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結婚を機に仕事を辞め、京都にある婚約者の実家に移り住んだ美咲。
しかし、京都のしきたりに慣れず、家業を継いだ婚約者との関係性もぎくしゃくする中、時間があった美咲はミシンでTシャツに自らデザインした刺繍を始める。
それが影響力のある人物の目に留まり、あれよあれよと売れっ子デザイナーになっていく、夢のある物語。
なのだが。
まず序盤。
婚約者を含め、京都の人たちの意地悪さに辟易。
美咲の一挙手一投足に嫌味を言い、読んでいて、気分が悪くなる。
そもそも婚約だけで、美咲は京都に行く必要があったのか?
きちんと籍を入れてから、仕事を辞めても良かったのでは?などと、小説にアドバイスをしたくなってしまうほど。
そして、中盤。
決別を決めた婚約者のストーカー化。
それを受け入れてしまう美咲。
美咲の芯のなさに、ここでもイラっとさせられる。
さらに後半。
信じていた瑠璃の裏切り。
結局瑠璃は何をしたかったんだろう?
仕事の腕は確かでも、無知の美咲を騙すような行動は個人的には受け付けない。
それでも、最後はハッピーエンドだったから、ま、いっか、って言うのが感想。
この作者の優しい感じの作品が好きだっただけに、今作はかなり裏切られた感じがする。
決して悪い話ではないんだけど、悪意のある人の比率が多いと、やっぱり読んでいて辛くなる。
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京都の人ってそうなの⁈ってくらい偏見が残ります。京都の人の言葉って他県の人が読み取るのが難しいと聞いた事がありますが、やっぱりそうなのかと勉強になりました。
藤岡陽子さんの作品はどれも面白いのですが、こちらの作品は読了感がいつもと違うので星3です。
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藤岡さんの小説は大好きですが本書もやはり…好き。
婚約を機に仕事を辞め婚約者の実家のある京都へ…が、思いもよらぬ京都のしきたり、家業を継いだ婚約者の変貌、何の為に好きな仕事を辞め京都へ来たのか、戸惑う十川美咲32歳。
東京で仕事をしている頃には持てなかった【時間】を手にした彼女が元々好きであった物作りへの衝動に駆られミシンを動かし始めたところから美咲の人生が大きく変わって行く。
自分は何がしたいのか、どうやって生きていきたいのか、事あるごとに立ち止まりながら、臆病になりながらも自分の気持ちと向き合い一歩一歩自分の足で人生を歩き始める…そんな美咲の人生から目が離せませんでした。
誰だって傷付きたくない、傷つく事は怖い、自分に自信が無くて臆病で決断が出来なくて自分には無理…と始める前に引いてしまう…美咲のそんな心の揺れが手に取るように分かる。
何か大きな新しい事を始めるのは想像以上に心の体力とエネルギー、覚悟と本気が必要だ。
そして時に才能、技術、資金も…。
それらの葛藤を抱えながら必死に動こうとする美咲の人生に気付いたらのめり込んでました。
運を良くしたいなら人に信用される事。
動かないと何も始まらない。
過去は変えられない、時間も戻らない、ならば今しかない、今をどう生きるか。
自信を持つ、自分を信じる、今の気持ちをまっすぐに口に出来る人間になりたい。
これらはとても印象に残った言葉たち。
そう、動かないと始まらない!
「考えるより動く」…が大事な時がある。考えると怖くて面倒で動けなくなるから。
そんな時はまず動く…動いたエネルギーでその先が変わるかもしれない…動いた事で人生が追いかけてきてくれる事もある。
慎重になる事も大事!でも自分の気持ちをきちんと口にし、気持ちに正直に動く事が人生を大きく変えてくれる事もある…美咲のように。
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運がいいことは、偶然どこかからやってくるのではなくて、人との縁、そして、その縁は人から信頼される人でなければ繋がることはない。夢を叶えるために前を向き、懸命に挑戦する主人公に何度も励まされた。