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やっぱり宗教と政治(国)って
絡んできちゃうもんなんだなぁ
お互い利用しあったり
邪魔になったり...
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NHKが今年から始めた「世界史のリテラシー」シリーズの3作目。「カノッサの屈辱」を引き合いに、ローマ教皇の力の変遷が書かれています。「ヨーロッパにおけるローマ教皇の変遷」という内容で、なぜローマに教皇がおり、十字軍、宗教改革が起こった背景は何か、など、概略を平易に把握することができる内容になっています。
以前、グローバル企業の日本支社長に「欧米で仕事をする上で最も大切な知識は何ですか」と聞いたことがあります。ファイナンスやマーケティングという回答を想定していたのですが、「そりゃ、キリスト教だよ」と一刀両断されました。この本は、キリスト没後の歴史中心なので、それ以前の歴史や思想などが分かるわけではないのですが、入門書としてはいいのかなと思いました。
前作の『ロシアはいかにして生まれたか』や『少女はなぜフランスを救えたのか』より本作のほうが格調高く、11月発売予定の4作目『ユダヤのアイデンティティはいつ芽生えたか(バビロニア捕囚)』にも期待したいところです。
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11世紀のカノッサの屈辱から十字軍という現象、16世紀の宗教改革までを通じて、使徒ペトロの後継者としての司教が世俗の権力者と関わり、時に対立し時に利用し合いながらいかにしてローマ教皇と言われるシステムとなったかが語られる。
非常に軽妙な語り口で飽きさせず、大学の講義をとったなら実に面白いだろうと思わせる名文である。
ただ、語られているのは中世教皇についての本当に概説のため、一度登場しては消えていく人名ばかりで、この時代のヨーロッパ史が頭に入っていないと流れが掴みにくいと思う。
逆にこれを入門書として中世ヨーロッパに興味を持つきっかけとするのもいいかもしれない。
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私は高校で世界史選択をしていたのだけれど、自分の好きな人物や歴史のところ以外ほとんど頭に残っていない。
芸術文化とか服飾史はけっこう脳内になるんだけど、いろんな海外の歴史ものドラマとか映画を見てそもそもなんで教皇ってこんなに力があるんだっけ?皇帝とのパワーバランスってどうなってるんだっけ?と疑問に思って読んでみた。
いろんな配信サイトで見られる海外の歴史物についてはこの知識をインストールしてから見ると理解度がかなり違う。それが現代とどう繋がっているのかって考えるとキリスト教圏の人にとっての宗教の立ち位置とかがわかりやすくなるんではないかなーと思った。
海外のフィクションはだいたいキリスト教の感覚がベースにあるから知っているとおもしろさがよりわかりそう
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・中世のローマ教皇についてさらに理解を深めるためには、教皇と直接的または間接的にかかわりのある、さまざまなテーマから、興味を抱いたものをえらんで学んでいくのがよいでしょう。たとえば、巡礼、列聖手続、異教や迷信の排除と改宗、十字軍、異端、修道制、各種の典礼、普遍公会議と地方の教会会議、東方教会との関係、秘跡、悪魔、煉獄、中世の伝説、十二世紀ルネサンス、大学、スコラ哲学、教会芸術など、いくつもの個別テーマをあげることができます。教皇はこれらの事象に大なり小なりかかわり、当時のヨーロッパ社会の文化や政治に、少なからぬ影響力を及ぼしてきました。逆の方向もまた然りです。すなわちこれらの事象に直面した教皇が何らかの決断や干渉を行うことで、教皇権や教皇史全体が変容することもあったのです。