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紙の本
地図から始まる知識の旅
2021/12/31 22:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bs - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店に行けば必ず目にする道路地図の定番。競合となるミリオン道路地図の方は更新が停滞しているようで、書店でも見かけるのが難しく、事実上これ一択というのが現状のようである。
とりあえずこの一冊でオールマイティに使えるが、やはり1/200,000(北海道は1/300,000)という縮尺故に大分小さくなってしまい、その中にこれでもかという位大量の情報が詰め込まれているので、視認性の悪さもまた随一。桜や紅葉の名所はともかく、好景観道路みたいなのって需要あるのかなあと思いつつも、この地図自体相当長い歴史があって捨てるに捨てられないのだろう。
主要でない交差点名や駅名はほぼ省略され、ドライブにおけるルート選択はかなり大雑把なものになってしまう事は否めない。自分の場合折りたたみ自転車で出かける事が多いので、交差点の曲がる場所を間違えた時なんかは、かなり精神的ダメージが大きい。まあやっぱりこの辺りは、ズームイン・ズームアウトが自由自在なカーナビやGoogleマップの方に軍配が上がるのは仕方のない事だが、Googleマップはかなり拡大しないと交差点名が出てこないのに対し、この道路地図は広い範囲を見渡した状態で、主要な交差点名の確認が出来るという点では一日の長があるかも知れない。
では今時この道路地図を購入する意義というのは一体何だろうか。自分は小さい頃から道路地図が好きで、当然自分で車を運転する事など出来ないにも関わらず、自分用の道路地図を購入していたりして、何となく地図を開いてはパラパラとページをめくり、たまたま出てきた観光地等のシンボルを見つけては、その見知らぬ土地に思いを馳せるという事をよくやっていた。
一例を挙げると、仙台市のページを開いた際、宮城県と山形県の県境の辺りに、『最上カゴ』『仙台カゴ』という、山でも岳でも峰でもない、少なくとも自分の中では聞いた事の無い呼び方の場所が存在する事が確認出来る(Googleマップだとかなり拡大しないと出てこない為、直接その名前を入力しない限りその存在を認知するのは難しい)。そこから「カゴって何?」と調べてみると、どうやらカゴ=加護を意味する、山伏達の修験場の事を指す言葉らしいのだが、更にそこからカゴというキーワードで調べていくと、その修験場の島があるから『カゴ島(鹿児島)』(うろ覚えなので本当かどうかは各自で調べて欲しい)・・・と、果てしない知識の旅に出かけてしまう事もしばしば。
一方Googleマップは、経路検索機能やリアルタイムでの混雑状況の表示といった分野では、隙が無い位に便利過ぎるのだが、敢えて全く関係の無い場所をランダムで表示するという機能は標準で搭載されておらず(外部サイトだとストリートビューで色々と飛べるようだが、試してみたら海の中に飛ばされた)、そういうようなアナログなニーズに応えてくれそうにないのが味気なく感じる。Googleマップは旅先でのナビゲーションとして、道路地図は旅先よりも家の中で余裕のある時なんかに、知識の扉を開く為の読み物として使い分けるというのも一つの道ではないだろうか。
版を重ねる毎に、新しい道路が開通したり、それまで繋がっていなかった道路がいつの間にか繋がっていたりという発見があるが、一方で鉄道の方はどんどん廃線に追い込まれていき辿れなくなってしまうのが寂しく感じられる。他にも市町村合併により消えていった市町村名とか、そういった過去の記憶を留めておく為の書というのも意義の一つかも知れない(Googleマップもストリートビューみたいに過去の地図を見返せる機能があれば良いんだけどなあ)。
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