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テレビ番組の中のドキュメンタリーが書籍化されたもので、題名と帯が気になり手に取った。
仕事の休憩中に読み始めるも涙が溢れる寸前の状態が続くため、寝る前に一気読み。ただただ切ない。コロナ禍での入院を選ばず、家族で一緒に過ごす看取り介護を選んだ本人と家族。家族の愛情と絆が温かい。
“訪問診療医の仕事というのは、『最期の時間をその人らしく生きていくために必要な医療を提供する』こと”
瀬角医師の信条だというこの言葉に心を打たれた。
急速に悪化していく伊鈴さんを診て、あと1ヵ月、あと3日くらい。と本人にも家族にも命の期限を伝える瀬角医師。伝えたいことを患者さんの意識があるうちにお互い伝え合うためだと言う。
お互いに直接伝えあって、後悔しないように。居なくなってからでは遅い。目に見える命の期限が迫っていなくとも、明日が当たり前にくることは絶対ではないのだから、家族や大切な人たちに常日頃から自分の気持ちをちゃんと伝えていきたいと思った。
【最期の時間を自分らしく生き切ったかどうか。死ぬというのは最期を生きるということ。】