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幕末の物語で出番が無い富山の、幕末物語の主役が、藩主でも藩士でもなく、売薬さんなのが、富山らしく。
歴史に名を残さない偉人も、数多いたことを思い出させてくれました。
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配置薬の始まりとして知られる富山藩の薬売りを題材とした作品。
自分も小さいときに、たくさんの薬が入った富士薬品と書かれた箱が家にあったことを思い出しました。先用後利という独自の販売システム。使った分だけ後に請求されるというこのシステムが300年以上も前から始まっていたとは本当にすごいなと。
そんな富山の薬売りの中でも、薩摩藩との取引をしている通称"薩摩組"と呼ばれる薬売りが主人公。薩摩藩の家老である調所広郷から持ちかけられた密貿易、命がけでこのミッションを遂行し、その見返りとして安価の薬種を提供してもらい、多くの人をその薬種を使った薬で救っていく。
そしてこの本で調所広郷という人物のイメージがかなり変わった。「お主も悪よのぉ」的な悪いお代官様的イメージだったが、ここまで信念を持って先を見据え改革をしていた方だったとは驚き。
たまたま図書館で見かけて借りた本だったが、ボリュームも程よく読みやすく楽しめた。個人的にはもう少し薩摩藩内部の話もあっても良かったかなと感じた。
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薩摩の方を周る薩摩組が、薩摩藩の財政立て直しを図る家老の調所広郷の頼みで密貿易の手助けをする。それも一重に安く薬を売りたいという人々のためを思ってのこと。幕末の裏側での仕事に誇りを持って命をかける人たちがいる。
富山の薬売りの心意気に清々しい思いがした。