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清廉潔白、裁きは公平。晴れ渡った空の如し――。北宋に実在した中国史上屈指の名判官「包青天」の活躍を描く、連作中華ミステリ短篇集。待望の文庫化!
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文庫化をみつけて、ようやく読むことができました。
『桃花源奇譚』の包希仁とは、別物とわかっていても、そうともいいきれない微妙なところが、『桃花源奇譚』を読んだ読者としては楽しかったです。
桃の文鎮のくだりも、さる高貴な方の手渡しかそれとも人づてか、手渡しだった場合のやり取りなど勝手な妄想で楽しませてもらいました。
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中国史上屈指の名判官・包季仁の活躍を描いた連作短編集「青天」。包希仁という人物を知ったのは「桃花源奇譚」でした。同じ作家さんです。
なんというか、勝手に「遠山の金さん」的なイメージで覚えていたので、作中の活躍は予想外。「大岡越前」方面なのか。
いやいや、気軽に市井と交流をするというのは「遠山の金さん」で、公平な裁きという点では「大岡越前」ということなのかな。ちなみに自分的に名裁判といえば、「遠山の金さん」です。おじいちゃんと一緒に松方弘樹演じる金さんを見ていた記憶。懐かしい。
孫懐徳とのやりとりが微笑ましくて何より良い。助手というには役者不足な気がするので、世話役というところでしょうか。主人公の一番の理解者である存在であるのに、一番振り回されて苦労してしまう、という関係は清涼剤なんでしょうね。「青天」ではそういう印象の話はありませんでしたが、血生臭い事件も取り扱うこともある題材なので、主人公サイドには落ち着きを求めるからでしょう。
包季仁、孫懐徳、楊宗之のトリオで、これからの物語ができそう。
秀才だけど日常生活は抜けた青年・包季仁。一番の年長者で、一番の苦労性な孫懐徳。遊侠上がりの前途溢れる若者・楊宗之。頭脳派・苦労派・武闘派といいトリオじゃないですか。シリーズ化とかどうでしょうかね。資料あたるの大変そうだけども。
創作物でもいいんだけどな。
孫懐徳が五十路ということに、最後まで馴染めないままでした。なんだろう、年相応の小言を言ってはいるのだけど。自分の年齢が上がったから、五十路という数字から受ける印象が変わったからかな。無意識に、五十路は年長でなくて若い、とでも思いたいのか。なんだか、無闇に加齢を否定しているようで好ましくないですね。
加齢は悪いことではないですしね。幾つになっても、年相応でありたいし、年甲斐もなくはしゃぎたいし、背伸びして年寄りぶりたいものです。