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曽野綾子さんの短編小説集。
7作品が収録されているが、最初の白鷺のいる風景を読みはじめたときはエッセイ集だと思った。
そして次の四百米を読み出して、あれ…エッセイじゃないと、この本について調べてみた。
作品自体は作出年がかなり飛ぶ。
読み手としては、歳を重ねた方ならまだしも、若い方は分かりづらいかも知れない。時代背景や生活習慣が違うからちょっととっつきにくいかも知れないと思う。
曽野綾子さんは三浦朱門さんの奥様でお二人とも物書きであり、その発言力と作品の方向性は普通とは違うと感じてきた。最初白鷺のいる風景では、そんな三浦朱門さんとの旅を記していて、これがエッセイと勘違いした要因であるが、描くポイントが曽野綾子らしい。また、この本から知ったと言うのも変だが、お二人ともキリスト教の信者で朱門さんは〝シモン〟からとったペンネームだとか。
短編小説集とは言え、何章からなるものもあったが、一気にその世界に入れる短編が多数あり流石曽野綾子と思う。
読み終えた余韻で、あの作品はどうしてこちらを盛り上げないのか…とか、この部分はもっと深い意味があるのではないかととか、しばらく何かに触れ思い出して掘り下げられそうだ。