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中世ヨーロッパの装飾写本に関する本は読んだことがあるが、ネコに注目した本は知っている限りでは初めてだ。
装飾写本に描かれているネコから当時のネコに対する人間の意識が見て取れる。
動物愛護なんてひとかけらもない時代だけに驚く絵もあるがそれも現実だ。
写本の余白に描かれたネコは、意味があったのかと思ったら意味はなかった。
神学書、典礼書、騎士物語において、内容と関係なく、ただ読者を楽しませ、喜ばせるために畫かれたものと説明している。
そんな理由で描いていたとは、昔の人も癒やしが欲しかったのかな。
中世のネコの名前はどうなっていたのか気になる。
個別の猫野名前は記録にほとんど残っていないが、古いアイルランドの法文書にいくつか記載があるとして紹介している。
「ニャーちゃん」「お手々ちゃん」「炎ちゃん」「イラクサの灰色ちゃん」など。
ネコに迫る危険として、毛皮屋、祝祭の儀式、市民による虐待、食糧難・いけにえを挙げている。
学生の悪ふざけはいつの時代もある。
最近、神戸大学の学生サークルが問題を起こして話題になった。
13世紀のパリ大学の学生たちの悪ふざけについて次のように記している。
学生たちはネコの前脚にサイコロを載せて投げさせました。もし、学生たちが振って出た目よりもネコ出した目の方が多ければ、ネコにエサをやります。しかし、ネコの出した目の方が少なかったら、かわいそうにネコは皮を剥がれ、その皮は売られてしまうのです。
こんな悪ふざけをよく思いつくなあと思った。
大事にされていたネコもいるが、今と比べてネコも生きていくのが大変だったなあと思った。
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面白かった!
中世の祈祷書などで描かれる猫たちはどこか不気味な一方で、ヘタウマな感じで愛らしい。そんな不思議な味わいのある絵画がたくさん載っていて、楽しい。
猫好きな人、中世絵画が好きな人は必見。
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猫好きにはたまらない。
動物に対する見方がそもそも現代とは違いすぎて、(例えば人間が魔術を使うのに黒猫を利用して、その猫を人間と共に処刑するなど。)そこから動物愛護の意識が現代のように生まれるまで、どのような意識の変化の歴史があったのか、知りたくなった。