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日々のニュースが一本の線として読めます
2024/02/11 09:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じへも - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日本製鉄呉地区閉鎖」
「和歌山の高炉休止」
数年前から、新聞やテレビ、ネットなどから日本製鉄の改革のニュースが点々と流れ始めました。その後、トヨタ自動車などの大口顧客との値上げ交渉が行われているとの報道もありました。
日本製鉄に関する数々の変革は2019年、橋本英二氏が社長に就任したことに始まります。「このままではつぶれる」との危機感を抱いていた橋本社長のリーダーシップによって改革が断行され、結果、最高益につながったという一本の線として読めます。
「T芝」を持ち出すまでもなく、安泰だと信じられていた企業が解体の危機にされられることはフツーにあり、橋本氏が抱いた危機感は尋常ではなかったのでしょう。
また、「守りの経営」だけでなく、「攻めの経営」である海外進出についても触れられており、インドでの取材の成果がふんだんに盛り込まれています。「ハイテン」と呼ばれる高張力鋼についても詳細に書かれており、勉強になります。
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日本製鉄が2020年3月期に過去最大4400億円もの赤字を出して経営破綻秒読み状態になってから、どのように復活を果たしたのかを記した本。
端的に言えば2019年に社長に就任した橋本氏が、目を逸らし続けてきた痛みを伴う構造改革を打ち立て、トップダウンでブレることなくやりきったかという話。長がすげ変わるだけでここまで会社が変わるのかと考えさせられる本だった。
一社員からでは拠点廃止、巨大買収などの経営決断はなかなか見えないけども、それを実行しているのも一社員なのだと実感。巻末の橋本氏インタビューで「土台は作り終えたので、ここから先は次のフェーズ」と語っていたけども、この断面から再度参画できるのが楽しみである。
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「大企業ではイノベーションは起きない」ー経営学者から語られてきた定説は、売上高8兆円という日本有数の重厚長大産業によって覆された。
鉄は国家なり、というインフラや産業の基盤を支える鉄鋼業最大手の日本製鉄は、官営八幡製鉄所など全国各地の高炉をはじめ巨大な生産設備を誇ってきた。しかしそれらの大半は赤字であり、生産すればするほど損をする構造に陥っていたのだ。
5高炉32ラインの停止、呉製鉄所の閉鎖など、痛みを伴ったリストラから、高級鋼など高付加価値な製品を持って果敢に海外市場に打って出る。さらに脱炭素に向けた電炉や水素還元製鉄への研究など、次の時代に向けた投資も欠かさない。そこにはかつての鈍重で縦割りだったJTCという影はない。
やっていることはものすごくシンプルなのだけど、巨大な組織においてこの変革を数年でやり遂げた結果は、まさにイノベーションと呼ぶに相応しい内容だろう。
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プロジェクトXの長編を見たような感覚だった。
選択と集中、リーダーとしての決断など実行力が凄まじい。過去のエピソードを見ても、自分はここまで努力しているか?成果出しているか?と自問自答させられることが多かった。
やっぱり素材産業って面白い。
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良書。著者のものづくりへのリスペクトが底流に感じられる。危機に直面した大企業がトップのリーダーシップで再生するという点で日立製作所に似た印象を受けた。
日立の川村隆元会長の著書『ザ・ラストマン』も併せて読むことをおすすめします!
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良い話が中心に書かれてはいたが、上の経営層が血を流しながら働いてること、他部署の頑張りが欠かせないことを感じた。仕事頑張ろうと思えた。
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「鉄の巨人」と称される日本最大の鉄鋼メーカー。従来は、伝統的な日本の会社として堅実な経営方針を取っていた。しかし、日本経済の停滞とともに業績悪化に見舞われることになる。そこで、新社長になった橋本氏を筆頭に会社改革に舵を切る。最近は米首位の鉄鋼メーカー、USスチールの買収など積極的かつ大胆な経営が行われているその裏側を追ったのが本書である。鉄鋼業界のトレンドや日本製鉄社員の様々な思いなどが綴られた大作となっている。
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かっての日本の「戦艦大和」とも言うべき「新日鉄」が海底から再生復活した。
そんな驚きとインパクトのある「日本製鉄の転生」は1990年から続く閉塞日本再生の狼煙!
要点は①国内スリム化の断行②グローバル進出と買収の加速を迅速かつ大胆に!
2024/03/21 「日本製鉄の転生」☆ 秀逸だが「日立の壁」が上
橋本英二社長 一橋大学卒で反骨精神から海外事業の亜流へ
だからこそ会社の危機にしがらみを断った「スクラップ&ビルド」革命
三枝匡氏を経営の師として仰ぐ 一橋祭委員長 熊本人吉高校
やはり危機時のTOPに人を得られるか
Harvard大学院留学と海外事業・ブラジル勤務経験のキャリア
1.橋本革命のポイントは二点
① 国内事業は高炉の廃止によるスリム化
② 海外は積極展開-特にアジア・・・インド・東南アジア
直接投資とM&A
判りやすい 問題は実行力=胆力
3. 理論の裏付け
固定費の削減
キャッシュの捻出
環境変化 固定費7割→変動費7割 原料費の高騰
3.「デジタル製鉄所」
「職人芸=暗黙知」をデータ化・見える化して「AI化=形式知」
製鉄業の新たなビジョン
吹っ切れて改革へ邁進
4. 人材の豊かさ
さすが新日鉄 そもそも高レベル人材 育成の投資 成長
いままでは実践の機会が少なかった閉塞感
5. 新しいビジョン・戦略→やはりDigital&Global
30年の低迷を経て世代交代
新たな挑戦の時代へ
組織の力・エネルギーを解放
→今、日本経済の活性化に繋がりつつあるように思える
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経営層がどんな思いで指示を出しているのか考えさせられた。現場の社員目線でしか仕事を捉えられていない立場からすると、経営層は何もわかってないと感じることがあるが、会社の行方、従業員の未来、国益までもを背負って戦っていることを感じさせてもらえた。読み終わった後に自分も仕事をがんばらないとなと思わせる本でした。
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これは久々に胸が熱くなる企業再建ストーリー
新日鐵が鹿島の高炉を休止するニュースは聞いて驚いたが、まさかここまで巨額の赤字を出していて、会社が潰れかけていたとは。。。
売れば売るほど赤字の名古屋製鉄所
価格は買い手が決定
トヨタには特許を無断使用され、、、
トヨタを訴えるところまでやったのは、本当に、英断だと思う。
日本製鉄何十万人の雇用を守った現社長は、日本の経済を救ったとも言える。
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M&Aを含む企業変革の中で、一種の大企業病に侵された企業を再興する非常に興味深いノンフィクションストーリー。
・資産圧縮、リストラを含むコスト改善
・大得意先にも怯まぬ値上げ交渉
・改善により生まれた資金による更なる成長投資
同じ製造業で働く身として、非常に参考になる、勉強になる内容であった。
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・使命感、責任感、優れた説得力を持ち、具体的な行動に移せるリーダー
・論理と数字が全て
・集中治療室(特に収益体質が脆弱な拠点)
→課題と打ち手を細部にわたって幹部と共有し、甘えを許さずに実行を促す。現場からも意見を吸い上げて拠点ごとのマネジメントに反映して
・国内自動車メーカーとの理不尽な値決めの慣習を破る
♯あるべき論に立ち返る。橋下さんは海外にいたから、正しい姿を体感していて、だから実践もできる。
♯私は何か見落としてないだろうか、やるべきことをちゃんとやろう。