投稿元:
レビューを見る
呈されている疑問、他者と合う合わないはなぜ起こるのか。考えてみたが答えは出なかった。いったいどんな心理メカニズムが働いているのか知りたい
#「合う」のメカニズムを科学する
#阪口幸駿
#富田健太
23/12/26出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/41B892d
投稿元:
レビューを見る
第Ⅰ部 相性の合う/合わないあなたとわたし
第1章 あの人とは息が合うのに,あの人とは合わないのはなんで?(富田健太)
1 はじめに
2 コミュニケーションにはリズムがある
3 コミュニケーションにはリーダー・フォロワー役割がある
4 対人以外とのコミュニケーション場面ではみんながリーダーになりたがる
第2章 あの人とは脳が合うのに,あの人とは合わないのはなんで?(栗原勇人)
1 はじめに
2 あなたとわたしの脳が合わさる時
3 誰と脳が合わさるのか
4 ヒト以外の動物同士でも脳が合わさるか
5 「脳が合わさる/合わさらない」研究のさらなる発展
第Ⅱ部 互いに合わせ合うあなたとわたし
第3章 まねし合うことから始まるコミュニケーション(石塚祐香)
1 はじめに
2 わたしがあなたをまねする
3 わたしがあなたにまねされる
4 あなたとわたしがまねし合う
5 まねは互いにわかり合うための橋渡し
第4章 表情を交わし合うコミュニケーション(緒方万里子)
1 はじめに
2 表情は大事なコミュニケーションの1つ
3 表情ってどんな種類があるんだろう
4 感情はどうやって生じるのだろう
5 表情は何のためにあるのだろう
第5章 教え合いで発展するコミュニケーション(石塚祐香)
1 はじめに
2 教える行動の獲得と活用
3 教え合いを学校教育の中に取り入れる
4 教え合いをツールとして活用する
第6章 モノに想いを託して伝えるコミュニケーション(阪口幸駿)
1 はじめに
2 モノに想いを託すことって,実は難しい
3 託された想いを汲み取ることって,もっと難しい
4 そして想いは,あなたとわたしの共同のものとなる
第7章 文化のバトンを受け継ぐコミュニケーション(中田星矢)
1 はじめに
2 先人の知恵を受け継ぐことが社会の発展の基盤となる
3 合わせないことの効用
4 「合わせる」も「合わせない」も必要
第Ⅲ部 自然に合わさるあなたとわたし
第8章 あなたが悲しいと,わたしも悲しい(齋藤菜月)
1 はじめに
2 「あなたとともに感じる」の不思議
3 どうやってともに感じる?
4 共感はよいことだ! ……本当に?
5 あなたが悲しいとわたしも悲しい。では,あなたが嬉しいとわたしも嬉しい?
6 ともに感じるって何だろう
第9章 あなたが笑えば,わたしも笑う(谷本 彩)
1 はじめに
2 どんな時に,どんなふうにヒトは笑うの?
3 動物も笑う!?
4 誰かと一緒に笑う時に脳の中で起こっていること
5 人間らしく笑う
第10章 あなたの感覚を,わたしも感じる(緒方万里子)
1 はじめに
2 身体の感覚から感情が生まれる?
3 身体の内側で感情を判断している?
4 わたしたちは身体でまず理解し合っている
第11章 あなたが踊れば,わたしも踊る(富田健太)
1 はじめに
2 ダンス・歌唱をすることが集団の結束を高めてきた?
3 イヌは踊らないけど,ヒトは踊る?
4 ヒトのダンスの特徴とは?
第12章 あなたの規則に,わたしも従う(吉川正人)
1 はじめに
2 あなたを見て,規則を見つける
3 わたしたちは規則に従う
4 あなたとわたしで規則をつくる
5 規則のヒト「ホモ・レギュラリス」
第Ⅳ部 合わさって影響を受けるあなたとわたし
第13章 あなたといると,引っ張られてしまうわたし(坂田千文)
1 はじめに
2 共同知覚
3 共同記憶効果
4 気にする必要がないのに引っ張られてしまう
第14章 あなたと目が合うと,ちゃんとしてしまうわたし(小林佳世子)
1 はじめに
2 見られていると,気になって……
3 ニセモノの目でも……?
4 でもやっぱり,ニセモノの目には効果がない?
第15章 合わせたいけれど,ちょっとだけ特別でもいたいわたし(小林佳世子)
1 はじめに
2 合わせてしまうヒトの心
3 でも,特別でもいたいわたし
4 自信過剰なわたしたち
5 生存と繁殖の戦略――適応合理性
第16章 あなたと協調すると,絆を感じるわたし(栗原勇人)
1 はじめに
2 相手と協調するとはどういうことか
3 誰と協調する/できるのか
4 相手と協調すると絆が深まる
第17章 あなたとともに,愛を誓うわたし 阪口幸駿
1 はじめに
2 愛とは何か?
3 共同コミットメントの魔力
4 交感的コミュニケーションの魔力
5 真実の愛
おわりに――相互理解と相互尊重のはざまで
引用・参考文献一覧
投稿元:
レビューを見る
「合う」「合わない」ということをさまざまな視点の科学から述べられていて、面白かったです。
普段、メカニズムを気にしないのですが、脳や身体の仕組みを知ると客観的に物事を見られるよい機会になりました。
投稿元:
レビューを見る
ハラスメントが叫ばれる昨今、会社の上司や同僚との対話のヒントがあるかも知れないとタイトルのみで借りてみた。
私(中年男性)は特に、社内の年下の異性に対しての仕事以外の対話に非常に気を使う。
言葉に対して、より適切な単語、文章を構築したく探していると、結局当たり障りのない内容になる。言語化とは難しい。
本書は科学的な視点、知見から「合う」「合わせる」「合わさる」ことの本質を紐解いていく。知的好奇心が刺激される。
様々な実験や論理的な文章はいささか「硬さ」を感じる点がある。専門用語も多い。これは私が論文等を読み慣れていない所為もある。内容は興味深い。
各章と節を拾い読みしていく。
最後の章では「愛とは何か?」というテーマを正面から論じていく。
そして結論は
"相互性と無条件性に特徴づけられる愛においては、共同コミットメントの形成に伴う二重の入れ子構造的心理が構築され、かつ、一重目の入れ子の中身は、空っぽのまま目的性が極限まで薄らいだ状態、と考えることができるかもしれません" (p212より引用)
愛とは言葉で表せられるようなものではないかも知れない。大切なものは目には見えないかも知れない。
「合う」「合わない」という普遍的だけれど言語化が困難なものに対して多くの学びがありました。
実際に普段の対話に活かせられるかは私次第ではあるが、知識が少しあるだけで何となく気が楽になった。