弁護人」という上下2冊に分かれた分厚い著作を面白く読んだ記憶がある。
本作は、特捜検察に対しての批判の書である。ご自身が担当された事件・裁判を題材に、20の観点から特捜検察を批判されている。ただ、題材となっている事件・裁判は、数年前に書かれた「生涯弁護人」と重なる部分が多く、ストーリーを持った読み物としては、前作の「生涯弁護人」ほどの新鮮さ、面白さはない。
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巨悪に立ち向かう正義の味方。特捜検察の損なイメージは本書でくつがえされるだろう。多くの著名な特捜事件の裁判で無罪を勝ち取った弁護士が明かす特捜検察の手口。
本書を読むと世の中、多くの冤罪に泣き寝入りしてきた人が多かっただろうことが想像され戦慄せざるを得ない。
特にマスコミへの情報リークで犯罪者イメージを植え付ける手法は、自分も含め国民誰もが騙されやすいところだろう。
大山鳴動して鼠一匹の裁判が多いのもチェック機構の働かない特捜検察の弱さなのだろう。
司法改革と検察に悪用されない方法など、未来につながる提言も良い。全否定は、したくないが日本の司法のあり方を考える一助となる作品。