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語り口がリズミカルで、一気に読了。
ケアすることは、死すべき運命を持った身体に波長をあわせ、尊重し、慈しみ、楽しみさえすることなのだ「ケアのロジック」アマネリー・モル
看護は魂に触れる革命だ!
など、簡潔でパンチの効いた言葉が次々と繰り出され、ナイチンゲールは今でいうロッカーだなぁと思いながら読んでいました。
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ナイチンゲール。名前はもちろん知っています。
でも詳しくは知りませんでした。白衣の天使。クリミア戦争。それくらいしか説明できる言葉が出てこない。
この本を読んだらそんなナイチンゲールのイメージがひっくり返りました。ぶっ飛んでるし突き抜けている。天使なんだけど黒衣だし手にハンマー持っているw
女性でこの時代にここまでの事を成し遂げるなんて凄まじい事。実際30歳すぎまで何もさせてもらえないんですよね。それでも折れず諦めず突き進んでいく。尊敬します。
私みたいにナイチンゲールの事あまりよく知りませんって人にこそぜひ読んで欲しい本。全く学術書っぽくはなくて、文章が軽快でノリがいいのでスラスラ読めます。もっと書きたい事ありますがキリがないので止めときますw
ケアの炎を撒き散らせ!
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超絶面白かった。
看護師の端くれとして、ナイチンゲールの大まかな人生は知識としては知っていたが、その思想までは知らずに、読んだ著作も看護学校の授業にあった、看護覚え書きのみ。それでも、看護はアートであるとの言葉を忘れられず、現場で素晴らしい看護師に出会うたびに、やはり看護はアートだと思ってきた。
自分自身は決して感じたことのない他人の感情のただ中へ自己を投入する能力を、これほど必要とする仕事はほかに存在しない。このナイチンゲールの言葉はすごい。普段していることはこういうことだったのか、と納得。これをクリミア戦争の看護の中で見出すことの凄さ。共感という言葉が生ぬるく感じる。
看護覚え書き、再読したくなった。
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とつぜん神はやってくる:得体のしれない怪物 近代的な個人 神の声・神に仕えよ 神秘主義 超人 霊性 石鹸の泡=神の御心の象徴 目的なし・自分なし・空が青い 憑依としての看護:人民のなかへ クサい・汚い・はしたない だれもが隣人 神と自己無化 ヴェイユと絶対的受動性 つぎのキリストは女性:預言者 カイロス的・人間的とクロノス的・物理的 発明品 ハンマーをもった天使:クリミア戦争 まずは分析 黒衣だよ:死。いま。 近代医療・選択・ケアのロジック 運・身を賭ける:統計は神の啓示 国家にケアをうばわれるな
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配膳用エレベーターとナースコールを発明したのがナイチンゲールとは知らなんだ。
あと、カーディガン将軍がカーディガンの由来ってのも。
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かなりぶっ飛んだナイチンゲールの伝記だという評判を聞いて読んでみた。特に新しいナイチンゲールの一面を知ったということもなく、筆致はともかく内容はわりとオーソドックスに彼女のすでに知られている人生をたどった感じ。
面白い見方としては、ナイチンゲールを神秘主義者としてとらえているところ。神秘主義ってあまりよくわかっていないけど、憑依型というか対象とシンクロしやすい人みたいなことではないかと。
かなりのリアリストとしてその能力が評価されることの多いナイチンゲールでありながら、神のお告げを聞いたという超現実的な出来事も定番のこととして紹介されるもので、これって「白衣の天使」として崇められるなかで伝説がふくらんでいったようなものかと適当に思っていたけど、神秘主義者として解釈するとつながるような感じがする。
ケアは最近ではエビデンスベースドも重視されるけど、やっぱり根強いのは対象の気持ちに寄り添うことであり、一歩進めれば対象と一体化することやシンクロすることであり、意思の介在なくして手出ししてしまう利他的なものだろう。「近代看護の創始者」とされるナイチンゲールは現実的に看護をとらえた人のように思うけど、根底のケアに対する解釈は近代的というよりは原始的であり、そこに基盤を据えつついろいろ新しい考えや技術で解釈していった人だったということか。
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闘いながら忌み嫌われてた看護・ケア従事者を昇華したナイチンゲールを、作者の想い多めの文章にて知りました。
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今までにないナイチンゲール伝である。それは間違いない。
ひらがな多めの文書だが、読みやすいわけではない。ひらがな多いから中学生でも読めるよ、ってことはない。読めるかも知らないが、「わけわからん。これでいいの?ホントに?」ってなると思う。
よかったところとしては、彼女の宗教観を描いたところ。特に神秘主義についての文章はなるほどと思わせる力があった。こういうことを書かせると上手い人だなと思う。
しかし、人物描写、特にフローレンス・ナイチンゲール以外の人物の描写が簡単すぎて、立体的な人物像を想像できない。
ナイチンゲールの統計学者としての功績も否定はしていないが、著者が統計でわかったような気になる、あるいはやったような気になることに敏感というより強い反発を抱くタイプのため、結局安倍晋三批判をしたあげく「数字、きらい。」(P228)である。
ナイチンゲール伝を書くのにこの人が適任であったかは大いに疑問である。
しかし、書き手としては嫌いではない。
誰かの評伝を書くより、自分のことを書く方が向いてる人だと思う。アナキストで長渕剛好きだなんて面白すぎるもん。
栗原康ファンには良いが、みんなにおすすめはできない。
秦直也の挿絵がふんだんに入っており、それを見る価値はある。
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ナイチンゲールについては現代の看護の礎を築いた人ぐらいの知識しかなかったのだけれども、この本を読んですげー人だったことをひしひしと感じた。
アナキズムの研究者がナイチンゲールの本を書くことで、看護についてだけでなくて、もっと色々な視点から、彼女の生き方・生きた意義みたいなものが浮かび上がってきて、読んでて色々と感じるところがあった。(他のナイチンゲールの伝記は読んだことないので、他の人がどう書いているかは知らないけれど)