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投稿者:かやふやふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は人造人間でなくなった息子の代わりに作られたが作った親に捨てられた。そして、拾われた男性も死に、保護施設に引き取られてからのおはなし。
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とにかく竜丸先生についての情報が少ない。おそらくSNSもやっておられず、過去のインタビューやコメントの類も発見出来なかった為に何とも謎めいた印象が強い。現在コミックDAYSで公開されている読切『鉄紺の春』『チタンのナイフ』の2作も著者名「竜丸」名義であり(だだしコミックDAYSでは「たつま」読みにつき同一作者か正確なところは不明)、それぞれ2018年の発表との事。『アイアンファミリア』とはタッチは違うが歯や煙草の描き方が似ているような気がする。ので、ここは勝手に同じ先生の作品と見なすことにします。違ったらごめんなさい。知っている方がいらしたらぜひご教示下さい。
読切2作にしろ、集英社の既刊『オナ禁エスパー竜丸短編集』(9784088925837)にしろ、妙なテーマや設定を扱いながらも煮え迸る情熱や欲求を浮き上がらせて、最終的に愛や青春や若さを叫ぶ作品に仕立て上げているあたりが作風なのだろう。
とりわけ本作は過去作と比べると感情表現がストレートかつ能力バトル要素を組み込んだ新境地。正直なところ能力バトルの、特に設定まわりの部分はかなり既視感が強い気がするし、きっとそういった指摘が付き纏ってしまう作品なのは宿命だと思われる。
が、1巻収録の7話の間でも戦闘の見せ方だったり緩急だったり台詞回しだったりが常にアップデートと変化をしていて、読み進むにつれ竜丸先生の驚くべき速さでの進化が紙面を通して伝わってくる。
追いかけたくなる引力に満ちた作品。
「お前ぇ…あったけぇじゃ ねぇの…」(p43)というマジマの最期の言葉にはグッと来た。
カバー下のおまけイラスト「あいあんふぁみりあ」のミコトさんいいぞもっとやって下さいお願いします。
1刷
2024.2.23