- 販売開始日: 2018/02/23
- 出版社: 小学館
- レーベル: ビッグコミックススペシャル
- ISBN:978-4-09-176205-4
藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>5 メフィスト惨歌
著者 藤子・F・不二雄
巨匠、藤子・F・不二雄が遺した数々のSF短編すべてを、単行本未収録作品も含め年代別に完全収録し、愛蔵版単行本として刊行。全8巻・112話におよぶ珠玉の名作集。SF=Suk...
藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>5 メフィスト惨歌
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商品説明
巨匠、藤子・F・不二雄が遺した数々のSF短編すべてを、単行本未収録作品も含め年代別に完全収録し、愛蔵版単行本として刊行。全8巻・112話におよぶ珠玉の名作集。
SF=SukoshiFushigi。上記の表題作「メフィスト惨歌」をはじめ、パラレルワールドをテーマにした「ぼくの悪行」「ふたりぼっち」、突然3億年分の進化を始め、人間を上回る科学力を身につけたゴキブリたちのコミカルな話「うちの石炭記」、ウイルスにより人類全てが吸血鬼化していく「流血鬼」、輪廻転生を扱った「影男」、宇宙を舞台にした「ベソとこたつと宇宙船」「宇宙船製造法」、亡くなった人への思いを優しい眼差しで描いた「山寺グラフィティ」など、色々なタイプのSF短編作品全11話を収録した『藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版』の第5集。これまでの1~4集は大人向けの作品が大部分をしめていたが、本巻は比較的、読者の対象年齢を下げて描かれたと思われるユーモラスな作品が多い。ひと味違う藤子・F・不二雄の世界が楽しめる決定版!
友人に裏切られ、失業し、恋人にも捨てられた、まったくついていない男・高木健。そんな彼の前に、この数十年間、契約が取れないというさえない悪魔・メフィストが突然現れた。メフィストは「魂と引き換えに、望みをかなえる」というお決まりの約束で、なんとか高木と契約を交わすが…(第11話)。
目次
第1話 並平家の一日
第2話 ぼくの悪行
第3話 うちの石炭記
第4話 流血鬼
第5話 ベソとこたつと宇宙船
第6話 ふたりぼっち
第7話 影男
第8話 宇宙船製造法
第9話 山寺グラフィティ
第10話 マイ・ロボット
第11話 メフィスト惨歌
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『ミステリー・ゾーン』好きの私としては、たまらない一冊です。
2010/07/27 22:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
リチャード・マシスンの『地球最後の男』に触発されて藤子・F・不二雄が描いた『流血鬼』というマンガがあると聞き、それを所収している本書を手にした次第です。
『地球最後の男』は『オメガマン』や『アイ・アム・レジェンド』など過去に幾度も映画化されていますが、そのどれもがマシスンの原作の意図していることを正しく伝えていないということで知られている作品です。藤子・F・不二雄がその作品をどうマンガ化しているのかと興味津々でした。
結論から言えば、『流血鬼』はマシスンの『地球最後の男』の意図を初めて忠実に視覚化した作品といえるでしょう。
地球を覆った新種の吸血鬼ウイルスをマチスン・ウイルスと呼ぶところなどは原作への過剰な敬意ともいえるもので、正直なところ苦笑しないでもありませんが、過去の映画化作品がどれも平凡な吸血鬼ホラーに堕していたのに比べ、『流血鬼』はマシスンが訴えた<あなたの存在は相対的なものでしかない>という底冷えのする恐怖をきちんと伝えています。
その他、本書収録の11作品はどれもが、マシスンがメイン・ライターとして名を連ねていたTVドラマシリーズ『ミステリー・ゾーン』が得意とした“次元のずれ”が生むホラー短編作品です。
殊に私が気に入ったのは『宇宙船製造法』。遠い宇宙の果ての惑星に難破した宇宙船の若き乗組員たちがサバイバルをかけた仲間割れ闘争に陥っていく様を描いていますが、その結末は私の予想を上回るものでした。私はてっきり、手にした権力によって人間が自壊していく様を描くのかと思っていました。事実『ミステリー・ゾーン』には『太陽は二つ輝く』というよく似た話があります。しかし『宇宙船製造法』の最終場面で描かれるリーダー志木杜の涙に、私はつぶれなかった人間の優しい強さを感じたのです。そこに藤子・F・不二雄の非凡なオリジナリティを見た思いがします。