読割 50
電子書籍
黴 爛
著者 徳田秋声
明治四四年、夏目漱石の推挙で「東京朝日新聞」に連載し、自身の結婚生活や師・尾崎紅葉との関係等を徹底した現実主義で描き、自然主義文学を確立、同時に第一級の私小説としても傑作...
黴 爛
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
黴|爛 (講談社文芸文庫)
商品説明
明治四四年、夏目漱石の推挙で「東京朝日新聞」に連載し、自身の結婚生活や師・尾崎紅葉との関係等を徹底した現実主義で描き、自然主義文学を確立、同時に第一級の私小説としても傑作と謳われる「黴」。翌々年発表の「爛」では、元遊女の愛と運命を純粋客観の目で辿り、文名を確立する。川端康成に「日本の小説は源氏にはじまって西鶴に飛び、西鶴から秋声に飛ぶ」と言わしめた秋声の、真骨頂二篇。
目次
- 黴
- 爛
- 解説 宗像和重
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
黴/爛
2021/07/08 16:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自然主義文学の傑作。
一作目は家事手伝いに来た女性に手をつけ、中絶させるとから里子に出すとかいっていたはずが、女に言われるがままにずるずると出産・育児を始めてしまい、生活の為に引越しや仕事などに追われるようになったり、育児をめぐって対立したりする。
二作目は本妻から男を奪った女が、別れさせた本妻を想像して苦しんだり、家事手伝いをさせている若い女に嫉妬したり、それとは別に男がよそに作った女を想像して苦しんだりする。
「因果応報」という言葉がぴったり来るような話だが、そう単純に切り捨てる事ができないような、感情の揺らぎのようなものが起こる。なじみの女に飽きたら別の女を作る、という話でも対面や世間体のようなものがかかわってくるとすごく面白い。
紙の本
それにしても明治・大正の小説に出てくる男はみんな女にだらしがない
2019/01/27 19:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「徳田秋声は田山花袋と並ぶ自然主義文学の代表的存在である」ということはよく知られていても、では自然主義文学とは何なのか、というとよくわからなった。ところが、田山花袋の「蒲団」を読んでみてなるほどと思った。愛しい片思いの相手が寝ていた蒲団を抱いてさめざめと泣くことを描く、つまり、かっこつけないありのままの自分を描くことということらしい。黴と爛に登場する、笹村と浅井も、まったく格好良くない、優柔不断で女にだらしのない男たちだ。笹村は、妻・お銀の前の色男のことが気になって仕様がない。息子がその男の御子供ではないかとすら思っている。浅井は苦労した時代に世話になった妻をぼろ雑巾を扱うように捨ててしまうひどい男だ、包み隠さず、すべてを描くことがこの当時のはやりだったのだろう