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音楽をテーマにしてるお話は
あまり好きじゃない
クラシックならあの曲ってわかるから
それはどちらかというと好き
とにかく
この曲ってわからないやつは
その音楽がどれだけいいかとか
わかんないから好きじゃない
想像力ないだけなんだが
なのであまり期待せずに読んだ
グッときた
いろいろ思い出したり
未来に思いを馳せたり
胸にくるものがあった
音楽に限らず
何かを諦めて今を生きてるのは
多少なりとも
誰にでもあるんじゃないか
己の人生にも
あったようななかったような
40代なかばのおっさんにむかって
おっさんの叔父さんのおっさんが
「これからの人生の方が長いかもしれないぞ」
って言うとこ
願わくば自分もそうでありたいと思った
星は4つでもいいかなと思ったけど
連作短編の中に
ここはゆるいかなぁという話もあったので
いや連作短編なのは
この話にとてもあうけど
なんだかんだで
星は3つ
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デビューして10年。
シンガーソングライターとして先細りで遂にぞ音楽活動をやめると決意した染谷達也。
最後に残した『夢のうた』が登場人物達のもとに届き、広がっていく物語。
音楽とは何なのか。ただ、その時に好きな音を消費しているだけなのか。
いろいろなことを思うかもしれませんが、作中の音楽こそきっと素敵な音楽なんだろうなと思える作品です。
ずっと全盛期なんていう音楽アーティストなんているのか?というと、おそらくそんなことはないのは、私が生きてきた中で知っています。
学生時代に聴いていたあのアーティストの曲やヒット曲に一世を風靡したバンド。
今でも好きですが、今じゃあ人気があるのか?というと人気という意味での絶頂期は過ぎています。
そういう意味では、音楽とはコンビニのペットボトルを買うように消費されていくものなのかもなぁと思います。
一方で、新しいアーティストが出てきていろんな曲を聴いて良いなと思う曲があっても、学生時代に聴いた曲は色褪せていない。
それは時に聴いた時の曲との思い出があるからかもしれません。
苦しかった時、あの人に恋をしていた時、うまくいって楽しかった時、その時側には音楽があったなぁと。
そんな音楽は色褪せないものだよなぁ、確かにと思いました。
そして、過去にあったことは変えられない。
それは良い思い出であっても悪い思い出であっても。
だから未来を進むんだ!
というのではなく、今の自分は間違いなくあの頃の自分がいたからこそなんだと思いました。
昔思い描いていた自分とは違うかもしれない。
でも、過去の自分は間違いなく自分だし、その過去にやった些細なことかもしれないことが人を救うことだってあるかもしれない。
と、堅苦しい感想になりましたが、『夢のうた』が波紋のように広がっていくのも面白かったし、読みながらただただ素敵だなと思えた作品です。
『夢のうた』のように広がっていってほしいなと思いました。
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作者さんが元バンドマン(昨年解散)の作詞を担当していたということで、Xに流れてくるレビューが元々のバンドのファンの方が多い印象だったし、本の宣伝でTV出演もされていたしで、あまり期待していなかった。
だってファンって、その人自身が好きだからその人がなにをやってても、最高!凄くよかった!って盲目的に絶賛する傾向にあるでしょう?バンドのファン以外の人のレビューが読みたかったけど全然ないし。TVの宣伝もバンドをやっていたからコネとか。なにかしらあるよねーって思ったりして、あまり本当の読書好きさんからは注目されてないのかなって。きっと表現とか構成があんまりなのかなーって。
でも私自身が音楽をやっていたし、歌が好きだし、とにかく音楽がテーマの小説ということが気になりすぎて読んでみようと手に取った。
結果。読む前までのマイナスのイメージが一気に吹き飛んで夢中で読んだ。ネガティブな思い込みを持っていたことに申し訳なく思った。
物語の世界にあっという間に引き込まれて一気に読んでしまった。こんなに綺麗な物語だと思っていなかった。ところどころに出てくる歌詞がまた涙をさそう。
紡いでいる言葉の一つ一つも、ストーリーも、全てが美しくて、まるで本自体がひとつの歌のようだった。しっとりはじまり、綺麗なメロディが流れ、サビが来て盛り上がって、転調して、音と音が重なり、より一層壮大な音楽が奏でられ、気持ちの良いまま曲がおわる。まさにそんな感じだった。読了後もずっとこの「うた」の余韻に浸っていたいし、リピート再生したくなった。
ひとついうなら、某小説家さんの、ひとつの小説が5人の登場人物を救っていく物語となんとなーく、似てたかな。でも全然同じではないし、この本は、後半に行くにつれての盛り上がりがすごくよかった。
この本はもっと売れてもいいんじゃないかな。なんであまり書店に置いてないんだろう。有名な作家さんじゃないから?この方の物語はもっともっと世に広がっていくと思う。