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自己成長の鍵を手に入れるポジティブ心理学ガイド 学生生活を始める人・新たな一歩を踏み出す人へ みんなのレビュー
- クリスチャン・ヴァン・ニューワーバーグ (編著), ペイジ・ウィリアムズ (編著), 西垣 悦代 (監訳), 保井 俊之 (監訳), 札野 順 (監訳)
- 税込価格:2,640円(24pt)
- 出版社:ミネルヴァ書房
- 発売日:2023/08/17
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2023/09/27 15:00
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自己成長の鍵を手に入れるポジティブ心理学ガイド:学生生活を始める人・新たな一歩を踏み出す人へ
第2章 学び方を学習する
「身体予算」の科学的な名称はアロスタシスといい、身体のエネルギー需要をあらかじめ予測し備えることで、生存に効果的な行動をできるだけ効率よくとれるようにする。
身体予算の管理によって得られる「利益」とは、食物、休息、愛情、身体の保護などであり、それらは自然界の最も重要な任務、すなわちあなたの遺伝子を次世代につなぐことを可能にする。
そして、脳の最も基本的な活動法則、すなわち身体予算の損得—労苦と利益の収支 が、あなたが何かをするかしないかの判断を行う。
現代神経科学の先駆者の一人であるドナルド・ヘッブは、「ともに発火する神経は結合する」と表現している。これは「へッブの法則」として知られる人問の学習の基本法則である。
学習は孤立した状態で起こるのではなく、多くの要因が影響を勺えている。その一部は、感覚、エネルギーレベル、モチベーション(動機づけ)といったあなたの「内側」にあるものだ。これらはあなたが自分でコントロールすることができる。それ以外の学酉に影響する要因は、私たちの「外側」にある。それは文字通りの物理的環境や、他者の感じ方や行動といった私たちのコントロール外にあるものである。
学習に対する全体的な理解では、脳は単に入ってくる情報だけではなく、それが提示される文脈全体の中で相互作用するとされている。だから、脳が学習するのを助けるには、学習環境の中にある身体的・認知的・感情的・社会的要因のすべてを考慮しなければならない。
私たちが同時に2つ以上の難しい認知的課題に取り組もうとしたとたんに、パフォーマンスが著しく低下することが研究によって示されている。同時に行う課題を1つ増やすと、すべての課題のパフォーマンスが低下するのだ。
いったん気が散ると、いわゆる脳の「不応期」のために、集中を回復するには15分近くかかる。「切り替え時間(スイッチングタイム)」と呼ばれる現象で、あなたのメンタルエネルギーを消耗させ、本来の課題に戻ることを困難にする。
感情は思考と学習にとって不可欠である。感情の座である扁桃体は、脳の内部にある小さなアーモンド型の部位で、私たちの行動から感情的反応を引き出す。新しい記憶を記銘するとき、扁桃体が活性化され、その後の想起が促進される。
つまり、学習内容と結びついている感情の手がかりがあると、単なる事実に基づく内容よりも、深くて強い神経経路を造り上げるということだ。
学習環境は学習成果にとって重要である。認知的能力より環境が重要だと考える人もいる。しかし、あなたの脳が学習するのを助ける別の起爆剂がある。それは、あなたの学習経験をどうデザインするかということだ。AGESモデルは、そのための便利な枠組みとして使えるだろう。
AGESは注意、生成、感情、時間的スペースの頭文字をとった言葉である。
注意
注意には焦点化した集中が必要���、それはニューロンが活性化し、 神経ネットワークを構築するために必要な条件である。新しいネットワークを構築するには多くのエネルギーが必要だが、脳は長時間集中力を保つようにはできていない。脳は定期的な休憩時間と再度集中するために時間が必要なのだ。この休憩の間に、新しく形成された接続を強化しているのである。私たちが生来の限界を超えて集中しすぎると、脳は休息を確保するために神経接続が弱くなる。その結果、私たちは上の空になる。定期的に脳を休ませ、学習の際は集中しよう。
生成
大人の脳は、動的、可塑的、経験依存的、社会的、情動的な臓器で、学習に携わるだけではなく、自ら学習を主埠する。したがって、あなたの脳が考え・カ略・行動を自ら創造し、積極的にコミットすればするほど、学習はより効果的なものになる。あなたが自分の成長繁栄の旅をどこから始めるかを決めるとき、キーワードとなるのは、「妥当性」と「即時性」である。?あなたの成長繁栄にとって何が最も必要なのかを明確にしよう。そして、それに基づいて何を学ぶかを決めよう。
感情
豊かな感情に彩られた人生の1コマの鮮やかな思い出は、感動的でない「普通」の出来事に比べると、何千倍ものニューロンの活動の中に埋め込まれているのだ。これはどんな色合いの感情にも当てはまり、幸福でポジティブな気分でいるときや、楽しんでいるときに学習が捗ることが長年にわたる研究によって明らかにされている。例えば、ゲームを取り入れた学習は、学習成果が上がることが示されている。この学習成果は、コルブの経験学習モデルの4つの領域、具体的経験、省察的観察、抽象的概念化、積極的実践のすべてにおいて、向上していた。あなたの学習をゲーム化できるかを考えて、遊び心をもってそれを楽しもう。
時間的スぺース
あなたの学習デザインの効果を高める比較的簡単な方法は、学習内容の「間を空ける」ことだ。脳の前頭前皮質の限界は、学習に直接的に影響する。なぜなら、新しい情報は、必ず前頭前皮質を通って技術や知識として埋め込まれるからだ。
私たちの認知的容量には限界があり、収穫逓減の法則は学習にも適用される。私たちは生物的存在としての自分を尊重し、その限界に合わせて活動すべきであって、抗ってはいけないのだ。新しい学習を消化し、統合し、復習する際には、適切な時間間隔を空けよう!
まとめ
脳は、私たちの学習のための中央貯蔵庫であり、処理施設である。脳の処理過程と機能の効果を最大にするために、学習環境や学習デザインにおいて考慮すべき要素は以下の通りである。
・身体的環境:規則正しい良質な睡眠は、記憶と学習の前提条件である。
・認知的環境:学習効果を坡大にするには、注意の拡散を故小にしよう。
・感情的環境:学習の際には、ポジティブな感情を生み出す機会を探そう。
・社会的環境:あなたが成長繁栄し、成功する助けとなる学習仲間を見つけ、
勉強グループを作ろう。
・学習デザイン(注意):脳を定期的に休息させ、学習機会に集中すること。
・学習デザイン(生成):あなたの成長繁栄にとって最も币:要なことは何かを
明確にし、それに向かって学習しよう。
・学習デザイン(感情):あ���たの学習をゲーム化し、遊び心のある楽しいも
のにしよう。
・学智デザイン(時間的スペース):新しい学習を消化し、統合し、繰り返し実践するために、十分な時間間隔をとろう。
第3章 強みを見つける
お勧めする活動を実行すれば、次の3つの学習目標を達成できるだろう。
・自分の強みに気づく
・自分の核となる価値/価値観を特定する
・自分の強みと価値観をどのように活用すれば成長繁栄できるかを理解する。
ピーターソンとセリグマンは、約20年前にVIAを開発し、24の性格の強みと6つの美徳、すなわち「道徳哲学者や宗教的思想家によって価値づけられた中核的な徳性」、知恵と知識、勇気、人間性、正義、節制、超越性を特定した。これらの価値観は世界共通かつ通文化的であり、人々の達成に寄与する性格の強みと関連している
ある強みを思い起こしてみて、これらの基準のどれか1つ以上が、あなたの心に響いたら、それは間違いなくあなたのシグネチャーストレングスだとセリグマンは言っている。だから、その強みをあなたの人生のさまざまな領域で意図的に使うことが望ましい。
最近の研究によると、強みを適切に使うことはお勧めできるが、使いすぎや使わなさすぎは、マイナスの影響を生じる可能性がある。
ニーミックは、「強みを過剰に使うと自分や他者にマイナスの劝果をもたらす。するとそれはもはや強みとはいえず、何か別のもの、ネガティブな習慣や特性になる」と言っている。
「向学心」の使いすぎは、いつまでたっても十分に学んだ気持ちになれなかったり、すでに学んだことを統合するための十分な時間をとらず、ひたすら新しいことを学び統けようとするかもしれない。
ここまで、強みが私たちの人生において果たす役割に関する理論と学術的根拠を検討してきた。要約すると、覚えておくべきことは以下の通りである。
・自分の強みに気づくことで、自分自身や、自分の行動と決定についてよりよく理解することができる。
・性格の強みとは、人の思考・感覚・行動を反映した特性であり、バランスのとれているときは、その人を繁栄および成長繁栄させるものと定義される
・強みを使い発達させることは、弱みを特定し克服しようとする伝統的なアプローチよりも有益である。
・性格の強みに気づきそれを使うことは、ウェルビーイング,健康・人生満足度・レジリエンスなど広い範囲にポジティブな効果がある。
・他者の強みを見抜くことは、その人のポジティブな特性を理解する助けとなり、よりよい関係性を築くことができる。
・あなたのシグネチャーストレングスは、自然に備わったあなたの根幹であり、あなたが城高の状態であるために不可欠なものである。
・シグネチャーストレングスをあなたの人生.の中心的な而域で日常的に使うことは、あなたに史びと満足をもたらすだけではなく、繁栄および成長繁栄の手助けとなる。
・価値観とはあなたにとって大切なものである。それはあなたのモチベーションを高め、意思決定の指針となる信念である。
第4章 希望をもつ
楽観主義も希望もどちらもポジティブな未来への期待を含んでいる。しかし、楽観主義は期��する未来を作り出す能力が私たちにあることを必ずしも反映していない。それゆえに、楽観主義は私たちがほとんど個人的にコントロールできない分野に関連しているといわれる。楽観主義と比較すると、希望は自分に何ができるか、目標標達成のために率先して行動を起こせることに焦点を当てている 。今ある学術的根拠が示すところでは、希望があることでレジリエンスが生じたり、ポジティブに取り組めたりする。希望をもちすぎて困ることを実証する研究はほとんどない。
希望はその夬行段階で股褲を尽くそうという考えに反映されている。したがって、希望とは望む目標に到達する能力があると信じること(ウィルパワー)からモチベーションが大きく高まっている状態であり、そのための行動記曲(ウェイパワー)を伴っている。言い換えると次のように要約できる。
希望イコールウィルパワー足すウェイパワー
希圣のような心理学的リソースは有限であるがゆえに、状況が悪化しすぎると消えてなくなるかもしれないという懸念がある。しかし最近の研究によると希望については、そうではないことが示唆されている。
研究結果の要約
・希望とは単なる希望的観測以上のものである。それは目標達成に向けて努力できると信じること(ウィルパワー)と、そこに到達するための計画を立てること(ウェイパワー)の組み合わせである。それによって、ゴールを目指すエネルギーが作り出され、困難な状況に立ち向かう忍耐力が高まるのだ。
・希望を高くもつ学生は学内で幅広くポジティブな成果を上げる。モチベーションとウェルビーイングが高まり、成績が上がり、自分のスタンダードに基づいた目標を設定できる。
・希望自体がリソースともいえるが、成長繁栄するためのほかのリソースを獲得する際にも役立つ。
・希望は、不確実なものや困難に立ち向かうときに私たちを守ってくれる。とりわけ、大学入学や卒業などの移行期において役に立つ。
ウィルパワー(エージェンシー)
エージェンシー思考とは未来を想像して複数のシミュレーションをし、そこから一つに決めることとして概念化される。これはモチベーションを作り出すエネルギーとなり、推進力となる。
ウェイパワー(パスウェイ)
発散的思考ができるようになると、アイデア間の意外な関係性がわかり、問題解決のための斬新なアプローチができるようになる。発散的思考ではいろいろな方向から物事を考えるので、現実に役立つ道筋を幅広く考えられるようになる。発散的思考は創造的思考の同義語だと思われがちだが、じつは創造的プロセスの一部にすぎず、問題解決・観念化・創造力などと結び付きがある。希望をもつことにつながるパスウェイ思考の前提でもある。
第5章 できることに集中する
一部の研究者は、目標を3つのカテゴリ、行動・成果・学習に分類する。
これらの日標のカテゴリーはなぜ重要なのか?その理由は、目標はあなたの:(結果・行動・学習への)注意力に焦点を置くからだ。それはさらに、あなたの感じ方やモチベーションのレベルに影響を与える。
目標は私たちの日常生活の一部なのだ。私たちは、3つのカテゴリーに基づいて目標を設定することが多い。
1.具体性のレベル:非常に具体的なものから、より一般的なものまで
2.タイミング:短期から、中長期まで
3.接近か回避か:健康になること対病気を避けること。
ほぼすべての目標を達成できるようにする、重大な判断基準が一つある。努力の継続だ。私たちは、善意の有無に関わりなく、勢い・関心・エネルギーを失う前に、何かに向かって取り組み始める状況にある。当然のことながら、私たちは日標にワクワクし刺激を受けているときの方が継続しやすい。意図的変化理論は、私たちが望ましいビジョンや目的を特定キると、それを学習課題に変換できると説明する、このことから、「〇〇すべ
き」のカテゴリーに当てはまる目標が必ずしも刺激的であるとは限らず、達成するために余分な努力が必要になる理由がわかるだろう。
数十年にもわたる研究とフィールドワークに基づく目標設定理論では、人は簡単で漠然とした目標よりも、より困難で具体的な目標を達成する可能性のほうが高いと説く。なぜなら、より困難な目標を達成するためには、より多くのエネルギーと努力が必要になるからだ。ほかの重要な要因は、目標にコミットしていること、それを達成する能力をもっていること、進抜状況に関するフィードバックを得ることだ。「人が目標にコミットし、達成するのに必要な能力をもち、さらに相矛盾する目標をもたない限りは、目標の難易度と課題の逹成との間には正の線形関係がある」
自分の能力に対する信念は非常に垂要だ。「できると思っても、できないと思っても、あなたは正しい」というヘンリー・フォードの有名な格言は、信念が行動を導き、結果に影奔を与えることを示している。自己効力感理論によれば、何かできると信じれば信じるほど、その達成に向けて必要な行動をとるようになる。その結果、目標は達成されやすくなる。
行動に関しては、より細やかな小さな行動に焦点を当てることで、長期的には大きな変化につながることが、研究結果として示されている
自己効力感は、何かで成功できるという信念に関迎しているか、統制の所在は、特定の状況に対して人びとがコントロールできていると感じる度合いに関するものである〃統制の所在を内にもつ人は、自分に何が起こるかを決定している主な要因は自分自身であるとみなし、統制の所在を外にもつ人は、偶然や強力な他者などの外的要因を、自分に起こることの決定要因とみなす。
旅を楽しもう。ただし、時々立ち止まって、人生の目標を見つめ直そう。夢をもち続け、よい選択をして、日々の生活の中で多くの喜びの瞬間を見つけて、自分に感動とモチベーションを与えよう。
第6章 自分をケアする
自分をケアすることは、人生がうまくいっていてほとんど間題に直面していないときには、ウェルビーイングを支えるポジティブな習慣を積極的に開発することにつながる。困難な時期には、さまざまな対処法を用いて効果的に困難を乗り切ることにつながる。
重要なのはストレッサーそのものではなく、ストレッサーへみ評価や認識であり、その結果、生理的および感情的なストレス経験がもたらされるということだ
セルフケアとは、自分の身体的・精神的・社会的健康とウェルビ��イングをケアするために、意図的に行う活動のことを指す
私たちの身体では、自律神経系が制御システムとして働いていて、心拍・消化・呼吸などの多くの身体機能を無意識のうちに調整している。自律神経系は交感神経系と副交感神経系の2つに大別される。ストレスは交感神経系を刺激し、コルチゾールの分泌を促し、さまざまな以体機能を発動させ、闘うか逃げるかの準備をさせる。
身体は賢く、自己調整もする。ストレッサーが過ぎ去ると、副交感神経が働き、活性化していた反応を抑え、正常なレベルの機能を回復させる。
これらの研究をまとめると、私たちは自分をケアするために役立ついろいろな事柄を知っている。
・ストレスの経験は、私たちが脅威・害・喪失を認識したときに起こる。ストレッサーは、必ずしもストレスの経験につながるわけではない。ストレツサーが自分の能力や許容员を超えていると認識したときに、苦痛を感じるのだ。
・コーピングとは、私たちがストレスに対応するための多様な戦略のことである。今回は以下の5種類のコーピングを取り上げた。
ー問題焦点型コーピングは、ストレッサーの除去や回避、またはその衝撃を緩和する方法を見つけ出すことを目的としている。
ー情動焦点型コーピングは、ストレッサーを経験した結果生じる感情に対処する。
ー従小型コーピングは、ストレッサーと湧き起こる感情の両方に直接対処する。
ー撤退型コーピングは、ストレッサーとそれに関連する感情から逃避しようとする。
ー能動的コーピングは、害を未然に防ぐことと、潜在的なストレッサーの衝擎を軽減し和らげることに重点を直く
・困難に対処する方法は、人や状況によって異なるため、唯一の正しい方法はないものの、よりよいアプローチはある。重要なのは、効果的なコーピングを学び、ストレスや困難をうまく切り抜けるための健康的なコーピングスタイルを身につけることである。
・セルフケアは、自分の健康やウェルビーイングのために行う活動である。これは、私たちの生理的・精神的なプロセスを回復させ、疲弊や燃え尽き症候群のリスクを軽減させる。
・ストレスの多い時期には、セルフケアが犠牲になりがちだが、そんなときこそ重要になるものだ。セルフケアはわがままなものではなく、むしろ、私たちがベストな状態で機能し続けるために必要なものである。
自分を大切にすることを優先させるにはどうしたらよいだろう? アイーケアの枠紐みが役に立つだろう。
I :私たちはセルフケアの実践を通じて、自分のウェルビーイングの知的な主体となる
C :自分にも他者にも思いやりを示そう
A:私たちはセルフケアをどのように実行に移すかを、自分で選択することができる
R:私たちは人とのつながりによって、モチベーションを高められ、支えられている。
E:忙しい生活の中でも取り入れられるシンプルな戦略を用いて、セルフケアを簡単にできる。
第7章 今、この瞬間に生きる
カバット=ジンは仏教哲学に基づき、マインドフルネスを「特定の方法で注意を払うこと:意図的に、今この瞬間に、判断すること無しに」と定義している。マインドフルネスは、内的な体験と同じように外的な出���事の観察を引き出す。
カバット=ジンの定浅によるとマインドフルネスには以下のことが含まれる。
・注意の自己制御
・私たちの注意を内的および外的な経験へと向わせること
・メタ認知的意識
・受容的・非判断的な態度の採用
マインドフルネスはしばしば「マインドレスネス」と対比される。マインドレスネスは表面的な先づきの状態として説明され、そこでは自動的な思考・習慣・行動に頼って仕事をこなしている。要するに自動操縦の状態だ。マインドレスな繰り返しは専門性や最高のパフォーマンスを身につけるために利用できる
マインドフルネスの実践には3つの本質的な要素がある
・マインドフルネス実践における実践者の意図
・起こってくる内的および外的な体験に注意を向けること
・実践者がマインドフルネス実践に持ち込む態度
マインドフルネス実践の意図は、「なぜ実践するのか」「実践を通して何を得ようとしているのか」という問いに答えることだ。研究によると、実践者の意図はいくつかのカテゴリーに分かれる傾向がある
・心と身体のリラクセーションまたは自己鎮铮化
・自己調整ー自己をコントロールする
・自己探求—自己を知る
‘自己解放ー自己超越:より高い目標につながることができる。悟りへの到達またはよりスピリチュアルになる。
注意には6つの構成要素がある。
・現在に集中していること
・観察しているものに関して明晾であること
・差別的でないこと
・意識と注意の柔軟性を保つこと
・私たちの体験に対して特定の価仙:観に囚われない立場をとること
・注意の安定性を得ること
一般的な瞑想法は次の3つに分けられる
・集中瞑想:集中実践の中では、実践者は内部および外部の刺激を無視して、注意を単一の対象や思考に集中するようコントロールする。
・マインドフルネス瞑想:注意を広げるための精神的な実践と考えられている。その目的は、特定の対象に集中するのではなく、移り変わる経験に注意を向けることだ
・観想的瞑想:この瞑想は、不知ということを受け入れ、より大きな精神に働きかけることを含んでいる。
第8章 関係性を築く
社会心理学者のスーザン・フィスケは、60年以上にわたる人間関係に関する心理学の研究を統合し、有意義な人間関係を形成し維持するために、私たちの焦点と努力を活性化し方向づける役割を担う、5つの包括的かつ相互に関連する社会的動機を見出した。認知的動機と感情的動機の混合である5つの核となる社会的勒機とは、所属・理解・統制・自己高揚・他者への信賴だ。5つの頭文字を「バケット」と読むと、この理論を覚えることができる。
人間の生き方の中心にある2つの注目すべき原動力は、目的をもつことと貢献することだ。
私たちの生活におけるポジティブな人間関係は、成長自立し共感する能力を通じて、これらの原動
カの基本となる。有意義な人間関係の中では、自己拡張や実現、5つの核となる社会的動機に関連する肯定的な機会を通じて、目的が促進される
第9章 逆境に備える
心理的レジリエンスを定義するさま��まな方法として、木のメタファーがある。ある木は嵐に見舞われて曲がり、すぐに元の位置に戻る。このタイプのレジリエンスは、研究文献の中ではしばしば回復のレジリエンスと呼ばれる。
嵐の中で強く立ち続ける木もある。このタイプのレジリエンスは抵抗力レジリエンスと呼ばれ、逆境に直面しても強く立ち向かうこととして知られている。
最期に、嵐の中で曲がり、適応していく木もある。再び元の形に戻るというのではなく、なんとかして強い風に適合させる。再構成のレジリエンスは、個人の困難から立ちかる能力がより強まり、かつ見識が広がることをみることができる。このようにレジリエンスを定義すると、「回復と
ポジティブな成長」をもたらすPTGと似ている。
「心的外傷後成長」という言葉は、1990年代半ばに初めて使われた。この現象は、世界中の臨床現場で臨床家が、最も悲惨な体をした後でさえ、
人々がしばしば、その旅から得たと思われる恩恵について表現する場面に立ち会ったことに端を発している。
PTGを報告する人々は、その成長の成果において共通のテーマをもっていることが多い
・人生に対する感謝
・人間としての強さ
・他者との関係を築く能力
・新たな可能性
・スピリチュアルで実存的な変容
・身体への新たな気づき
まとめ
・人生において、ほとんどの人が逆境に立たされるので、もがき苦しむのは正常なことである。
・逆境は常に個人的なものである。ある人にとって大きなストレスになることが、ほかの人にとってはそうではないかもしれない。
・心理的レジリエンスは、逆境・文脈・個人の反応、そして個人的・環境的資源などのさまざまな要因の相互作用を伴うダイナミックな過程である。
・心理的レジリエンスはダイナミックな過程であり、学習と活動を通して促進することができる。
・PTGは逆境との闘いの過程であり、また潜在的な結果でもある。
・人生のある領域で成長を経験しても、ほかの領域では経験しないこともある。
・PTGを経験しないことも全く普通のことである。
第10章 遊び心をもつ
研先者によれば、すべての遊びは以下のような共通した特徴で結ばれているとい
・無目的:遊びは目標達成や意義ある何かをめざさなくてもよい。
・自発的:遊びはしたいからするのであって、誰かに強制されて行うものではない。
・楽しい:遊びとは本来楽しいもの
一見すると目的性に欠けているようであっても、遊びには幅広い心理的な利点があり、遊びの概念にいっそうの価値を与えている。例えば、フローと回復である。
第11章 意味を見つける
私たちは、人生の意味について検討しているんじゃない。そうではなく、人生の意味、つまり「人生における意味」について話しているんだ。この違いについて考えてみてほしい。人生の意味というと、私たちが大地創造から死にいたるまで、宇宙のすべてを把握していると確信できるほど、途方もなく賢いか、信心深くなければいけないように考えてしまう。
人生における意味では、ひとりの個性的な人間が、それぞれ出会う世界やものの見方のなかで、障害を通���て通る旅路について考えることになる。人生の意味とは違って、人生における意味は唯一絶対の正解など存在しないことを示してくれる。むしろ、私たち自身と私たちが愛する世界にとってよりよい生き方をするためには、数えきれないほどの小さな答えがあるということを教えてくれる。
人々が自分の人生における意味を判断するときに考える情報や経験の種類には、多くの類似点があることだ。
首尾一貫性とは、人が自分の人生をどのように解き明かし、人生の一貫性と予測可能性の度合いを理解するようになるちから、つまり、世界を裏で動かしていると私たちが思っている「ルール」を捉えることだ。
・目的とは、人々が人生で達成したい願望や夢のようなもので、その願望を動機づけや意思決定、人生における優先知位を決めるために、どう使うかに関するものだ。
・意義とは、自分の人生には固有の価値があり、困難に直面しても生きるに値するし、自分が何者で何をするかは、何らかの意味で重要であるという信念の强さだ。
第12章 自分自身について知る
学ぶということは、自分の安全領域から出ることを含んでいることを理解しよう。挫折の経験は不快ではあるが、じつはあなたがポジティブな学習成長曲線上にいることを示す証でもある。ポジティブな失敗は、目標を達成するまで学び続け、挑戦し続けるブロセスの設定に関係している。
スタンフォード行動変容研所のフォッグの研究によると、行動が起こるためには3つのことが同時に必要である。フォッグはこれを次のような式にまとめている。
行動イコールモチベーション×能力×きっかけ
20年以上にわたる大学教員としての経験と学術的な研究の成果に基づいて、私たちは2つの戦略、スローダウンと簡素化が、大学という環境でウエルビーイングを高め、セルフケアを強化し、学業を向上させるために重要であると確信している
簡素化は通常、「人生の本質的要素、すなわち、自分にとって重要なものに絞り込むこと」と定義されている。簡素化を、2つの要素によって?何かをより複雑でなくすることだと定浅しよう。 2つの要素とは、①行動を減らす側面と②優先順位をつける側面である。
第13章 思いやりを世界に広げる
テーラヴァーダ仏教では、魂の人格的成長の柱として「聖なる住処」という言葉で表される4つの心の働きについて述べている。その中の3つは、 慈悲・慈愛・共感的喜び という思いやりに関わるものであり、4つ目が平静である。これらのうちでも慈悲は、しばしばとくに優れたものとして示される。
トゥ・クインシーは「間主観性」の3つの段階という考えを提唱している。最も基本的な間主観性1の段胳では、自己と他者との関係性はコミュニケーションを通じて生じ、言語的な情報の共有もその中に含まれる。
2024/05/09 08:15
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読了。学生向けに書かれている感じでしたが、マインドフルネスやセルフケアなど、わかりやすくて面白かったです。私も何か行動しなきゃなぁとは思っていてもなかなか動けない。
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