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GIベビー、ベルさんの家族捜しの物語。
GIベビーとは現地女性とアメリカ軍兵士との間に生まれた子どものこと。
もちろんベルさんの人生も語られ、そこには戦後日本の姿がうかびあがってくる。
著者・岡部えつ氏は、ベルさんを公私にわたりサポートしながら
家族捜しに奔走する。
読み出したら止まらない面白さ。
ふだん本なんて読まない80代の母が、
我が家に滞在中、読みふけったほどだ。
母曰く「戦後、私のよく知っている時代が出てくるから面白くて」とのこと。
母は生粋・ハマッ子。終戦時は5歳、横浜の記憶も鮮明にあるのだから
もちろんか。
驚いたことは2つ。
アメリカは愛人、恋人関係にある女性がいるGIを
遠隔地に転勤させたということ。
(以前、ファミリーヒストリーで観た草刈正雄さんもこのパターンか)
またGHQは日本の戦災孤児を保護しながらもGIベビーは見捨てたという。
根底には異人種間結婚への嫌悪、つまりは人種差別があったからだそうだ。
もうひとつ。
ベルさんの家族捜しに大きな力を発揮するのがDNA検査。
アメリカはこの種の情報にオープンで、しかるべき手順を踏めば
アクセスできるのだという。
そもそも、多くの人がデータ登録をしていると言うことに驚きだ。
面白かったけれど・・・
買って手元にずっと置きたい本ではないので、★4。