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誰かと生きることが簡単ではないこと、信念と愛着の狭間で決断をしなければならない瞬間があること、一方で誰かといるからこそ繋いでいけるものがある、ということを感じさせられました。
1話1話が重くて読むのが苦しかったけど、いい結末でした。
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町田さんの本はこれの前「ぎょらん」をたまたま読んでいて、同じく死を扱った本でした。町田さんの死にたいする感覚はすごいと思います。3章の芥子の実は涙が止まりませんでした。とてもおもしろい本です。
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地方都市にある1日1組限定の家族葬専門の芥子実庵を舞台に展開する5話連作。
女性の生き方を巡る価値観、死を前にして残される人への想いとそれを受け取る人の思い、死の重さを人を繋いで向き合う人。
母を亡くした直後にたまたま手にしましたが、深い一冊でした♪
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個人の感情や価値観、人間の不器用さが綿密に描かれていてとてもリアルなフィクションだったと思う。
自分の理想を追いかければ、思いがけず何かが零れることもあれば、意図せず拾い上げることもできることもあること。
また現実には多くの人が自分の理想を諦めたり、否定されてたりしながらも自らが望む方向へ進もうともがく人たちが描かれていた。
読んでいて1番感じたのは、人間はとても不器用だということ。自分は思っていなくても自分のいる環境に合わせるために、あるいは自分の意地を守るために言葉を曲げてしまい、
それが行き違いや誤解に繋がったりしていて、
なぜもっと素直にできないのだろうと感じる部分もあった。
ただ自分自身を振り返ってみても同じようなことが言えると思えるし、そういう不器用な生き方をしながらも前に進もうとしている登場人物たちはカッコよく見えた。
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葬儀社芥子実庵を舞台にした連作短編。葬儀の仕事に関してマイナスイメージは全くなく、逆にプラスイメージしかなかったのでピンとこない部分もあるが、死に近いところの物語はいろいろ考えるきっかけに。
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「宙ごはん」の最終章を長編にしたような作品でした。
だからと言って薄まっている訳でなく、しっかり深みが増しているのはさすが町田そのこ!ってところです。
生きていると色々と掴もうとしたり掴んでいる人を羨んだり、掴み損ねて後悔したりの連続ですけど、それでも掴む為の努力は無駄ではないし、その姿を見ている人が励まされたり、知らぬ間に助けられていたりしているもの。その様の尊さを再確認させてもらった感じです。
世間的な常識を振りかざす人らにも実は深刻な理由があるかもよ、と気付けたのも良かったです。かといって可能性を狭める、不愉快にさせる価値観を押し付けるのは言語道断ですがこれはお互い様の面もあるので常時判断基準を点検しないとだめですね。
「宙ごはん」は身体を両手で掴まれて揺さぶられる感じでしたが、今作は心にゆっくり言葉を染み込ませてくるような、静かだけど浸透力のある作品でした。
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生きる事や死ぬ事に向き合った物語には
静かな哀しみと希望と感動があった。
どのエピソードも心が締め付けられ
癒やされる。
ぜひNHKかWOWOWで映像化してほしい。
真奈は岸井ゆきのしか考えられない。
町田そのこの小説はいいと改めて。
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葬儀社がテーマだけに、読んでいて哀しいし辛い、暗い気持ちになっていく。
周りから反対されようと自分の選んだ仕事にやりがいを感じ誇りが持てるなら辞めるべきではない。葬儀社という仕事だけに周囲の理解は難しいかもしれないけど、いつから理解してくれてる人に出会えて佐久間も幸せになってほしいと思った。
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感想
顔を知る人の死。どう迎えれば良いのか。自分を見つめるきっかけ。本質的に孤独な人間。だからこそ覚悟が必要。だけど感謝は忘れない。
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葬儀社が舞台の連作短編
人生において必要不可欠な職業であるにもかかわらず、知らないことが多く、知識を得られ、これぞ読書の醍醐味と思った。
どの章も共感するところや、ハッと気づかされるところが各所にある。
心に残ったのは、男女の在り方についてだ。
世間的には何事も男女平等と言われて久しいが、古い価値観は仕事、家庭と至る所に存在している。これは女性にだけじゃなく男性も。無意識に男性性を求めてしまう自分はいないだろうか、2章は私にそう問いかけられた気がした。
読了し、今回も良いお話だったなぁと、しみじみ思う。
さぁ今日も明日を迎えるために、精一杯生きていこう。
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不幸な若い人が多すぎて嫌な気持ちになる。実話じゃないから、せめてわかりやすく救われて欲しい、と思ってしまう。
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主人公が考える家族、彼氏や友人に対しての気持ちに母親目線であったり、昔の自分と重ねたり、色んな立場から読みました。時に涙が目にたまってしまうシーンも。
本人にとって「重大で大切な事」は人にとっては「そんな事」。
分かっているつもりで分かろうとしなかった自分…家族や身近にいる人ほどそうなのかもしれない。と胸がドキンとなりました。
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私たちはいつも、誰かと出会い誰かと別れて生きている。
何かを手に入れ何かを失って歩いていく。失くしたものを数えながら、失くしたものの大きさに、その重さに耐えきれず立ちすくんでしまうこともある。
そんな時に、その大きさと重さを一緒に背負ってくれる誰かがいたら、また一歩踏み出せるのかもしれない。
きっと、時間はかかったとしても、いつか、きっと。
町田そのこはその「いつか」を私たちに見せてくれる。見えない「いつか」を感じさせてくれる。
大切な人の「死」を受け入れるのは難しい。なぜ、という詮無い問いと、次々あふれる後悔のはざまで、人は何にすがっていくのだろうか。
家族葬専門の芥子実庵には大切なものを失くし、大切な人を喪った人が集まってくる。足元が揺らいでいるときに、その揺らぎを共に感じてくれる場所。けしのみはどこのいえにもない。そういうことなんだ。
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人の生と死、自分らしく生きることへの葛藤と決意、死をみつめ見送ることを、葬儀社を舞台に描かれているところが直球みたいでいいなと思った。
家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」を舞台に、何らかの形で芥子実庵に関わる人に焦点があてられ、連作短編集のようだけれど、全体を通じて従業員である佐久間真奈の結婚をとるか仕事をとるかで葛藤している様子が描かれているのが、やっぱり気になる物語だと感じました。
「結婚するならやっぱりこの人しかいない」と思うのと同じように、現在の仕事に誇りを持っていて続けたいなら、「仕事もこの仕事しかない」と思う。真奈みたいに何か葛藤を抱き悩んだ時、ひたすら悩むしかないのだと、おしえられたように思います。その結果出した結論がどうなろうと、胸をはって前に進んでいけばいいのだと。
そして「芥子実庵」を通じて、やっぱり人生最後の舞台は必要であり、身内や他人に関わらず、親しかった人達とみんなで想い出などを語り合いながら見送るのがいいんじゃないかと、改めて思いました。
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町田さんの短編は、いつも読み終わってもしばらく私の中に残る。短編だからこその凝縮さに圧倒されて、他人や未来への不確かさに惹かれ続けてしまう。
共感ではなく、私は彼女彼らに羨望を抱いた。そんなふうに考え、歯を食いしばり、無意識に目を逸らしていた自分の気持ちに向き合わなくてならない状況で、それが望んでいようとそうでなかろうと、向き合った姿に。
どの章も好き。生死の考え方や受け止め方も胸にすとんと落ちてきた。町田さんの描く人が本当に好きだ。
くそっこいつめ!と思う人も含めて。
悔しいけど!
それとは別の話になるけれど、ぐさっと来たのは四章と五章で、過去の自分の発言が蘇って情けなくて居た堪れない気持ちになった。そして五章の家族との会話に、目から鱗が落ちたような気持ちになった。私も言葉通り受け止めていたんだな、と。もちろん言われたくない言葉はあるし言うべきではないこともある。でも、言葉だけで良し悪しは決まるわけじゃなくて、関係性や相手や自分の性格で、同じ言葉は違う意味合いになって、受け取り方も変わるんだなそうだよな、と。
第四章で居た堪れない気持ちになった私は、五章で、もしも私の家族も、と考えて、正直怖くなった。直視したくないなと思った。これまで一度もそんなふうに考えたことがなかった。まったく想像したことがないわけじゃなくて、それでも揺るがない思いが私の中にあった。でもこの物語を読んで、初めて揺らいだ。もしかしたら、という気持ちと、でもな、と。
いつか私も、向き合う日が来るのだろうか。