電子書籍
カバヒコ
2024/03/15 11:16
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
いいなぁ、こういうの。公園の古びたカバの遊具リカバリーカバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復する……とか。
公園そばの新築マンション、アドヴァンス・ヒルの住人たちもそれぞれ。
紙の本
2024年本屋大賞ノミネート
2024/02/02 17:51
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
公園の片隅に鎮座するカバのアニマルライド。治したい所に触れるとリカバリーしてくれるカバを通し、心から派生した不調の核をゆっくり取り除いていく、優しさに包まれた連作短編集。
年齢も、性別も、悩みの種も、まったく違う登場人物たちを少しずつ重ねて繋げていく事で、幅広い層の心を掴む青山ワールド全開。
優しさ溢れる良い嘘と利己的な悪い嘘の両面が描かれており、どちらも真実が明かされる事はないのだが、それを凌ぐ誠実さでリカバリーされていく展開が心に沁みた。
紙の本
カバだけに
2023/11/23 09:04
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投稿者:ぶぅちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
カバだけに、リカバリー、て。
ちょっと抜けてるけど、なるほどー、と思ってしまった。
この作者さんの作品は、すごい事件とかそういう話じゃなく、日常的に誰かしら抱えてるであろう悩みとか、本人にしか分からない痛みとか、ささいな話なんだろうけど、刺さる。
なんでもかんでもハッピーエンドじゃないし、解決!とまでは言わないけど、自分で考えて答えをだす、シンプルでキツイ作業が大事なんだなぁ、と思った。
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5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。高校入学と同時に家族で越してきた奏斗は、急な成績不振に自信をなくしている。偶然立ち寄った日の出公園でクラスメイトの雫田さんに遭遇し、カバヒコの伝説を聞いた奏斗は「頭脳回復」を願ってカバヒコの頭を撫でる――(第1話「奏斗の頭」)出産を機に仕事をやめた紗羽は、ママ友たちになじめず孤立気味。アパレルの接客業をしていた頃は表彰されたこともあったほどなのに、うまく言葉が出てこない。カバヒコの伝説を聞き、口を撫でにいくと――(第3話「紗羽の口」) 誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。
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目の前の不安や悩みに押しつぶされそうになった人が、サンライズクリーニングと公園の寂れた遊具カバヒコによってリカバリーされる。青山さんの「きっかけ1つで大切なことに自分自身で気づく」物語が、私は本当に好きだ。元気になる。
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5階建ての新築分譲マンション。アドヴァンス・ヒル。
このマンションの住人たちが近所にある日の出公園のカバのアニマライドと出会うことで紡がれていく連作短編です。
自分の治したい部分と同じ場所を触ると回復するという伝説があるカバ。人呼んでリカバリー・カバヒコ。…カバだけに。
カバヒコのもとを訪れる人はカバヒコに自分を重ね、自分自身と向き合うきっかけをもらう。人の弱さと同時にそれを乗り越えていく強さも描かれていてどのお話もすごくよかった。
どこか愛嬌のあるカバヒコ。
私も会いに行ってみたいなぁ。私ならどこをリカバリーしてもらおうかな。
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読む前は、「ただいま神様当番」の神様みたいに
カバヒコが何か助言をしたりするのかと思っていたけど、身近な人の言葉を通して自分でその事について気づきリカバリーをするお話でした。
個人的に好きな話は、第三話と第五話がとても
心に響きました。
特に、
「人はやっぱり、見たいものだけ見たいように
見ているのかもしれない」
この言葉には、とても考えさせられました。
自分の都合で悪いように思えてしまうことが、
本当は悪いことじゃなくて勝手な思い込みで良いことが悪く見えてしまってるだけ。
そんな風に思えて、人との関わり等一個一個を大事にしたいなと思えました。
私もカバヒコのことを忘れずに、
思い詰めてしまった時にはカバヒコを撫でているような想像をして、リカバリーをしていきます!
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大好きな青山美智子さんの最新刊。
今回も優しいお話で一気読みでした。
5人の悩める主人公たちのように、私もこの作品を読んでカバヒコにリカバリーさせてもらえた気がします。
「赤と青とエスキース」とのつながりが描かれていて最高でした。
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これぞ青山美智子さんの世界観だなあと、満喫して読了。
老若男女、苦しみを抱えた人たちがカバヒコに回復をお願いするのだけど、よくよく考えるとカバヒコって何にもしてない。
のんきな笑顔でただそこにいるだけ。
でも、カバヒコのところに来る人たちも、本当に何かをしてもらおうとしている訳ではなくて、きっかけをもとめているのかもしれない。
自分を信じるきっかけをもらって回復していく様は、とっても清々しい。
人間ってみんなにちゃんと回復力が備わっているんだよなと思わせてくれる一冊。
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誰の心にもある弱い部分
全てのアーバンヒル住居人の悩みが私の中にもる
女のグループが嫌いな私は、ママ友で悩む人間関係が読んでいてモヤモヤ、早く気づいて!という思いでいっぱいになった
運動が嫌いな少年の気持ち
成績が下がってしまう少年の葛藤
好きな人が他の人と結ばれる嫉妬心
年老いた母とのこれからの生活
誰にも当てはまる悩みだからこそ感情移入しやすかった
読みながらカバヒコの伝説はカバヒコのお陰ではなくサンライズヒルのクリーニング屋のおばちゃんの力が8割だなと思った
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カバヒコすごいなあ。
でも同じくらい、カバヒコを信じて、自分を見つめて、1歩を踏み出す登場人物たちもすごいと思う!!
私も彼らのように、物事を柔軟に捉えられる人になりたいと思わせてくれた作品。
自分はこんなに馬鹿なはずないー、進学校にすすんであまりにも惨めな点数を取り続ける奏斗。その最中、寄り道した公園で同級生の雫田さんと遭遇し、公園のアニマルライドの「リカバリー・カバヒコ」について教えてもらう。不思議なことに、カバヒコは自分の体の治したい部分と同じところを触ると回復するという噂があり、奏斗もカバヒコの頭を撫でることにー。そこから奏斗は自分が努力もしてないのに、点数が出ないことに悩んでいることに気づいたり、褒められるために勉強するというスタイルを改善しようと考えるようになる。そして、最後に前向きに1歩を踏み出す奏斗が描かれ、胸が温かくなった。
その他にもママ友と上手く接することができず、自分の想いを告げることに躊躇する話「紗羽の口」。
仕事も恋も上手くいかず、ストレスや過労で耳管開放症を患ってしまう「ちはるの耳」。
駅伝大会に出場したくなくて、足を怪我したフリをしたら、本当に足を痛めてしまい悩む少年の話「勇哉の足」。
出版者で働きながら、80歳の親とどう向き合ってよいのか悩む「和彦の目」。
特に好きな言葉は、
p.41~42 奏斗が自分の勉強方針について悩んでいるときに父がかけた言葉。(奏斗の頭より)
「褒められたくてがんばるって、それも悪いことじゃないんだけどな。それだけを目標にしてると、褒められなかったときにくじけちゃうだろ」
「ただ褒めてもらえなかったって、それだけのことなのに。誰が何を言ったって、何も言わなくたって、懸命に咲こうとしているその姿には、なんの変わりもないのにさ」
「だから父さんは、ただ愛するんだ。それだけ」
p.90~91 ちゃんと話せるとは?(紗羽の口より)
「私は、ちゃんと話せる自分に戻りたいと思っていた。でもそれは、単に「たくさんしゃべれる」ということではなかったのだ。ほんとうの「話せる」って、「必要なことをきちんと伝えられる」ことなんだから。」
p.122 ほんとうの想像力(ちはるの耳より)
「想像力って、いいことに使うんだと思ってました。」
「もちろん。心遣いも思いやりも、すべて想像力だからね。不安がりなあなたは、きっと優しい人だと思うよ」
今回もたくさんのお薬のようなお話しを
青山先生から、いただけて幸せだった。
私も、心の中にカバヒコを持って、
自分の心にまっすぐに生きていきたい。
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❁*.゚『ただ褒められなかったって、それだけのことなのに。誰が何を言ったって、何も言わなくたって、懸命に咲こうとしているその姿には、何の変わりもないのにさ』
❁*.゚『本当の「話せる」って、「必要なことをきちんと伝えられる」ことなんだから。たくさんしゃべれるっていうことではなかったんだ。』
❁*.゚『心遣いも思いやりも、全て想像力だからね。不安がりなあなたは、きっと優しい人だと思うよ』
❁*.゚『同じようには戻らないけど、経験と記憶がついて、心も体も頭も前とは違う自分になるんだって』
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新築マンションの近くにある公園の古いカバの遊具「カバヒコ」。カバヒコには自分の治したい部分を触ると回復すると言う都市伝説があった。皆は『リカバリー・カバヒコ』と呼び…
カバヒコに会いに来る人は、それぞれ悩みを抱えている。その都市伝説を信じている訳ではないけれど、触る事によって自分確認が出来て前向きになれたのが爽快でした。ほんのりビターだけど、温かい読了感でした。
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読者を裏切らない青山さんからのリカバリーヒント集。頑張ることがすべてではなく、やっぱりできることからやってみる。ネガティブを掘り下げすぎないとか、実生活でそうですよねぇと思うところだらけでした。
そして相変わらず違う章に出てきた主人公たちが元気に動いてる姿がチラ見するのがほんと幸せな気持ちにしてくれました。
ありがとう青山さん
#青山美智子
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「人呼んで、リカバリー・カバヒコ」
「………カバだけに。」
稲代さんみたいなお手紙を書ける大人になりたい。