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序章 普門円通と「仏教天文学」
忘れられた「仏教天文学」
円通と梵暦――「仏教天文学」と「近代仏教」
梵暦研究の可能性と方法
第一章 震撼する世界
――一九世紀の日本における世界記述をめぐる言説
はじめに
地動説の導入――司馬江漢『和蘭天説』
神秘なき世界――山片蟠桃『夢ノ代』
世界の中心としての日本――佐藤信淵『天柱記』
幻想の実体化――普門円通『仏国暦象編』
第二章 「起源/本質」の探究と普遍主義のディスクール
――普門円通『仏国暦象編』を読む
普門円通と『仏国暦象編』
暦原(第一)――暦法の起源
天体(第二)――仏教の宇宙論
地形(第三)――須弥界の地形
暦法(第四)――仏教天文学
眼智(第五)――慮知と実智
『仏国暦象編』と近代仏教のディスクール
第三章 創られた伝統としての「須弥界」
――近代的世界記述と「仏教」
「須弥界」の成立と「近代」
近代的世界記述と仏教の世界像――文雄と円通
普門円通の梵暦研究と「須弥山儀」
須弥山儀の構成――「須弥山儀」と「縮象儀」
創られた伝統としての「須弥界」――近代的世界記述と「仏教」
第四章 忘れられた「仏教天文学」
――梵暦運動と「近代」
はじめに
梵暦社と梵暦運動
同四時派と異四時派――梵暦運動の二面性
新理論の展開――仏教天文学を目指して
梵暦運動の解体と「近代」
第五章 須弥山の行方――近代仏教の言説空間
近代仏教と須弥山説
佐田介石の視実等象論――視象と実象
井上円了の妖怪学――仮怪と真怪
木村泰賢と原始仏教主義――テキストのなかの世界
清沢満之と精神主義――客観的知識と主観的真理
須弥山の行方――近代仏教の言説空間
終章 近代日本思想史と梵暦運動
――近代的自然観と宗教言説
梵暦運動と「近代」――近代日本の宗教言説と須弥山説
言説史的アプローチの可能性と近代日本思想史
あとがき
現代版梵暦蒐書目録
引用・参考文献一覧
文庫版あとがき