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アイヌへの可視化されない微妙な差別問題を、
LGBTQ+他マイノリティの取組みを例に、様々な差別の構造について詳しく知ることができます。まさにこれは自分のことだよなと思い読んでみましたが…著者の心の傷、彼がどれだけ苦しんできたかが感じられて、もやもやではなくグサグサと突き刺さる読後感でした。
確かにこういう腑に落ちない差別、無知や自己防衛が原因のトンチンカンな応答はよくありますが、大体において頭だけ旧時代に置き去りのご年配の方や、承認欲求で思想が拗れ気味のネット民のコメントが多い印象はあります。今となっては「残念な人たちだな」「知らないだけだよな」程度にしか思わないですが、そういった言動や風潮に毎度傷ついていた若かりし頃を思い出しました。
微妙な差別や無理解がこういった本で可視化されて、少しでも改善されれば良いなと思いますし(そもそも、対象の人たちはこういった本を読まない気もしますが…)、あとは、私のような叩かれ慣れて鈍感になった目立ちたがり屋の当事者が声を上げていくことでリアルな身近に可視化されたり、誰もが属性で群れないでどんどん異文化交流をしていけば、ステレオタイプ化も多少は改善されるんじゃないか。そして、自分自身も差別する側にならないよう気をつけたいなと。
時代は変わり、アイヌやLGBTQ+(名称長すぎwクィアで良いのでは?)への差別問題がメディアでも取り上げられるようになり、大分生きやすい良い時代になってきたとは思います。
ただ、アイヌ差別への意識が一部のご年配の方やネット右翼にも浸透して行くかどうかは…現実が見えず、特殊なイデオロギーに凝り固まってしまっている限りは難しい所でしょう。
本書の著者や、苦難を乗り越えてきた先人たちの努力に、心から感謝です。
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どこかで紹介されていたので気になって読んでみた。
小さいころ、アイヌ民族に対して差別発言を平気でする祖母に辟易していた。
それが本を手に取った根っこの気持ちかも。
「知らない」は傷つくのだろうけど、恥ずかしながら知らなかった。
「会ったことがない」と平気で言ってしまうし、民族全体をステレオタイプでとらえていたかも。
「差別しないよ!」という発言自体の違和感は、ちょっと感じていた。
きちんと説明してもらった感じ。
マジョリティ側は名前を持っていないというのは、なるほどと思った。
極端なマイノリティも名前がないけど、マジョリティもか。
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アイヌへの差別を中心にLGBTQなどマイノリティへの見える〜見えない差別や偏見、知らずに傷つけてしまっていることなどわかりやすく解説している書籍。自分が普段行っている言動が当てはまるんじゃないかとヒリヒリしながら読んだ。報道などで取り上げられるLGBTQや女性などがマイノリティというのはよく聞くが、身近に自分がつい先入観や偏見を持って見てしまっている人がいるような気がして気をつけないといけないと思った。「日本スゴイ」や「反日」に潜む意識などについても受け入れやすく解説されている。意見の内容ではなく口調や言葉選びを問題視することをトーンポリシングというらしく、本書のようにそれがおかしいという意見を見るようになり力づけられる。
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ゴールデンカムイを読んでアイヌに興味を持った
我が両親は北海道出身
幼い頃母親に、親戚一同目鼻立ちがハッキリしてるから、アイヌの血混じってるかもねって言ったら、めっちゃ怒られた
今でも、叔母さん(70代後半)は小学校のころのクラスメートのアイヌ人の良くないことを愚痴こぼす
こんなにも差別があったなんて、、という感想
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あまりにも惨い過去が
理解を鈍らせてる。
いくらゴールデンカムイで漫画や映画が脚光を浴びていても
理解が深まらない。
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アイヌについて、知ろうとしてこなかったなと思った。
こういう言動をこれまでしてこなかったかを振り返るとともに、できることをやっていきたい。
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自分が「民族」を意識しなくてもいい立場にあるということを自覚する必要を感じた。私の中ではアイヌのことは一過性のブームでは終わらせたくないから、歴史とかもっと勉強したい。田房さんの漫画も良かった。
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差別ってどうすればいいのだろう?ということを考えさせられる本でした
差別と区別で区別は大切、でも差別になる可能性もある。
人と人であることに変わりはない。
いまは対策がすこし作られたというのにそれでも差別は残っている。
過去有名な乱は3回ある。
恐らく小さな乱はとてもあることだろう。どれほどの犠牲が差別で出たのか?
自殺を図る人、した人は居たと思う。
「なぜだろう人生を全うする価値がある人生なのに差別を受けている………。」そう思う江戸時代の尚歯会(蛮社の獄)の蘭学者、アイヌの方々は居たはず。
政府ができてからから150年、
差別は消えない。病、障害、過去にあまり良くないことが合った地域の方々もきっとそんな思いだったのだろう。
政府ができてから150年、その前の人々何百人もの犠牲がかかってやっと今対策が講じられるようになった。
いつかこの差別がなくなればきっとその人達も報われると思います。
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北海道大学の教授による分かりやすい差別についての本。
アイヌの人たちが和民族(多くの日本人)の人たちの言動によって、モヤモヤしてしまう、その原因を1つずつ解明していくのですが、この本は、アイヌに限らず、マイノリティーや、一般的に弱い立場とされる人たちにも当てはめられるので、色んな人たちに読んでもらいたい。
しかし、一番読むべきなのは、その枠に当てはまらない大多数の人達。
私はアイヌに対して差別意識もなく、どちらかというとこの文化が消えないで残ってほしいと思っていましたが、この本を読み、自分もどこかで発した一言が実はアイヌの人たちのモヤモヤにつながってしまっていたのでは?と感じずにいられませんでした。
自分の周囲にも、自分が知らないだけで、何らかのマイノリティーや弱者となる立場の人達がいるのだ。自分がその存在に気づいていない、知らないだけで、「そういう人は会ったことがない」「そんな人たちは周りにいない」と勝手に思ってはいけないのだ、と思いました。そういう人は差別などを恐れて言い出せない、ということも考慮しなければ。
ある家族を設定したマンガもあり、具体例として、とてもわかり易く読めました。
差別について、原因や種類、自分が差別をしたつもりではない、それどころか擁護していると思っている人たちでも、実は差別につながる発言になっていることもあるという、デリケートな問題もあるんですね。
いろんな学びがありました。
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アイヌをめぐるモヤモヤ。アイヌにルーツを持つ高校生や、今までマジョリティとして役所でアイヌ文化推進をおこなっていた人が自身がアイヌであると知ってからどう気持ちが変わるかと言った漫画をまじえながら解説される。差別問題の一つとして世界の差別問題(ブラックライブスマター、男女格差)を引き合いに出しながら、問題をさまざまな観点から解説してくれるのでわかりやすい。主体がマジョリティ目線で語られることが多い点、問題を指摘されると無かったことにしようとする人や非難されたと感じる人が多いのはどうしてかという点等々、例えば自分が女性差別について男性と対話するときのモヤモヤとも共通するものがあって、差別とはと考えるにも非常に勉強になる本。
ただアイヌのモヤモヤの得意な点は、その無かったものにされる度、見えない化される度の深刻なところではないだろうか。それはこれまでの国の態度でもあり、それを起因として沈黙せざるを得ないアイヌの多さである。自分も、海外では日本人+女性というマイノリティとして嫌な思いもしたが、でも日本に帰れば居心地良く暮らせる保証があった。それは、自分の国で存在がないことにされるアイヌのモヤモヤと比べものにならない。
これから心に留めておきたいのは、「入植者や過去の差別者の子孫がいつまで過去の責任を負わされるのか」というマジョリティからの反論に答えた箇所:今自分達が普通に暮らせているのは、その差別的制度によって築かれた財産や地位の特権を享受できているから。過去の差別に責任を負わなくとも今ある差別に無関係ではない。アクティブバイスタンダーになろう、という記述。自分の態度や発言を一つ一つ検証しようと思った。