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第一章冒頭の櫻井氏の「中国は世界で最も罪深い"悪逆国家"のひとつ。二十一世紀のいま、どこから見ても許されざる異民族の弾圧や虐殺を続けている。チベット人にもモンゴル人にもおぞましい弾圧を加えてきた。いま、とりわけ国際社会の避難が集中しているのがウィグル人への弾圧だ」との発言で始まる本書は「悪逆国家」たる中国の姿とそれに立ち向かうべき心構えを伝えている。
本書に記された他民族に対する民族浄化、虐待の実態はまさにおぞましい。
櫻井氏ら著者たちは、それが共産党支配の故ではなく、漢民族の特性によるものだと説く。
漢民族は優越感が強く、排他的、差別的で支配欲も強い。執着のあまり、事実とは関係ない壮大な虚構だとしても、中華民族、歴史はこうあるべきという姿を主張する。
習近平が誇る北京語はピジン語という満州族が人工的に作った共通語であり、マンダリン(「満大人」)という英語名はその証、
黄河文明を含む四大文明、古来中国は先進的大国、アヘン戦争以来の失われた百年等の主張に根拠はない、
協調、友好、団結、自治などの耳触りのよい言葉の真の意味は漢民族への服従、
などは目から鱗の指摘。
昨今の稚拙な戦狼外交で馬脚を露わしつつあるが、まだ政財界の中国贔屓や大学や企業への中国人の浸透、不動産の購入、中国製パネルを敷き詰めた太陽光発電所の増設など、我が国への「サイレントインベージョン」は進む。
寝ぼけ頭の日本人を覚醒させるには恰好の良書。