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死、悪夢、苦痛、病、恐怖、悪魔…人類がおそれる対象は美術表現の対象ともなってきた。古今東西のアーティストが描いた深淵は怪しい魅力をたたえています。
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読了:2024/3/17
新作コーナーでたまたま。
印象に残った作品
・ルドン「笑う蜘蛛」The Smiling Spider 1881
・ルネ・マグリット「黒魔術」La Magie Noire 1934
ジョルジェットの上半身は天上界と一体となり、下半身は地上にとどまっているようにみえる。この二分された状態は、体は現実にしっかりと根を下ろしながらも頭は別次元の世界に迷い込んだ、人間の精神を表していると解釈できる。
・ローリー・リーブロム「キャシーの幽霊」2015
マーシー・ワシントン「薄いヴェールを通して」Through the Thinnest of Veils 2009
何故だか目が吸いついた絵。タイトルは「ヴェールの最も薄いところを通して」という意味になると思うが。「書かれていない本の挿絵」。誰もが隠す屋敷の秘密、それを僅かにかすれた部分からようやく見ることができた時に目に映ったのはこの女性の姿。そんな想像をした。
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「闇」をテーマに古今東西の絵画(一部、そうでないのも含むが)を集めた画集。「闇」から派生した「恐怖」だの「夢」だのといったサブテーマ毎に章立てがなされ200を越える図版には個別に短い解説が付く。ゴヤやルドン、ボスといった誰もがすぐに連想するような作品も当然押さえているが、収録作の半数を現代芸術から持ってきているのが新鮮で良い。ビアズリーがないとか、ウィトキンやヘルンヴァインは?という取捨選択に関する不満は当然あるがキュレーターの意向や権利問題などあるから言っても詮無いかな。