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【定時制高校の教室に「火星」を作り出す――胸が熱くなる青春科学小説】定時制高校の科学部に集った、年齢も経歴もバラバラの生徒たち。彼らが始めた「クレーター再現実験」とは? 胸躍る青春小説の傑作。
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うわ~、また何て素敵な作品なんだろう!
定時制高校に通う年齢も性別もバラバラの生徒たちが、藤竹先生に声をかけられ科学部に入部。
1人1人抱えているものはそれぞれ。交流もなく、むしろ反発しそうな4人が科学部で学会発表に挑戦。
「火星のクレーター」再現実験の行方をドキドキしながら見守りました!
自分のことをずっとバカだと思ってきた岳人の“初めて”のシーンでは、いろんな感情が込み上げてきて胸が詰まりました。
「出会う人によって未来は変わる」
心からそう思います。
そして「知る喜び」。経験を通して、新たな世界が開けていく喜びを感じました。
仲間と目標に向かって打ち込む姿が心に響く、定時制高校を舞台にした青春小説。
清々しい読後感でした。
作中での「中高生科学フェア」について。
内容に覚えがあるなぁと思ったら、昔読んだノンフィクション「理系の子 」が巻末の主要参考文献に載ってました。
それぞれ研究に至った背景も含めて一冊丸ごと感動したので、気になった方はチェックしてみて欲しい!
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楽しみにしていた伊与原さんの新作。
フィクションではあるけど、定時制高校で実際にあった出来事をヒントにされたのだそう。
定時制高校の実際の様子はわからないけど、様々な年代の事情を抱えた生徒達の描写はなかなかリアルだなと思った。
火星にクレーターを作るという実験を通して、学びの本来の意味をみつけたり、他者理解が進んでいったり…というようなことが、どの学校でも行われていったらいいなぁ。(現実は難しいかもしれないけど)
ラストのプレゼンのあたりからは、必死に応援している自分がいた。
「学びは一生!」私も頑張ろう。
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算数時代からついていけなかったから
理系に強い憧れがある
なので随分前に
「ルカの方舟」を読んだけど
全く内容覚えてない
ほんとに全く覚えてないけど
タイトルと作者は覚えてて
なのできっともう読むことないだろうなー
って思ってたのに
おもしろかった!
実話を元にしたフィクションだそうで
定時制高校の生徒たちが
科学を、彼らなりのアプローチで
学んでいくお話だった
学ぶ機会を奪われてた人たちが
学べる場所に出会えてよかった
身内でもないのになんだか誇らしくなった
星は4つ
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新宿にある都立の定時制高校で、年齢も抱える事情もさまざまな生徒たちが、科学部を結成。「火星のクレーター」を再現する実験を学会で発表しようと奮闘する姿を描く、連作短編集です。
21歳ヤンキーの岳人
フィリピン人の母をもつ主婦のアンジェラ
起立性調節障害で不登校だった佳純
中学卒業後に集団就職で上京した74歳の長嶺
そして科学部顧問となる理科教師の藤竹
いくつになっても自ら学ぶ楽しさ、仲間と力を合わせることで一人では叶わないことを実現できる経験、これぞ青春ですよね。いやぁ〜おもしろかった。
科学的な専門用語や説明は確かに難しいものもありましたが、火星の夕焼けは青いこと、火星探索車・オポチュニティの轍話など、とても興味深く、火星への浪漫を感じました。
お話の中に出て来たSF小説の『星を継ぐもの』、もう何年も積んだままです〜読まねば。あと『火星の人』…マット・デイモン主演で映画化された『オデッセイ』は観ましたが、原作もぜひ読んでみたくなりました。
あとがきによるとなんとこのお話、実際に日本地球惑星科学連合大会の高校生セッションで、優秀賞を獲得した定時制高校科学部の「先生方の熱い思いとそれに応えた生徒たちの奮闘に感銘を受け」書かれたそうなんです。内容はもちろんフィクションですが、実話を基にしていると思うと感動も深まります。
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作中の できないと思う前に、できると感じる。 一文が残りました。
色々と理由を付けて、リスクを探して、ブレーキをかけてしまう自分にはもう感じることはないものだと思います。
ただ、身近にそう感じているだろう人は実際にいますし、その人が「その気」になった時の熱量には影響され、鼓舞されることも多々あります。
その熱量をこの作品の定時制高校科学部の部員、特に岳人と佳純を通じて感じことができて、こちらが熱くなりました。熱くなって涙がじわじわ出るパターンでした。
「どんな人間も、その気にさえなれば、必ず何かを生み出せる。それが私の仮説です」
もちろん「何か」の差はありますが、全力でやり続ければ、新しい扉が見つかり、次の部屋に進んでいけるんだと、感じることができた部員たちがとても羨ましいです。
作中参考にされた研究発表を読んでいくのも楽しみです。
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最近教育の敗北を感じる出来事が多かったけれども、これを読んでそんなことはないかもと思い直しました。やはり自分は伊与原新の作品が好きだ。
自分も教育機関と学び続けたい人々のためにできることを探して支援できることはなんでもやろうと思いました。
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食えん男の藤竹先生のキャラが好き。物理や化学のことは分からなくても読みやすい内容だった。この著者は化学が絡む本のほうが好き。
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始まりは火星の夕焼けだった。
様々な年齢の、様々なバックグラウンドを持つ4人の「高校生」とひとりの教師が作り出最高にクールでホットな科学小説。
定時制高校の科学部が学会で発表する、ってだけでも夢物語のようなのに。その夢物語を夢物語とは思わせない丁寧に紡がれるリアリティ。
社会の周辺部にいる多くの人々の、「学校」という仕組みからは外れた人々の、それでも「学びたい」という気持ちへのリスペクト。描かれるのは4人の「高校生」。でもこの物語は私たちすべてにとっての希望の一冊である。
何かをあきらめてきた人、何かを捨ててきた人、何かを失ってきた人、そんな私たちの物語なのだ。
科学ってやさしい。「易しい」ではなく「優しい」。伊与原さんは一貫してそのことを私たちに伝えてくれている。
そしてまたもや伊与原ワールドに泣かされてしまったのだ。しかも今回は一人ずつ仲間が増えていくって、まるでワンピースではないか。いやはやサイコーの仲間小説じゃん。
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2023年28冊目
世代も境遇もバラバラな生徒たちが集う定時制高校の科学部を舞台にした青春小説。
情熱を原動力とし、活動が危ぶまれた危機さえ乗り越えて進む彼らの姿に、感銘を受けました。純粋な好奇心、向学心でこんなにも心を熱くさせられるとは…!
ストーリーの要である科学部の生徒たち、顧問の先生、それぞれのバックボーンが、話の展開に説得力を持たせて、より魅力的にしてます。人物描写がイイ!読後に感じる清涼さは、まさに青春小説の醍醐味でした!
学び続ける限り、年齢に関係なく誰もが若者。
私もそう在りたいです。
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火星の重力下を作り出し、火星のクレーターを再現する実験を成功させた定時制高校科学部。
正直、実験の描写には私の脳はついていけなかったが、何やら凄い思いつきと行動性で、主人公らが実験を進めていっていることは明らかだ。
定時制高校に通う生徒たちはそれぞれ悩みを抱えているし、年齢もバラバラゆえ、世代間で衝突が起きたりもする。互いに歩み寄ろうとしない姿に悲しくなるも、実際の社会もこんな感じだよなと思う。肉体労働者を蔑む人たち、高齢者贔屓だ、若者贔屓だと苦々しく言う人たち。まさに同じ。
しかし、そんな中、定時制高校科学部はスタートし、やがてまとまっていくのだ。
機械製作の技術を持った学生(高齢者)がいて、計算能力が高いディスレクシアの学生がいて、SF大好きで発想力豊かな学生もいて、皆の潤滑剤の様な役割を果たしている学生(40歳主婦)もいる。
いまいち心が読めない教師の藤竹については、クールな印象の反面、熱意を秘めていたことが最後に分かる。子どもの可能性を詰まないことが、大人の役割として大事なことなのだろう。
何か壁にぶち当たったときに、分からないとか不可能と思ってしまうことは、もったいないことなのかもしれない。
自分の可能性を自ら駄目にする人間にはなりたくない。
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自分が理系の出自だったからか、生徒たちの真摯な科学に対する学びの姿勢と探究心、そしてバックグラウンドの違う仲間たちと手を取り合って目標へと進む姿に思わず涙が溢れてしまいました。
物語は定時制高校のお話で、1人の教師が定時制高校に「科学部」を作るお話。定時制高校の生徒たちは年齢も、境遇も学問に対する考え方もバラバラ。そんな生徒たちの知的好奇心を刺激し、定時制高校の生徒たちで、火星を作る「実験」を行うというもの。
なんと言いますか、学校の授業やテストの成績だけでは見ることの出来ない人間の根源的な知への渇望ってすごいなぁと。物事の本質を知ること、知ったことを試して深く理解すること、こういう本質的な学びを教えてくれるような作品だったように感じます。
何よりすごいのが、実際にあったお話に感銘を受けた作者が、それを題材に本作を書いたということですね。定時制とか全日制とか、境遇に関係なく、人は誰しも自身の知的好奇心に従い学ぶことが出来る強さを持っているというメッセージ性が感じられる素敵な作品でした。
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大好きな著者の新作。学びを取り巻く現代の社会問題も盛り込まれているように感じます。それぞれが置かれた環境や抱えている悩みを、誰かの力で直接的に解決することは難しい。けれど、宇宙の神秘で困難ごと包み込み、決して誰も見捨てない。こうした科学者らしい温もりが、私は大好きです。今作も素敵でした。
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実話をもとにした作品のようで、とてもわかりやすく書かれていることが推察できるが、私の理解力の乏しさを実感。
識字障害を「文字がつかまらない」というのはしっくりきた。
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叶えたい夢は?今まで諦めた事は?なりたい自分は?
読み終えた後に自分に問いかけてみると、
やっぱり挑戦したい!!叶えたい!!と強く思える一冊。2024年は新しい事に挑戦する一年にしたかったので、背中を押してくれるのはこれだ!と思いチョイス。
定時制高校の性格も年齢も見た目も全然違う個性豊かな4人の生徒と藤竹先生。みんな何かを抱えながら、高校でもう一度学びたいと思っていた。そして4人で科学部として火星を教室につくる...!?
その時は諦めたことや選択しなかったことでも、生きている限り挑戦することができる。
人生にはたくさんの選択があり、どれを選んでも正解はない。自分で考え、行動し、新たな選択を重ねていくのが人生。藤竹先生の言葉に背中を押された。
一生懸命頑張る事って、とっても疲れるけれどとっても楽しい事。挑戦はいつからでも遅くないよね!!