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この物語は理瀬シリーズらしい。シリーズものとは知らずに手に取ってしまったが、世界観が奇妙でありながらもこの設定に惹かれてしまった。全寮制の学校の生徒は、「ゆりかご」か「養成所」かはたまた「墓場」か「◯◯◯」か...。いち早く前作を読みたくなる作品だった。
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美しい装丁と手にしっくりとくるサイズ感!がとても良い。
「理瀬」シリーズ・六編の短編集。
全寮制の学園は、訳ありの生徒が出入りしている。
「ゆりかご」、厳しい世間の荒波に当てぬよう、温室で守りたい者。
「養成所」、特殊技能や才能があって、それに特化した生活を送る者。
「墓場」、世間に知られたくない者、世間から隠したい者、あるいはいなかったことにしてほしい者。
水晶の夜、翡翠の朝からその世界へ誘われていく。
途轍もなく幻想的であり、妖しく…それが怪しくなり亡き者となる。
このなんとも言えない感覚に酔う。
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久しぶりの陸さま。
新作かと思いきや・・・既読感が。
やっぱり『三月は深き紅の淵を』のシリーズか。
広大な湿地に建つ全寮制の学校を舞台に、
生徒が消えていく・・・というミステリー。
表紙絵から、そうだろうなとは思っていたけれど。
陸センセイ、息長く書いてくださるのは嬉しいですが、
とみに記憶力が衰えるこの年齢、ゴチャゴチャになっています。
それでも四半世紀前に興奮して読んだ、あの感じが
既読にもかかわらず、蘇るのだから、
さすがの陸さまでございます。
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明るい雰囲気を感じながらもどこかかげがあるような独特な空気感を保ちつつ、一つ一つの話しはテンポよく進み読みやすかった。
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まさか理瀬シリーズの短編集が刊行される時代が来るとは…。
「水晶の夜、翡翠の朝」「睡蓮」は某短編を底本に加筆修正されてる気がしますね。
ヨハンのダークさと少女、というよりも幼女時代理瀬の困惑ぶりがより濃度が増した。
「麦の海に浮かぶ檻」
校長の少年時代エピソード。
よく考えなくてもこの辺からもう近親相姦じみた思想と同性愛的傾向が色濃く立ち込め始めてたな、理瀬シリーズ。
あの校長が父親じゃあなるほどねって感じだよな…。
「丘をゆく船」
黎二と麗子の始まりのおはなし。
希望に満ちているようで、ある意味では全ての地獄の始まりでもあるな……。
本編を読んだうえで読むと、悲劇過ぎるな…。
「月蝕」
聖が珍しく普通の少年ぽいぞ…!!?
聖もご家庭の事情が複雑なんだな…そうか…。
「絵のない絵本」
アレッ梨南子さんの「彼女」が想定外やったぞ!!?
そうか、むしろいい人やったんか…。なんかこう、完全に操り人形みてえに扱われてるんだと思い込んでたよ、梨南子さん…ごめんな…だってあまりにも犬死だったから……。
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すごく前に読んだ『麦の海に沈む果実』。内容は大筋しか覚えてなかったけど、久しぶりにこの世界観に引き戻されて、なんか嬉しかった。
インタビューでも恩田さんが答えてるけど、『薔薇の中の蛇』といい、理瀬が無双。
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主に学園での理瀬にまつわるエピソード短編。キーワードで名著や有名な詩など出てくるものあります。理瀬シリーズを読んでいないとわりととらえどころのない世界観の輪郭がさらにぼやっとするかも。
「水晶の夜、翡翠の朝」
わらいかわせみに話すなよ サトウハチローが引用されます。学園にヨハンがいたころのお話。
「麦の海に浮かぶ檻」
学園にいる要と鼎がファミリーとしてタマラを迎え入れる。少し前の学園の話。
「睡蓮」
稔、亘、理瀬の昔の話。かなり短め。
「丘をゆく船」
黎二、麗子の話。今まで知らなかったエピソードが語られる。
「月蝕」
ファミリーの数学が得意な聖の卒業前のエピソード。やはりこの学園に入る子たちにはなにかが付きまとう。
「絵のない絵本」
アンデルセンの本が話に出てきます。理瀬がイギリスの大学に通うようになってからのエピソード一つ。
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公民館の職員さんに勧められて
初めての恩田陸さん。
不穏で、幻想的で
独特の世界観に没入できた。
陸の孤島の学校が舞台。
ゆりかご、養成所、墓場…独特。
他の方の感想を読んで
理瀬シリーズ の短編集だと知った!笑
が、この作品だけでも楽しめた。
他の作品も読んでみたい。
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図書館の本⑦
恩田陸作品ということで何となく手に取った本。世界観に引き込まれた。まず本の装丁が気に入った。ハードカバーで、目次や挿絵のページ、表紙のイラストがゴシックで魅力的。ストーリーも不気味な美しさとミステリアスな要素を含んでいて、世界観ごと楽しめた。
シリーズ物だとは知らなかったので、最初のシリーズから読みたい。
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好きな作家さんのお一人で、好きなシリーズの短編集小説。
なんとも云えない仄暗さにますます夢中にさせられた。
『三月は深き紅の淵を』からまた読み直したくなる。
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水野理瀬シリーズの短編集。
「ゆりかご」か「養成所」か「墓場」のいずれかと言われる全寮制の学園で、特殊な事情を抱える生徒たちに起こる奇妙な出来ごと。
それはしばしば失踪や人の死を含む。
短編集だけでも幻想的で不思議な雰囲気を味わえるが、本シリーズの読者にはより魅力的だろう。
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久しぶりに恩田さんの作品を読んだ。
情景がクッキリと浮かび上がるような文章は、やっぱり凄いと思う。母校の講演会、ありがとうございました。夜のピクニックは、今でも伝統行事であり、生徒にとっての深い思い出のひとつです。
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ゴシックミステリーですか。読んでいると、それは何となくなるほど〜と思える空気がある。
ミステリーを楽しむよりは、そのゴシックの空気を楽しんだ。
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舞台は湿原にある、世間から隔絶している学校で、人がいなくなったり薬を盛られたり、かなり怪しげだ。でもとても詩的な小説で、想像力をかきたてられる。独特の世界観を描くのが上手な恩田陸さん。頭の中に情景を浮かび上がらせ、その世界を目の前で見ている気持ちになる。そして男女の垣根をつくっていないところも今風に感じられる。
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水野理瀬シリーズの短編集。全寮制の学園の特殊な事情とそこで過ごす生徒たちの隠された真実。校長の回想や理瀬の幼い頃、そして現在。不穏で緊張感に包まれながらも甘美で人のぬくもりを感じられる儚いひとときの居場所としての学園には、まだまだ秘密が隠されていそうである。