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物語の行方が気になる華文ミステリ。東野圭吾と松本清張のハイブリッドといった感じか。他の作品も探してみよう。
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NHKBSで放映されていたドラマ「ロング・ナイト沈黙的真相」の原作。
ドラマの緻密な構成にはまり、原作発売を待って購入。
登場人物がドラマ内の人で脳内で再現された。
本筋は同じだが、ドラマと原作では微妙に異なっている(ドラマでは現職のイエン・リアンが原作では元刑事、ドラマの新聞社パートは創作など)が、ジュー・ウェイ兄貴の漢気は健在だった。ジアン・ヤン、ジュー・ウェイ、チェン・ミンジャンの友情も健在。
原作では最後に中国共産党の最高幹部が失墜することを示唆して終わるが(解説によれば中国の読者はこれで誰がモデルかほぼわかるそうだ)、ドラマではそのへんはぼかされていた。これはお国柄上しょうがないか。
心が壊れてしまったミンヤン(イエン・リアンの元同僚)の経緯が原作にはあるのかな?と思ったらなかった。先行してドラマ化されているほうを見ればわかるのかな?
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個人的に構成が面白かったです。ただ話が進むにつれて最初から変わらない事実がどんどん悲しくもありました。
解説を読むと、創作とはいえあまり踏み込むと圧力がかかったりしないのかなと心配しつつもこれからも中国ミステリーを楽しませてほしいです。
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ロングナイトという邦題でドラマ化されていた方を先に見たが、ドラマも原作も素晴らしく面白い。原作の題名は「长夜难明」だと巻末の解説に書いてあり、难明ではあっても不明ではないという祈りのような思いを感じて、今の日本の現状とも重ね合わせて心に染み入るものがあった。
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駅で逮捕された弁護士のスーツケースから元検事の遺体が。殺害を自供したのに公判で覆す。12年前の事件と大きく関わる。
初めて読む華文ミステリ。面白かった。なぜややこしいことを仕組むのかその長大なプロセスがすごく好み
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構成も内容も全て素晴らしかった。前作の「悪童」も素晴らしかったが今作も奥深かった。権力を傘にきた悪い奴がとことん悪くて、そこを崩そうと人生をかけた主人公達が素晴らしいとしか感想はない。
華文ミステリが楽しみ。
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空は暗かった。いつになれば明けるのか、彼らにはわからなかった。
最後に現実の中国政府役員が1人捕まった話が挟まる事で、物語が終わったあとの重みが増した。
悪童たちからのシリーズで厳良が出てくる。
前作と共通してるのかなと思ったのは
物語の主人公がなし崩し的に関わって次第に存在感が大きくなっていくところ、主人公サイドがチームになってること等。
前回の悪VS悪はただただ楽しかった。
今回の主人公たちが立ち向かうものが、1人では勝てないものなだけに、はじめからやめておいた方がいいにおいがプンプンしてる。
なぜ立ち向かい続ける力があるのか、その理由とかバックグラウンドが特に語られない。
何故そうまでして正義を求めるのか。
関わらずに忘れてしまえば、将来は約束されたも同然な2人がその立場を追われる身になったとしても、文字通り死ぬまで正義をなそうとする姿はまさに漢。めっちゃかっこいい。
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うならせるほど、読み応えのあるミステリーでした。
著者は中国の人で、本作を含むシリーズは、いずれも映像化され高い評価を得ているようだ。
いきなりスーツケースを引いた狂ったような中年の男が騒ぎを起こし警官に拘束されるところから始まり、そしてそのスーツケースの中から出てきたのは全裸の男の死体だったというシーンという衝撃的な光景が続く。
否でも応でも、何事かと引き付けられてしまう。
権力者とそれにつながる者たちは、不正を知る或いは知ろうとする者たちを次々と殺していく。
そこに立ちはだかったのは、それぞれ専門分野に精通した正義感の強いエキスパートの監察医、警官、検察官、弁護士の四人。
とてもじゃないが、国家的権力を持つ者に勝てる訳はないのだが、文字通り身を張った策により、悪を暴いていく。
読みながらこれって中国ではさもありなんの話ではないのかなと感じていたが、巻末での編集者によるコメントには、次のような時代的背景があったことが書かれていた。
なるほどと思いつつ、この作者の身の安全が気になってしまった。
本作の最終章は、新聞やニュースサイトの記事として事件関係者が次々と不審死を遂げていることが語られる非常に不気味な演出となっているが、実際に周永康事件を巡っても、重慶市の公安幹部や、周の秘書の義弟で証券マンだった人物をはじめ複数の関係者が同時期に「自殺」や「病死」を遂げていることが新唐人電視台などで報道されており、周陣営による口封じだったと言われている。
そうした現実とのリンク、そして周の裁判においては報道統制が敷かれ、半ば秘密裏に処理されたこともあって、本作は読者に「実際の周永康事件の裏にも、こうしたまだ語られぬ事件があり、それを暴こうと立ち上がった誰かがいたんじゃないか」と想像させることに成功している。
それは、あるいは陰謀論的想像力を呼び込む危うい仕掛けであるとも言えるが、作者が本作を血縁的な復讐譚にしなかったことがここで効いてくる。多くの人が、社会問題が存在することを知りながらも「どうせ何も変わらないのだから、自分が被害者にならない限見て見ぬふりしてやり過ごした方が賢い」と思って、あるいは思わされて生きている。
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★5 巨悪に立ち向かう男たちの生き様に痺れる! 正義の本質がわかる社会派ミステリー #検察官の遺言
■あらすじ
舞台は中国の現代、ある弁護士が地下鉄で爆弾騒ぎで捕まってしまう。しかも彼が持っていたスーツケースの中から死体が発見されるのだ。その後弁護士は自供をするも、裁判では突然犯行を否認する。警察は再捜査していくうち、徐々に社会の闇が明るみになっていき…
■きっと読みたくなるレビュー
おもろい!★5
よく薄っぺらく使われている言葉「正義」。本作では、この正義のなんたるかを重厚感たっぷりに教えてくれる社会派ミステリーです。
物語は現在の事件と並行して10年以上前におこった少女失踪事件が描かれていく。真相を暴くべく、警察や検察官がなんとか証拠を集めようとするも、ものの見事に隠蔽されてしまうんです。舞台が中国なこともあり、それはもう露骨なパワーゲームで事が運び、弱者の悲惨さがしんどすぎるのよ。まるで本当にありそうな事件だし、正直言うと日本人でよかった…と、何度も思いました。
この勝ち目がない勝負に挑んでいくキャラクター陣が魅力たっぷりなんです。激アツの仲間たちを紹介します。
●江陽(亡くなった元検察官)
せっかく若くして順風満帆な検察官人生を歩んでいたのに、なんでこんな結末を迎えなくてはならないのか。彼がそのまま検察官で活躍できれば、幸せになった人たちも多くいただろうに… 誰よりも粘り強くて、努力家だったことを忘れませんよ。どんな環境であっても、やるべきことをやれる人間は強いんだと学ばせていただきました。
●張超(弁護士)
頭いい人が決死の覚悟を決めると、マジ怖いという事例ですね。序盤は何者で何目的なのかさっぱりわからないのですが、後半になるととんでもない事実が発覚してくる。彼の決断と行動力には震えました…
●陳明章(監察医)
事件に対して狡猾な戦略で事を運ぶ策士で、自分の人生をコントロールするのも上手い。こんなにも飄々としてるのに、実は友人想いないい奴なんですよ。彼がいなかったら早々に破綻してたでしょう。
●朱偉(刑事)
イチ推しキャラ、あだ名は雪ちゃん。あまり頭の切れは良くないけど、情には厚く誰よりも優しい鬼刑事。彼の行動から元気がもらえるし、物語に生命力を吹き込んでくれる名脇役でした。男として生まれたら、一度はこんな生き方をしてみたいんですよね。カッコ良かったです。
物語を読み進めると、背景にどんな巨悪が存在するかが見えてくるの。そして最後の勝負に挑む弱者たちに痺れる。彼らは長い闘いの人生をみていると、正義を貫くっていうのは、こんなにも犠牲を払わなければいけないのかと悲しくなっていしまいますね。誰かの邪な行為が、多くの人の時間と精神を奪ってしまうんです。
しかし中国でリアルにあった事件を調べてみましたが、ほぼ同じじゃねーかと…怖いわっ もちろん被害者はいますし、この悪い奴らは絶対に許せない。
熱い熱い読み応えたっぷりの社会派小説、今年を代表する翻訳ミステリーのひとつだと思います。
■ぜっさん推しポイント
人生を歩んでいると、様々な場面で難しい選択をしなければいけない時がある。
お金を取るか、良心を取るか、未来を取るか…
悩ましいのは、大抵はすべてを取ることができず、何はあきらめなければならない点です。ここで間違ってしまうと、人生が大きく変わってしまう。ホント幸せに生きるって難しいです。
しかしこんな時に正しい道筋を示してくれるのは、近くにいる仲間たちや家族だと思うんです。大した能力はないですが、もし仲間が困っているのであれば、微力ながら力になってあげたいと思わせてくれました。