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「タコの心身問題」に続いて、哲学を生物学(または生物が活動する様子)からボトムアップした本。翻訳者が異なるからか、ことば遣いの端々に幾ばく難解なきらいがある(読点と読点の間が長い)ように思える。が、おもに頭足類を扱った前著より、時代もいきものもさまざまな分野から取り扱われていて、なんというか、「とっちらかりながらおもしろい」。本著のテーマの主格はおそらく『経験』で、これは、あっさり「どれにあってどれにない」とは片付けられない。表現しづらいが(たぶん読まれたほうが早いでしょう!)、「感覚器官で得るもの」と「得たそのものの集積」、「自他の区別(自分が他者とは別にあるという感じ)」などがいきもの、あるいは個体ごとにごた混ぜになっている、という風だ。時代も場所も(陸や海や気候etc.)違う個体ごとに、それぞれがグラデーション、ヴァリアントになっている。わたしはそう読み取った。AIの不可論のくだりも興味深かった。
ただ、日常の会話(コミュニケーション)を通してさらに構成され得るのが人間特有の心だとし、生まれてくるものと自分でつくるものにそれが大別されるならば、ほかのいきものにどうしてそれが(グラデーションのかたちにしても/擬人化ではなく!)できないのか。そこが理解しきれなかった。
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何回か読んだ方が良い本。
購入する予定。
ジュンク堂からのメールで知って,前作を図書館から借りて読んだら,知らないことばかりだった。
検索したらこれも図書館にあったので借りた。多分1番目。
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1 原生動物
階段を下りる/物質・生命・心/ギャップ
2 ガラスカイメン
タワー/細胞と嵐/電荷を飼いならす/メタゾア/ガラスを通って差す光
3 サンゴの新たな一手
身体を起こす/動物による最初の行為を求めて/動物がたどった道/アヴァロンからナマへ/グリップ力
4 一本腕のエビ
マエストロ/カンブリア紀/動物の感知能力/知りたがりのヤドカリ/もうひとつの道/着飾るカニ/グッバイ
5 主観の起源
主観・行為者・自己/クオリアとその他の謎/感覚を超えて/ナイトダイブ
6 タコたち
大暴れ/頭足類の繁栄期/複数の制御系統/オクトパスウォッチング/タコとサメ/統合と経験/星の中に潜る
7 キングフィッシュ
パワー/魚類の歴史/泳ぎ/水の存在/ほかの魚という他者/リズムと場/引き裂かれる流れ
8 陸上の生活
温室/リーダー復活/感覚・痛み・情動/多様性/植物の生態
9 鰭、脚、翼
多難の時代/私たちの枝/陸と海の役割
10 徐々にかたちに
1993年/ここではないどこか/徐々に統合される/帰結/「心」のかたち