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歴史学的な意味での新たな知見等が開陳されている訳ではないが、国や地域に着目した歴史の流れが、著者の重要と思うところにポイントを絞りコンパクトにまとめられているので、一般読者が歴史に興味を持ち、大づかみに理解するには適当な本だと思われる。
各章それぞれに興味深い内容だが、複雑な動きを分かりやすく整理してくれて特にありがたいと思ったのは以下の章。
〇第2章 イスラム世界が歩んできた道
〇第3章 豊かな国インド
〇第7章 知られざるラテン・アメリカの歴史
〇第9章 ドイツを統一したプロイセンと第一次世界大戦
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「仕事に効く」の続編であるが、Ⅰよりも面白かった。とにかく出口治明氏の書く歴史本はスケールが大きくて、さまざまな気づきを与えてくれる。
今まで知識としては知っていたが、なぜそうだったのかという事について教えてくれる人に出会わなかった。それを自分で発見するためには多くの本を読まなければならない。この本はその道先案内書として最高だと思う。
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出口治明さんの世界史
出口治明さんの本はもうたくさん読んでますが、毎回毎回驚くことばかりです。
知識の厚みもそうですが、話が飛んでも違和感が無いし横道にそれた先も面白い(興味が持続)ほかの著者ならそうは行かない気がするのは、ファンだからなのかなぁ…笑
世界史と聞いてまず浮かぶのは、ヨーロッパの歴史だと思ってしまうんですが、目次を見て〝あーあんま興味ない地域もある…〟という感想でした。
どこがって、イスラムとかインドそしてアフリカですかね。
嫌いな国って訳じゃないですが縁遠いというか、特にイスラムの方々は宗教で色々制約や決まりごとがあるじゃないですか…単純に難しくて私向きじゃないと思っていたんです。
それからインド。インドは隣人がインド人でなかぬかだったこともあり、頭が良いビジネスマンの側面と男尊女卑もなぁと興味を持つことを躊躇いました。
さてさてそんな私もやっぱり出口治明マジックですっかり楽しく読んじゃいました。
そんな予感はありましたがね笑。
特に印象的だった部分や固有名詞は…
ドン・キホーテと著者セルバンテス
仕事関係でセルバンテスという名称と関わり、ドン・キホーテは知っていても著者がセルバンテスなんて知らなかった…とまぁお馬鹿な展開
アフリカとアメリカは似た名前
これは偶然の一致。アフリカはカルタゴの南に居住していた人々をアフリと読んだことに起因、アメリカはアメリゴ・ヴェスプッチの名前に由来。
日本の憲法や旧日本陸軍
プロイセンをお手本として作られた。
森鴎外が留学したのはプロイセンの首都ベルリン。そうプロイセンという国はいまはないけど、ドイツなんですよね。プルーセン人が住んでいた地方でプロイセンとなった。
明治維新は1868年プロイセンがドイツ帝国を樹立したのは1871年。新しく建国されたドイツを視察し親近感を抱き、その結果明治憲法のお手本となった。
どの章もわかりやすくて興味が持続する読んでいて楽しくなるものばかりでした。
そして最後の10章は21世紀の世界について出口治明の見解が書いてあります。
なるほどなぁととても興味深く読みましたが、これは本当にみんなが日々感じている不満や不安ですよね。
私は一般人だからそんな世界って言われてもと思うでしょ、でもそうじゃない。人手不足や税金やその使い道、ニュースで見聞きする程度でも株式の回復やアメリカの物価なんか。
全部関連してるんだと思えるんですよ。ニュースや政治ではなんか人ごとだけど出口治明さんが語ると、なんだ私も関係あるじゃんとなる。不思議。
そして、出口治明といえば本の中で、この本いいよっておススメ本の紹介をするんですが、この本でも世界史を語りながら織り交ぜるだけではなく、巻末にビシッと書いてありました。
これから、探して読んでみたいなと思ったのは
アンダルシーア風土記
大君の通貨
銃・病原菌・鉄
2052
そして貞観政要を積読のままにしてる人が、類似な��名臣言行録にも興味を持ってしまい。
2024年もまた積読が増えるのか、それとも読むを念頭に図書館で借りるのか…楽しい悩みは尽きそうにありません。