紙の本
トランプが選ばれる理由
2016/11/12 16:58
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投稿者:猫目太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大統領選の結果を見て、愕然としていた。「なんでトランプが大統領に!」と思ったが、本書を読んで「こりゃ選ばれる」と納得。どこの国も他国より、自分の生活を良くしてくれる政治家を選ぶ。だが共和党は、そんな支持者の声を無視した政策を50年もやって来た。「気がついたら、自分達は貧乏で、都市部にいる連中(ひと握りだが)が金持ち。公約だった宗教的な政策も無視された」そんな状況に、何んでもありのトランプが出て来た。大企業から献金を受けた共和党候補者や、鼻持ちならないヒラリーより、彼ら彼女らは「ましな大統領」と選んだと思われる。読む限り、サンダースや、ランド・ポール候補も、現在の格差に苦しむ現状を改善する政策だったのだが。本は大統領選前に読みたかった。結果を見て読んでも面白いと思う。
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選挙結果を見た後だと感想も異なる。
2016/11/14 15:46
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさかと思っていたが、トランプ勝利。町山氏はトランプが敗北すると予想して執筆したのだろうが、選挙後に読んで見ると、トランプ賛美ともとれる記述に気がついた。正直これからの国際政治は不透明だが、停滞だけは無さそうなので、変革が良い方向に進むことに期待したい。
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【まさかのトランプ勝利。ふりかえりと展望を助ける一冊】
トランプ氏が米大統領選に勝利しました。何だかんだ言っても暴言だらけの不動産王が勝つと思っていなかった人々と世界は、平静を装いつつも戸惑いの中にあるようです。
著者の町山氏は、アメリカ大統領選前から予備選、本選前までを、現地コラムニストの視点で解説します。選挙戦の各シーンを、米国の歴史や政治背景、政党・政治家の主義主張や有権者感情などを絡めながら、簡潔にポイントをおさえて論じています。また、根拠となる統計データも適度に明示されます。
時系列の各トピックはどれも明快です。雑誌用エッセイのため語り口もわかりやすく、大統領戦のオモテとウラで何が起きていたのかがよく理解できました。
トランプが民主党はおろか共和党さえも打ち倒したこと。支持者ターゲットを白人中高年ブルーワーカーに絞っていたこと。ヒラリーのマスコミ嫌い。サイレント・マジョリティの真の意味。トランプの暴言スタイルも作られたものであり、モデル政治家がいたこと。FOXニュースの敗北、などなど。
読み通して「あのトランプをなぜ多くの米国民が支持しているのか」といった以前からの謎が幾分か解けました。と共に、ポピュリズムで選ばれた大統領が、数々の突き抜け過ぎた公約をリップサービスでなく実現してしまうのか?はたまた、公約は選挙戦のための口約束として、現実路線に舵を切るのか?新たな疑問も湧いてきます。
ただ、共和党は未来永劫大統領選には勝てないだろうとする著者の読み(または期待?)は外れ、「さらば白人国家」のタイトルも、トランプの政策からすれば行く末が怪しくなってきました。白人比率は減っていくのかもしれませんが、労働者階級についてはこれまで以上に優遇する可能性も十分あります。
イギリスEU脱退に続き、世界が“誰も先の読めない”フェーズに入りつつあることを感じさせる一冊です。
今回のトランプ旋風を新聞やネットとは違った視点で見つめたい方には、ご一読をおすすめします。
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町山智浩のアメリカ政治コラム集の最新版。主役はもちろんトランプ氏。共和党の凋落は共和党支持者の9割にのぼる白人高齢者の人口減によるもので、共和党でもなんでもない外様トランプが、共和党の綱領に反する政策をぶちあげ、移民への怨嗟をあおって喝采をあび、共和党主流派の他の候補者を駆逐して大統領選の候補になるのは、共和党の事実上の崩壊を意味するのだ。惜しむらくは、前作よりも政治コラムに偏りすぎて話のバラエティが乏しいのと、トランプ登場が本作の後半なので、それまでがあまり馴染みのない人の話ばかりなこと。
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図書館で予約して借りた。
アメリカ合衆国の大統領選挙では、町山智浩もまた、最後の最後まで、様々なデータを提示して、ヒラリーの勝利を断言し、大ハズレした1人である。
でも、彼の本はいつも面白いよ。
オルト右翼の記述なんて、彼が一番上手に描写してる。
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トランプ大統領が選ばれるまでの背景が、この1冊で恐らく理解できると思います。
雑誌等へのコラムを中心に時系列にまとめたものなので、1回あたりのテーマがコンパクトでとても読みやすいです。
著者はアメリカ在住の映画評論家です。他にも同様の書籍を出していますが、本当に氏の著書だけでアメリカ現代史を理解するのは十分ではないかと思ってしまいます。
私の勉強不足は多々ありますが、それを程良く補ってくれた感じです。
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びっくりしました。アメリカの政党政治と司法の仕組み、社会の歴史等を現場でのルポを交えて臨場感たっぷり、分かりやすい言葉で解説してくれている「いまアメリカで何が起きているのか?」をやさしく知るための超・良書。
著者のことは、映画評論家で、アメリカ社会を流行語などで切り取ったルポ的な著作を多く出されている方としてお名前は知っていたものの著者を1冊読んだのは初めてでしたが、すばらしい内容。他の著作も読んでみたくなりました。
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大統領選でのまさかのトランプの勝利。アメリカで何が起こっているの?!という疑問を解き明かしてくれる本でした。
以下は備忘録です。(ブクログの引用機能が使いづらいので。笑)
・トランプ支持者の平均像は、夫婦で年収7万ドル台中流、中高年の高卒の白人。(8割以上が中高年。大卒率はわずか19%)
・不法移民による暴力犯罪は多いのか?1990〜2013にかけて350万人から1100万人へと3倍に増加している。アメリカの暴力犯罪件数は現在も減り続けている。
・マーケティングのプロであるトランプは的確にサイレントマジョリティのニーズをつかみ、彼らを共和党から奪い取った。
・1980に、人口の8割を占めた白人は、現在は62%にすぎない。2043年には白人が全人口の半分を切り、マイノリティに転落する。その恐怖が人種差別的なトランプへの支持につながっている。
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クーリエ・ジャポン掲載時から好きだったコラムを一気読みできてなんたる充実感!(発売されてたの知らなくて読むの遅くなってしまった~)
町山氏は漠然としたお国や政党批判じゃなくて政治家の個人名を挙げた上でその発言や来歴を紹介して説明してくれるので、なんというか掴みやすいんだなぁ。
トランプが大統領になることはないだろうという見通しで終わってはいるものの、何故そういえるのか、トランプが如何に共和党のアウトサイダーなのかがよく分かって勉強になった気持ち。
しかしキリスト教徒じゃなく同性婚も中絶もそれこそ個人の自由でしょという感覚の私からすると、共和党って…必要なんですかね…いっそ無くなった方が良い国になるんじゃ…なんて思ってしまいますね。
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ノリツッコミが面白い。アメリカの近代政治史が分かりやすく書いてある。
★白人人口が減り続けている。1980年には人口の8割いたが2043年には全人口の半数を切る。
★上院議員より大きな力を持つ「ヘリテージ財団とハドソン研究所」
★最高裁判事は終身で大統領でも更迭することができない。誰かが死ぬか引退した時しか任命できない。
★学校給食を運営できず、コカコーラやピザハットが格安で商品を提供している。
★貧乏人ほど肥満で栄養失調。野菜を売ってる店がない上(フードデザート)に、価格が高い(政府から野菜農家への補助金は1%しかでない)
★自由の女神の足元には「疲れた者たち、貧しい者たち、自由の空気を求めてひしめく者たち、岸辺で拒まれた哀れな者たちを私に送りなさい。家もなく、嵐に打たれた者たちを、ここに来させなさい。」と書かれている。
★投票時に現大統領の支持率が5割を超えていたら同じ政党の候補者が勝つ場合がほとんど。
★トランプはプロレスラーの悪役と同じで、反則すればするほど人気が出るように、暴言すればするほど支持率が上がる。
★アンドリュー ジャクソン大統領がAll Correct(全て正しい)を頭文字をOKと間違えたのが始りという伝説がある
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最高裁判事は終身だから大統領でも更迭することができない。
ジェブブッシュは優秀だが、もうブッシュ家が大統領やることにはみんなが嫌がっていた。
サンダースはニューヨーク生まれだが、両親はユダヤ系移民でポーランドに残った父の一族はホロコーストの犠牲になった。
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2015-2016夏頃までのアメリカ、主に共和党の予備選でのトランプの躍進とその背景について。
リアルタイムのエッセイなので、当時トランプがどのように人気が出て、他の候補を圧倒していったかが伺える。
またアメリカの過去の大統領を引き合いに出して、ポピュリズムが過去にどのように発生したか、過去の大統領が如何に同様に酷かったかという話も面白い。