紙の本
ラテン語を学んでみたい
2024/05/27 14:31
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投稿者:まりもパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラテン語…学生時代に合唱団でレクイエムの典礼文に触れたことや,ローマ市内をはじめとして米国でも大学や美術館などの施設の正面玄関の上にデカデカと活字で掲げられているぐらいの知識しかなく,でも何となく気になっていました。本書を読んで,現代でも様々なところでその影響があることがよくわかり,スラスラと読める程度には学んでみたいと思うようになりました。
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Twitterでフォローさせて頂いているラテン語さんが執筆されたとのことで手に取った本書。ラテン語が他の様々な言語や分野に影響を及ぼしていることはなんとなくレベルで知っていたが、世界史・政治・宗教・科学・現代・日本という6つのテーマに沿った説明を読むと、改めてその影響力の大きさに驚く。
本書内で特に印象に残ったのは、「パッションフルーツ」と「月」の項目。
パッションフルーツの”passion”の元々の意味は「キリストの受難」であり、花の部分がキリストの磔刑を連想させることから「パッションフルーツ」と名付けられた。また、魂が何かしらの作用を受けた結果、激情や情熱が生まれると考えられていたことから「情熱」という意味も生じた。
月の形容詞"lunar"はラテン語”luna”が語源で、これは「精神異常」を意味する”lunacy”の語源にもなっている。その理由は、昔は月の影響によって精神病が引き起こされると考えられていたから。科学的根拠については私自身はよく知らないが、月の満ち欠けが体調やメンタルに影響を及ぼすという考え方は、現代の東洋医学でも取り入れられているものであるので、そのような共通点があるのは非常に面白い。
他言語学習は、その言語の文化的・社会的・歴史的背景も同時に学ぶことであり、新たな視点を与えてくれるが、著者も前書きで言っているように、ラテン語の場合は上記に加えて、その古代を生きた人々の世界観も同時に知ることができるというのが一番の魅力なのだと思う。古代はやっぱり壮大でロマンを感じるし魅力的。
一度イタリア語に挫折したが、これを機に再挑戦し、あわよくばラテン語も少しかじってみようかなと思った。
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ラテン語にまつわる話を、著者が多岐にわたって語る。ラテン語は一見すると日本人には馴染みのない言語だと思われる。しかし、いくつかの単語を見ていくと、意外なところに関係しており、日本人にとっても身近な言葉だとわかる。また、ラテン語は現代において死語だという意見があるが、それに対して著者は反論する。著者曰く、オンライン形式でラテン語で会話したり、児童文学でラテン語訳が存在するなど、今でも生きた言語だという。本書の巻末に、『テルマエ・ロマエ』の作者ヤマザキマリとの対談が収録されており、ラテン語の学習が、意外と日本人にも向いていることを明かしている。このように、本書はどの部分から読んでも、面白い箇所が満載で、部分読みするだけでも、十分な知見が得られるだろう。
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借りたもの。
ラテン語学習というよりラテン語雑学読本。
死語と言われるラテン語が、現代に密接であること。
英語などの様々な言語の語源であり、日常にラテン語はある。ラテン語が身近に感じられる雑学が紹介されている。
ラテン語学習に最適な本も紹介。ラテン語学者・水野有庸先生ほか、
河島思朗『基礎から学ぶラテン語』( https://booklog.jp/item/1/4816360751 )、『しっかり学ぶ初級ラテン語』( https://booklog.jp/item/1/4860643666 )も紹介。
日本のアニメの中に出てくるラテン語の話も。
『エルフェンリート』のオープニングテーマ『LILIUM』の話は外せない。(あまりにも良い出来なので実際に海外の教会で歌われたとか)
(ラテン語さんが言語学者ではないことは断りつつ)日本語の起源をもラテン語も紹介してるが、私はそれには懐疑的。
巻末にはヤマザキマリさんとの対談収録。
現代イタリア語の会話の中でもエスプリを効かせたい時に使われるラテン語。
賛美歌の中で今も使われているのは言わずもがな。『テルマエ・ロマエ』『プリニウス』はラテン語が使われていた時代(そして大きな戦乱は無く比較的平和で文化が発展した)。
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世界史、政治、宗教、科学、現代
そして日本の6項目を立てて
そこで使われる言葉や概念に実はある
「ラテン語」の片鱗をいろいろ紹介してくれる。
それだけで充分おもしろかったです。
著者は現在進行形で
世界のラテン語話者と使用しあっているとか。
エスペラントと同じく
英語以外の言語を共通にして話そうという人が
一定数いるのだなと思うと楽しそう。
あとなんか、ちょいちょいファンタジー小説や
漫画、アニメのネタも仕込んでくれてて
ニヤニヤしちゃったぜ。
呪文とか架空名称とかね。
Exspecto patronum!
ラテン語っぽい響きってかっこいいものね。
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言語と歴史の、自分の好きなテーマの掛け合わせの著作、読み始めたら止まらなかった。
暮らしている国が日本で、外来語を柔軟に取り入れる文化に浸りきっていることもあり、由来がラテン語のものがこうも自然に配されていることに、ちょっと驚いた次第。
格言の類は幾つもメモっておきたくなった。
対談で、江戸時代までは漢文がより上と考えるお国柄であった日本と、ギリシャ語が上と考えていたローマに、自分たちが一番とは考えていないという共通点がある、との話が興味深かった。
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ドイツ語の勉強をしていく中でラテン語由来の言葉が度々登場していたため、ラテン語に親近感を抱いていた。
いつもSNSを楽しく拝見しているラテン語さんの書籍が出ると知り、ずっと楽しみにしていた。
英語やフランス語の語源となっているラテン語が数多く紹介されており、ドイツ語では何と言うかを調べてメモしながら読み進めた。
日本の日常生活の中でも多くのラテン語が使われており、知らず知らずのうちにラテン語に触れていたことを知ってとても驚いた。
漫画家のヤマザキマリさんとの対談の中で、今でもイタリアでは普段の生活でラテン語を使っているとの話もあり、ラテン語は「死語」とは言えないのではないか、という気持ちになった。
印象に残っているのは、「自由の女神はなぜ“女神”なのか」という箇所だ。
『自由の女神の元は、古代ローマのリーベルタース(Libertas)という、自由を擬人化した女神です。
「リーベルタース(libertas)」というラテン語は元々「自由」を指す名詞で、後に自由を擬人化した女神も同じ名前で崇拝されるようになりました。
libertas「自由」という名詞が女性名詞だから、それを擬人化した神も女性になったのです。』
(P48)
名詞の性と格闘しながらドイツ語を勉強している身のため、そうだったのか!と衝撃を受けた。
名詞の性がこのような場面でも影響することがあるのだ、と大変興味深かった。
私たちの生活に染み渡っているラテン語は、まさしく「世界はラテン語でできている」と言えるものだと思う。
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語学学習への意欲が再燃する一冊.ヨーロッパ言語の基となったラテン語は,日本文化にも知らず浸透している.言語の習得は,その人の文化的立ち位置と密接に関連してこそのめり込め,少なくとも面白さ楽しさが根底にあるべきであることを再認する.
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ヨーロッパ言語はほとんどラテン語が源泉なんだなあと思った。現代では読める人は居ても話者は居ないと思っていたが、著者含め世界中に居るようで驚いた。クソどうでもいい言葉でもラテン語で書いたら格言に見えそう。
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書店で平積みされて目が留まり、読んでみた。
ラテン語というと学名など科学分野に使われるというイメージが強かったが、本書を読むと政治の分野や現代で我々が普通に使っているカタカナ言葉も、ラテン語由来だったりラテン語そのものだったりということを知ることができた。これだけでも、案外身近にあるんだということを知ることができ、新鮮な感覚になった。
企業のロゴなどにも潜んでいると知ったので、今後はもう少し意識してみたい。
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ラテン語を起源とした単語、フレーズがたくさんあるという紹介もの。知ればまあそうかという内容であり、他人に請け売りで披露したくなるかも知れないが、そういう行為は嫌われる可能性あるものなぁ…
それ以前に読んで三日もしないうちにだいたい頭に残らないし…
読了10分
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第1章 ラテン語と世界史
・語源で考える“history”と“story”
・地名に残るローマ帝国の遺産
・「植民地」の語源になったローマ帝国の植民活動
・「ローマ」と「ロマンス」
・カエサルは「賽は投げられた」と言ったのか?
・「ブルータス、お前もか」
・ギリシャ、アラビア、ラテンがつながる
・ロックダウン中の営業は許されるか?
・ありありと語られる伝染病の恐ろしさ
・大航海時代の名残
・新大陸にまで残ったローマ皇帝の名
・ラテン語で明らかにされたコロンブスの航海
・「ラテンアメリカ」と「ラテン語」
・ネルチンスク条約に使われたラテン語
・アメリカ独立記念日が刻まれたその板は!?
・「驚くべき年」と「恐るべき年」
第2章 ラテン語と政治
・アメリカ政治に見られる古代ローマの名残
・トーマス・ジェファーソンが憧れた丘
・「シンシナティ」に学ぶ政治家の理想
・金権を嫌ったローマの政治家たち
・大統領の暗殺者が叫んだラテン語
・ポエニー戦争の戦術に学べ
・候補者は「誠実」でなくてはならない
・vote「投票する」の語源は「お願い」
・大統領就任式と鳥占い
・ローマ建国にも登場する鳥占い
・「ファシズム」と古代ローマ
・政治利用されたラテン語
・政府とサイバーと舵取りと
第3章 ラテン語と宗教
・聖書の暗唱が左右した裁判
・パッションフルーツは「情熱の果物」ではない
・クリスマスソングのラテン語
・グロリア・イン・エクセルシス・デオ
・チャペルとアカペラと雨合羽
・カプチーノの語源となった修道会
・“Requiem”は元々「鎮魂歌」ではなかった!?
・主の祈りと「クレド」
・バレンタインデーの言い伝えは本当か?
・ゴディバのロゴの由来
・ラテン語で書かれたルター『95か条の論題』
・『95か条の論題』には何が書かれているのか?
・サン・ピエトロ大聖堂に刻まれたラテン語
・ローマ神話の時代からキリスト教の時代へ
・モーセ像に角が生えている理由
第4章 ラテン語と科学
・大プリーニウスの百科事典
・克明に記されたウェスウィウス火山の噴火
・有名な科学の本はラテン語で書かれた
・慣性の法則や地動説もラテン語で発表された
・フェルマーの残したメモ
・太陽系のラテン語
・12星座のラテン語
・ラテン語を通じて元素が見えてくる
・違いが分かるホモ・サピエンス
・カワイイ学名とジミ・ヘンドリックス
・死者の国からやってきた殺し屋クジラ
・学名を知ると深く理解できる
・人体にひそむヒラメとネズミ
・まだまだある人体のラテン語
・ラテン語が元になっている栄養素の名前
・ラテン語が元になっている病気や薬
・菌の名前になったラテン語
第5章 ラテン語と現代
・テクノロジーにひそむラテン語
・アジェンダとアマンダはよく似た構造
・まだまだあるラテン語由来のカタカナ語
・商品名や社名の元になっているラテン語
・自動車業界とラテン語
・紋章が読めるとよく分かる組織の姿勢
・ハリー・ポッターのラテン語
・東京ディズニーリゾートのラテン語
・パリのディズニーランドにひそむ古代ローマ詩人
・ラテン語は「死語」と言えるか? ラテン語会話の世界
・今でもラテン語に訳される児童文学
・『星の王子さま』に学ぶラテン語訳の思わぬ利点
・ラテン語だとダサくなるバーテンダー
・宇宙飛行士を表す詩的なラテン語
・ラテン語で喋るニュース番組がある!
第6章 ラテン語と日本
・『東方見聞録』に描かれた日本
・17世紀にローマ市民権を与えられた日本人
・ラテン語早慶戦
・街中のラテン語
・ラテン語由来の施設名
・日本の地名・人名をラテン語にする方法
・まだまだあるラテン語由来の施設名
・漫画に出てくるラテン語
・ゲームに出てくるラテン語
・アニメに出てくるラテン語
・日本語の起源はラテン語!?
・ウェルギリウスのラテン詩を「直した」日本人
・日本語で読めるラテン語文法書
巻末特別対談 ヤマザキマリ×ラテン語さん
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実はこの言葉の語源はラテン語の◯◯でした。こんなところにもラテン語が使われていて、こんな意味でした。ずっとこの流れで進むので、途中で飽きてしまうとともに、「で?」って思うことばかりであった。
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思い違いの語源だったり、えっこんなところにラテン語が!というトリビア的な面白さがあったりして、ラテン語入門というよりラテン語に親しめる本。図や写真などまたラテン語の文章など掲載されていて、分かりやすかった。
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いや〜、面白かったなぁ。一気に読んでしまった。ラテン語読めるようになりたいなぁ。という気持ちと共に、漢文も勉強し直したいという気持ちも。こういう知識を生きた教養と呼ぶんだろうな。