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特攻隊員が愛する人に伝えたかった思いとは。戦後六十年以上を経て、婚約者が語り尽くした、あの時代とある愛のかたち。全面改稿を施したロングセラー新版
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2人が出会った図書館
その頃は私たちのように家があり家族いて友だちがいて好きな人がいて趣味があって
本を読んで音楽を聴いて笑い合って、これからの未来の自分たちを語り合って
そんな当たり前の生活があった。
戦争が色濃くなるにつれて
その当たりが奪われたり、非国民と言われるものになっていく。
戦争一色になり、死を持って国を守り家族を守り好きな人を守りたいその一心で利夫さんも航空に志願する。ちえこさんもそこに誇らしさも感じる。それが戦争洗脳だと思う。
勝ち戦と国民を騙し、命を弾として使う。
特攻隊とは本当に酷く言葉にもしがたいもの。
死が当たり前、生きて帰ることが許されない
それは死を覚悟して志願したものも
疑問があった作戦だったと読んでいても伝わる。
ちえこさんも国民も特攻隊の存在が
日本の負けを感じさせるものと。
なぜ勝っているのにそこまでするのかと。
ちえこさんも述べているように
いつだって権力のあるものは傍観し
夢のある若者が奪われていく。
本当にその通りだと強く思う。
戦争を始めたものはなぜ1番に戦いにいかないのか
家族ある夢のある若者がいつでも先に犠牲になるのか。それは今の世界でも言えることだと思う。
読むにつれて2人の手紙が涙で読めなくなった。
時代が違えば2人も違っていた。
戦争がなければ、そう思わずにいれなかった。
最後まで結婚に辿り着けなかった
最後に2人が会えなかった。
あの時あぁしてれば、はこの2人に濃く残るものだと思わずにいられなかった。
それでもちえこさんが
選ばなかった人生も結局は同じような幸せや悩みがあったと思うと述べている。
それもすごく考えさせられた。
ちえこさんも鬼籍にはいり
いまはもういない2人の手紙のやりとり
この時代読ませていただけたことに深い感謝を想う。
どうか2人が深い深い自由の中で
笑顔でいますように。願う。
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当時は、御国のため、銃後のためとして、無意識のうちに私情に蓋をして、従容と死地に赴いた人が(特攻隊に限らないとすれば)何百万人もいた。
戦争がすべて悪い、といって思考停止していては、この問題の本質には届かない。
今でも、そういう立場で仕事をする人は、たくさんいる。自分が行動しなければ、大勢の人の命が危機にさらされる、というとき、自ら身を投げ出してそれを防ごうとする行動を起こすであろう人がたくさんいる。これは個人の倫理の問題だ。
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知り合いに勧められ手にした一冊。
2人が育む純粋な愛に心打たれた。
もし智恵子さん、利夫さんが戦争のない時代に生まれ、出会っていたらと考えてしまう。
利夫さんの為と思いを馳せ行動する智恵子さんの純粋な愛に、智恵子さんを想い続けながらもふさわしい行動をと葛藤を抱えながら、溢れそうな思いを堪えながら役目を全うする利夫さんのどこまでも誠実な心に、胸打たれた。
マフラーを通じたプロポーズがとても素敵で、心惹かれた。
利夫さんが智恵子さんに送った遺書に書かれた言葉にも心を打たれる。
死が目の前に迫っているにも関わらず、欲に飲まれることなくただ純粋に智恵子さんへの感謝や愛を伝えようとする利夫さんのその誠実さが心に残っている。
健気な2人であった、と書かれていたが本当にそのように思う。
2人が再会し、それぞれの望みが叶っていることを願う。
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美しいな。。
2人の心が美しい。。。
その分叶わなかったのが悔しいし切ない。
あと半年早く日本が降参していたら、一体何万人の命が助かったのか。。
どれだけ悔いても過去は変えられないので、命懸けで日本の為に戦った人達に恥じない生き方をしたいなと心から思います。
生きる時代は選べない。
自分がこの時代に青春を過ごしていたら、毎日何を考えていたのだろうか。
2人の手紙での文章の表現力には驚かされました。。これ同世代!!?って。笑
インターネットがなかった時代だからこそですかね。。
智恵子さんは2013年に90歳で亡くなられたとのこと。
2人が天国で再会して、笑いあっている姿が浮かびます。
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11月18日から19日の日程で、子供の頃から是非とも行ってみたかった鹿児島県知覧に妻と行ってきた。目的は、知覧平和特効記念館。どうしても、神風特攻隊が飛び立って行った知覧をこの目で直に見てみたかったからだ。
そこで、この本を買ってきた。話は、特攻隊員と相思相愛の恋人の若い2人の恋と、その悲劇的な結末。しかし書かれていることは、全て紛れもない事実であり、感動を期待して作られた創作ドラマ等ではない。
彼等の出会いは、今の若い男女のそれと幾分も変わらない。純粋で実直で実に気高く、されど壊れやすく傷つきやすい。実際、私も自分と妻の付き合い始めた頃とこの本の2人を重ねて読むことが少なくなかった。
違うことと言えば、彼等は非常に教養があり、高い志と国を思う強い気持ちを持っている。たがらこそ、余計に切ない。
どのように考えても、彼等こそが生き残って幸福になるべき存在ではなかったかと、誰もが考えるのではなかろうか。
言葉が見つからないというのが、今の正直な気持ちである。
言いたいことはたくさんあるのだが、書けば非常に安っぽく極めて使い古された言葉になってしまう。
戦争が悪いとか、命を大切にとか。そういう言葉では全く語ることが出来ない事実がそこにあり、そして何とも表現出ない今の自分の感情がある。正直、そんな作品である。
ちなみに、この本の作者は私と妻の大学の後輩らしい。
これも何ともはや、計り知れない何かの縁である。
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手紙の中の日本語が美しすぎる。とても同年代の人が書いたとは思えない。
自由に選択ができ、物量が飽和になった今、自分たちはどう生きるか考えさせられる。