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最後までグイグイ引き込まれた。
建築家の女性と青年の会話劇がちょっと村上春樹っぽくて小気味よい。
言葉が氾濫する現代社会の行く先はディストピアなのか?それでも未来に生きようとする人間の執念を感じた。
ザハ・ハディッドの新国立競技場が実際に建築されたという設定がSFチックで面白い。
東京都同情塔の建築理念も常識を覆すようだけど、妙に頷けるところもあるんですよね。
生成AIが使われてるらしいけど、この小説自体が生成AIのある世の中を暗示してますね。
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少しSFっぽい作品だと思っていたが全然違かった。ページ数に対して文字がびっしりと書いてあるので読むのに時間がかかり、理解するのも時間がかかった。チャットGTPを使ってかいた斬新な作品。犯罪者に同情できるか。犯罪者に楽園のような場所を与えるのはどうなのか、と私は思ってしまった。でも同情されるべき人はその辺の刑務所に入るべきでないという考えは私にはなかったので新しい考えであった。カタカナ語については作品内でもあったように最近何でもかんでもカタカナにすれば良い風潮がある気がする。
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AIが書いた文章が数パーセント含まれるということだったので気になって読んでみました。先入観で純文学は読みにくいというイメージがあったが、特にそのようには感じなかったし、表現がきれいだなーと思うところがたくさんあり、純文学に興味が持てた一冊。
AIが書いたであろう部分は意味不明な部分もあり読んでて気持ち悪いところもありました。
私自身、今回が初めての「芥川賞」受賞作です。
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私が爆速で読んでいるのか、もしくは言葉がとてつもないスピード感で進んでくるのか、よく分からなくなってしまう程ズバーっと文字が頭の中に入ってきて、作者の言葉を全然理解できていないのではないかと思う節もあるけれど、自分に正直に生きようと思った。
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#東京都同情塔
#九段理江
24/1/17出版
https://amzn.to/3UdhJa9
●なぜ気になったか
芥川賞作品は無条件に読む。おおむね「純文学系」の芥川賞作品は?な読後感が多いが、読書経験を積むにつれそれが普通と思えるようになった。今回はどれほど?な作品なのか楽しみ
●読了感想
読むのが辛くなるほどの?はなかったが、一読では面白いと思えなかった。選択されたテーマは僕が社会の主張にモヤモヤを感じるものでもあり、その選択には共感。何度か読み、読み解くことで楽しめる本と思えた
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
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普段「直木賞受賞作」を読むことはあっても「芥川賞受賞作」を読むことはない(芥川作品は読むけど)。
今回は設定に惹かれて読んだものの…
やはり芥川賞系は苦手だと痛感した。
ダメだ………
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建築を題材にした、言葉に関する物語。
言葉で考え言葉で未来を作る。
生成AIの言葉の平均的な気持ち悪さ、とか外来語のオンパレードな世の中をみて、なんだかほんとに近い将来言葉の貧困化はどうなってしまうのか、と心配になってきた。
ヒトの心を動かす言葉は、ヒトの心から出た言葉、だけじゃないかなあ。。
いやあ、東京都同情塔に税金はいやだな。笑
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#読了 #東京都同情塔 #九段理江
芥川賞受賞作品。
生成AIを使った事で話題になったと聞きました。
とめどなく溢れる言葉の濁流にのまれそう。
作中に『曖昧な微笑みは日本人のあいだで共有されている、他人を思いやるマナーのひとつなのだ。』とあり、笑ってしまった。
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まずまず。
芥川賞に相応しい。芸術的、ユニークな感性。
刑務所?を東京中心部の高層ビルに設けると言う先進的なお話。
分りにくいがきれいな文。常人には書けない。
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私にはちょっと早かったかも、
混沌としていて意味があまり分からなかった。
ただ、日本語は嘘を最後まで突き通すための言語
という言葉が刺さった。
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===qte===
九段理江さん 「東京都同情塔」で芥川賞 生成AI時代「言葉を大切に」
2024/1/19付日本経済新聞 夕刊
言葉と建築をテーマにした小説「東京都同情塔」で芥川賞に選ばれた33歳。文章を生成するAIが登場し言葉が氾濫する時代に「言葉を大切にしたい」との思いが強い。受賞決定会見でも質問に対してじっくり考え込み、返答を一つ一つ丁寧に紡ぐ姿勢が見られた。
受賞作の舞台は近未来の東京。現実では白紙撤回されたはずのザハ・ハディド案で新国立競技場が造られている。主人公の女性建築家は、犯罪者が幸せに暮らせる新たな刑務所「シンパシータワートーキョー」のコンペに参加する。
建てられなかった建築を意味する「アンビルト」がテーマの一つだ。「今作も書き上げられず、アンビルトになってしまうのではと不安だったが、そんな不安定さも含めて評価していただいたのがうれしい」
建築的な構造の小説を狙い、様々な文体を用いた。「小説の約5%はAIの文章そのまま」と述べるように、作中ではAIが主人公と対話する。「AIが期待した答えを返してくれない実体験も反映させた」
主人公には「言葉があふれ新たな価値観についていけない自分」も投影する。「言葉」にはずっと関心を持ってきた。小学生の時に書いた作文のタイトルは「美しい日本語を使おう」。初めて文学界新人賞の最終候補に残った作品も言語を扱った。「言葉を使って何ができるのか考えることがライフワーク」と明かす。
小説という手法を選んだのは、純文学が持つ「器の広さ」がやりたいことと合致するから。目指すのは多くの要素を内包して読者に内省を促すような作品だ。「言葉で解決できないことは他のどんな手段でも解決しない」。そう信じて小説を書き続ける。
===unqte===
===qte===
東京都同情塔 九段理江著 近未来ニッポンの思考実験
2024/2/17付日本経済新聞 朝刊
第170回芥川賞受賞作。執筆の一部にChatGPTなどの生成AIが使用されたことが話題になっているが、架空の文章構築AIが生成した(という設定の)文章をそれらしくするために使われたのであって、AIに丸ごと書かせたわけではない。とはいえこの作家は最初の芥川賞候補作「Schoolgirl」にもAIアシスタントを登場させていた。テクノロジーの進化に敏感な書き手なのである。
物語の舞台は、現実世界とは異なった過去を持つ近未来の東京。変更点は大きく2つ。国立競技場がザハ・ハディドの設計案のまま建設されたこと(周知のように実際には世間の批判を浴びて白紙撤回され隈研吾の案に変更された)。2020年に東京オリンピックが予定通り開催されたこと。社会学者で幸福学者のマサキ・セトの提唱によって「犯罪者」「受刑者」を「ホモ・ミゼラビリス=同情されるべき人々」と呼ぶ動きが広がり、新宿御苑にホモ・ミゼラビリスが収容ならぬ入居する高層ビル「シンパシータワートーキョー」が建設される。主要登場人物は3人。横文字による意味の中和を嫌い、タワーを「東京都同情塔」と敢(あ)えて呼ぶ女性建築家の牧名沙羅。不幸な生まれ育ちでありながら、牧名との運命的な出会いによってタワーのスタッフになる青年拓人。トーキョートドージョートーにかんする記事を書くべく来日した三流ジャーナリストのマックス・クライン。物語は最終的にタワー建設後の2030年に至る。
一種の歴史改変SFと言ってよいだろう。だが、この小説が描く「もうひとつの東京」は、リアルなトーキョー、リアルなニッポンを透視している。日本語の特殊性、特にカタカナ英語の使用による奇妙な効果への着目は、シンパシー→同情→ドージョーと変換されることで日本人独特のメンタリティを映し出す。こんにちのポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)を踏まえた、他者/弱者への共感と同情の称揚に潜在する矛盾や逆説が思考実験のように提示される、ある種のディスカッション小説として読むこともできる。
なかなか手強(てごわ)い小説である。明確な主張や結論を導き出すよりも、読者に問いを投げかける。むろん、それこそが「文学」の役割なのだ。
《評》批評家 佐々木 敦
(新潮社・1870円)
くだん・りえ 90年埼玉県生まれ。2021年「悪い音楽」で文学界新人賞、23年「しをかくうま」で野間文芸新人賞を受賞。
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例えが難しくて言いたいことがすんなり入って来なかったが、あらゆる方面に配慮する日本語の方向性への不信感は同意。
しかしながらそれは、自分が旧世代の教育と常識にまみれているが故に感じることであって、新しい言葉が標準的になるであろう新世代の人間にとってみればなんの違和感もなく、むしろより良い世界に向かっているのかも知れない。
さらに長い時間軸で言えば、何が良くて何が悪いかは、進化論的な自然淘汰が決定することであるため、世界が向かう先こそが良い未来なのである。
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これだけ多くのテーマを抱えながら物語としてのスピードを維持する筆力。どこから読んでも興味深いと思えるような作品。
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言葉、現実、嘘、機械と生身の脳、道徳などさまざまなテーマがごちゃ混ぜなお話で混沌としていた。が、読みやすさはありのめり込んで読めた。芥川賞作品てわかりにくくて読後にスッキリしないなあ…
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芥川賞受賞作品
題名や帯からは予想もしていなかった内容。建築士が主人公の本は初めてで、建築物が好きな私にとって(まだまだビギナーだが)とても視点が面白かった。
私自身、言葉を概念として捉え、日本語を大切にしていなかったと強く思った。