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まずこのテキストで予習。そして録画テレビで朱先生の解説、戸田さんの朗読、伊集院さんの切込み、安部さんの進行全て胸を熱くしながら、一字一句理解しながら、一時停止しまくりながらノートに書きながら講義受けた。朱先生の話ずっと聞き入ってたくて終了が寂しい。
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「哲学の使命は『会話を継続させること』」。読み始めたときはうまく理解が出来なかったが、読み進めるごとにピントが合ってくるような読書体験だった。
世の中を知れば知るほど「断定できることなどなにもない」と相対的な立場に傾いてしまうが、その場に硬直せず、本を読み世の中の出来事をかみしめて想像力を通じて人間を拡張すること、会話を止めないこと、そういったことこそが希望だと気づかせてくれるよい本だった。
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とても良い一冊で、全人類読んだほうがいいと言えるくらいの内容だった。一度はこういう観点や考え方に触れておいたほうがいい、と個人的には思う。世の中で言われる本質や常識、正義、正解……こういうものに疑問を感じる自分に対し、自分だけがおかしいのか?といつも少し心許なかった。だがこの本の説明にしっくり来、今後はこの感じ方を肯定し、対話を、更新を繰り返していきたいと強く感じた。
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ローティは、トランプ大統領(のような政治家)の登場を予言した、20世紀アメリカの哲学者。ローティの哲学は、従来のような、本質的な結論(真理とか)を目指して、「終極の語彙」で相手を黙らせる(論破する)ことが目的では無い。言葉や考え方に変化がある可能性を容認する前提のもと、人々が議論を続け、共感・連帯を生み続けることが目的だという。
100ページ程度の「解説書」にも関わらず、読んで理解するには集中力が必要。さ~っと読んでしまうこともできるが、それでは頭に全く入ってこないのである。久しぶりに、「ゆっくり丁寧に読む」「読み返す」という取り組みを意識的に行った。
中には「バザールとクラブ」や、ナボコフの小説『ロリータ』を事例としたローティ哲学の説明もあり、少しリラックスできるパートもある。紙面が限られる中で、素人に何とかローティ哲学を分かり易く伝えようとする解説者の心遣いを感じた。
西洋哲学史のおさらいや、「プラグマティズム」等の基礎用語を学ぶことができ、教科書という感じの一冊であった。
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アメリカのリベラリズム思想家リチャード・ローティの主著『偶然性・アイロニー・連帯』が100分de名著に登場。ローティの代表作の解説という形態こそとっているけれど、ローティの人生やその他の作品も紹介しながら議論が進められる。
人はその人にとっての最終的な語彙(final vocabulary)に基づきながらある集団に所属したり、他者と区別しながらアイデンティティを確立しているけれど、実際には意味は偶然性の産物であり、final vocabulary も無限に開かれていて意味を確定することはできない。不断の問いかけ=アイロニーこそが包摂を目指すために必要という論。
理論的には理解できる話だし、そうあるべきなのだけれど、現実にはそうは行かず、ネトウヨに代表されるように意味を確定したい人が溢れている現状、ローティの理論を現実にどのように展開すべきか、あるいはそもそもできるのかが問われているように思う。
最後のナボコフの『ロリータ』読解がその道の一つなのかもしれない。なんとなく。
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東浩紀『訂正可能性の哲学』に議論の展開が似ているような…。東さんはローティからの影響がかなりありますが、この本の著者の方は暗に東さんを参照しているのかもしれません。ローティ(と東さん)のリベラルっぽさと保守っぽさの両面を再確認しました。
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誰かを黙らせることを目ざさない。
会話を守る。
これを続ければ、小さなことから変わっていくのかも。
朱喜哲氏の温かい文章で、ローティがとてもわかりやすく、重要なエッセンスが頭に入ってきた。
引用された本全て読みたくなった。
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「ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』」朱喜哲著、NHK出版、2024.02.01
107p ¥600 C9410 (2024.03.21読了)(2024.01.26購入)
【目次】
【はじめに】哲学者とは会話の守護者である
第1回 近代哲学を葬り去った男
第2回 「公私混同」はなぜ悪い?
第3回 言語は虐殺さえ引き起こす
第4回 共感によって「われわれ」を拡張せよ!
☆積読中
「ロリータ」ナボコフ著・大久保康雄訳、新潮文庫、1980.04.25
☆関連図書(既読)
「虐殺器官」伊藤計劃著、早川書房、2007.06.25
「アンクル・トムの小屋」ストウ著・丸谷才一訳、河出書房新社、1993.03.10
(アマゾンより)
民主主義の危機は、「哲学」が守る
「トランプ現象」を20年近くも前に予言したとして、一躍注目された哲学者リチャード・ローティ。彼は、現代アメリカを代表する哲学者でありながら、真理の探究を目指し「理性」を重視する従来の哲学(近代哲学)を、社会の分断や差別をもたらすものとして根本から否定する。そして、『偶然性・アイロニー・連帯』などの著作を通して、「人と人との対話を止めない」ことを軸とする新たな哲学の役割を提示し、あるべき社会の在り方を論じた。
社会の分断やポピュリズムが広がり民主主義が脅かされている現在、私たちはどのような社会を構想すればよいのか。ローティのダイナミックな思想を手がかりに、そのヒントを探っていく。
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この番組は本当に素晴らしい。出来ることなら原著に当たるべきなのだろうが、多分、挫折するだろう。私には、番組とテキストで分かった気になるぐらいでちょうど良い。
哲学について、新しい、というよりも、原点回帰のような。
「終局の語彙」が個人の深いところにあるからこそ、その書き換えは屈辱や苦しみを生じる。言葉が人を殺してしまうことも。伊藤計劃『虐殺器官』はよく表現している。
人権が本質ではなく言葉でしかない、そうなると、全く力がない。
哲学は、切り離されてしまった○○学の間に漂い、人と人をつなぐものなのかなぁ、と思う。
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ローティに言及した、いくつかの著作に触れ、感銘したことに伴い、本書も紐解いた。
本質を求めないが故に、辿り着ける世界がある。その結論がもたらす行く末の可能性の大きさを十分に感じられたナビゲートであった。
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ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』を読みかけていたのを一端中断し、こちらを先に読んだ。副読本として、とてもわかりやすい。