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スカウト歴38年、元中日スカウト部長が回想するスカウト視点のプロ野球史。
全て実名で筆者が携わったドラフトの指名意図、他球団の指名を回想する。ドラフトで指名されプロ野球選手になるのは、ほんのひと握りだが、指名順位と球団、そこで出会うコーチ、監督や選手層、活躍するまで多くの運が存在する。
本書で意外なのは本当の意味での隠し球はないということ。中日だってイチローや古田、柳田、近藤、山川などそれなりにマークしている。GMや監督とのコミュニケーション不足だったり、その年の指名方針だったり、他球団に先に指名されてしまったり。たいていの社会人、大学の指名選手は既に高校時代にスカウトがチェックしているようだ。
星野監督、落合監督の微妙な好みも面白い。
中途半端な名選手の本より、スカウト目線の本の方がよほど面白い。
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星野監督:1987年-1991年、1996年-2001年。
落合監督:2003年-2010年、落合GM:2013年-2016年。
と、星野と落合がドラフトに長く関わっているので、このタイトルになっているが、
1986年から2021年までの中日ドラゴンズのドラフト裏話だった。
タイトル通りに、星野と落合が絡んでいない年は短くまとめている。
育成を含め、どのチームもドラフト候補選手は若い時からマークしている。
指名するか否かは、その時のチーム事情や監督の好み、育成環境などによるが、スカウトの力量にもよる。
ドラゴンズは球場が広いからホームラン数が少ないことになっているが、
本書を読むとホームランバッターを採っていないことが明確。
打撃よりも守備重視で、現在他チームで打線の中心となっている選手をドラフト候補から外したり、指名順を下位にしたために他チームに採られている。
その責任の多くが本書の著者の中田宗男にあるように読める。
もしくは、獲得した才能ある選手を育成できずに潰してしまっているのかも知れない。
現在のドラゴンズが弱いのは、打撃を重視しないドラフト戦略のまずさにもありそうだ。
直近10年のチーム成績は3位と4位が一度で、後の8回は最下位争いに甘んじている。
落合が監督の時に「ああいうタイプはいらん」と言ってドラフト候補からも外させた中田翔が2024年から中日だ。
誰か若手で大化けする選手が出てくると面白いんだけど、どうかな?
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中日ドラゴンズの選手として五年活動後、スカウトになった筆者の回顧録。主に星野仙一・落合博満両監督の期間をメインに振り返る。
筆者のスカウト歴38年の中での成功も失敗も苦労を交え、そして全て実名で語られているので活躍できずに引退した選手達には気の毒なところもある。
普通の企業のスカウト(ヘッドハント)とは違い、ドラフト制度に対する戦略が非常に重要になってくる。取りたいと思っても思い通りには行かない中で、他球団がどう出るかを推測し、また選手が現在所属している団体の監督などへの根回しもかなり重要。
あくまでも筆者の回顧録であり、選手達のドラマはあまり描かれない。そちらにも踏み込んでいればもっと興味深く読めたかも。
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ドラフトは10年後にしかわからないが、星野監督時代やその他の監督の方が、活躍している。落合監督時代はなぜかあまり活躍していない。たぶん、レギュラーが固定化されたためかなあ
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「組織・人事は戦略に依存する」
「組織はリーダーに依存する」
「どんなチームにしたいのか?」
この全体戦略に則ってドラフト戦略、言いかえれば人事戦略が決められていきます。
また、リーダーによってその組織文化が決まっていきます。
これらのことが、リアリティに感じられます。
つまり、ドラフトの事と同時に、その中の組織文化も体感できます。
ドラゴンズの現在の貧打の原因の一部も垣間見れて興味深かったです。また、他球団のスター選手のドラフト当時の状況等も書かれいて、ドラゴンズファンじゃなくても面白く読めました。
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よくわかりました。チームを強くする要素の一つがドラフトなんですね。よくここまで書いてくれた。特に、落合監督との考え方の違いがよくわかった。星野監督のように10年先の事を考えて選手を取っていく必要がある。それがチーム愛である。目先だけでは、現実場面でもNGだろう。
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長年のドラゴンズファンにとっては、これだけ長い間のドラフトにまつわる濃いエピソードが詰まっていてありがたい一冊。星野監督が将来を見据えたチーム編成を意識していた中で後々花開いた選手が多かったが、落合監督時代に獲得した選手は即戦力中心だが伸び悩み、後の低迷に繋がったことがわかる。しかし落合の球団の中で置かれた立場は星野や守道、立浪と違って厳しく、結果で黙らせるしかなかった背景は理解しないといけないか。
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中田さんの話しだけに面白かった。
星野さんと落合さんのそれぞれのチームについての考えやドラフト戦略が分かり、面白かった。
ドラゴンズ以外で指名した選手に対する評価、指名出来なかった経緯など大まかに書かれていたのも面白かった。
中田さんなしでは、ドラゴンズは語れないそう感じる作品でした。