
3000人以上の若者の人生を変えたメソッドを体験!自分だけの天才性を見つける2時間
変化の時代においては、「自分には何ができるのか」「どちらの方向に進めばいいのか?」といった悩みは誰でも一度は持ちますよね。著者は、天才性は誰にでもあり、それを発見して活かしていくことが大事と説きます。とはいえ、本を一人で読んで自分自身のことを客観的に理解するのは難しいですよね。『自分だけの才能の見つけ方 』をテーマ本として取り上げ、山口揚平氏とともに、自分自身の天才性に対して気づきを得るオンラインペアドクイベントを行いました。オンライン上に約70名の参加者が集まりました。
ペアドクとは?
ペアドクとは、30分で読んで30分で感想をシェアするペア読書から発展したイベント/サービスです。ペアドクのイベントは、その場で著者の話を聞くだけでなく、その場で本を読んで参加者と語り著者や編集者に質問できるのが特徴です。準備不要なお手軽さもありつつ、本のメッセージを自分ごとにして明日からの第一歩を踏み出しやすくしています。
イベントの流れ
当日は、見出しが気になる章を読んで、自分だけの天才性についての気づきをメモしてもらいました。そのメモを元にグループ対話を行いました。当日の参加方法は、参加者同士の対話を行い質疑応答は視聴する「対話枠」と、アウトプットは主にテキストで質疑応答は視聴する「視聴枠」を用意しました。本レポートでは、著者ライブメッセージと質疑応答の部分の様子を抜粋してお伝えしていきます。

山口さん登場!ライブメッセージ

私の専門は貨幣や哲学といった「お金とはなにか?」というところからはじまり、社会のシステムや環境科学を変えてゆくことです。あとは事業投資やビジネスキャリアについても、いくつか本を書いています。ですから、この分野の専門ではありません。もともとこの「ジーニアス・ファインダー」は、私の兄が中心となって進めてきたプロジェクトを、難病で亡くなった兄に代わって弟の自分がとりまとめるかたちで進めました。兄が約10年間で3800人の若者と対話をしてきたものを形にしようというものです。
今の若者は、悩んでいるというよりも「知識・体験・経験・お金がない」とか、そういう(悩む)以前の状況にあると思っています。知識を与える以前に「自分とはなにか?」とかアイデンティティが確立していないぞ、と。これは、毒親が多いことが背景にあります。
僕は戦後第3代目、そして今の20歳ぐらいが第4代目です。第3代目の親って、第2代目の親と違って、上り調子じゃないので。そもそも、その家庭が安定していなかったりするんです。で、その家庭環境の中で、半分ぐらいの若者が「HSP」になっていきます。HSPというのは「ハイリー・センシティブ・パーソン」です。親の影響で感覚過敏になっていて、なんらかのトラウマがあります。それは意外に社会で一般化されていません。人の心の中にあるものなので、犯罪とかそういうかたちで表出しないと出てこないんだな、と思うんですけど。第3世代は親がシングルになったり、いざこざがあったりとか。不倫経験がある親が、全体の3分の1に日本でもなっていた時期です。親子関係に何らかの課題があり、その影響で半分が感覚過敏になっている状況なのです。
一方で読者のみなさんは、ちょっと違う世界がたぶん広がっています。今の20歳ぐらいの「Z世代」というやつは、7階層ぐらいに分かれちゃってるんですね。今の話は皆さんが出会っていない層の話だと思います。30~40歳だと5階層ぐらいで、当時でも一番上と一番下は絶対につながらなかった。階層がさらに多くなり、階層ごとの壁が分厚くなっている。こんな背景から、逃げ場がない若者たちにトラウマという“トゲ”が刺さっていったわけです。兄が10年間コミットしてきたのは、まさにこの“トゲ抜き”というところなんです。自分が持っている固定観念とか、自分に対する誤った・偏った評価みたいなものがあって。そこからまず解放されなければ、知識も何も入って来ません。「(自分は)なんでそういう考え方になったのか?」ということを、記憶を整理して……これを「知覚が自由になる」と言います。知覚というのはパーセプションです。知覚が自由だと、天才性も発揮できるようになります。「知覚が自由じゃない」状態とは、常識とか社会常識とか固定観念というものが、がっつり固まってしまっている状況なんです。「自由に発想できなくなってる」とか「イノベーションが起こらなくなってる」といったことは「じゃあ、イノベーションを起こそう」という話じゃなくて、個人個人がかなり“目詰まり”を起こしているんだなと思っています。
では、次に天才性とは何か?を説明します。類似したものに、「強み」があります。「強み」というのは、他者との相対的な比較の中で「こっち側に寄ったほうがいいんじゃないの? こっち側にいったほうがいいんじゃないの?」という“パズルの位置”です。パズルの中における“自分というピースの位置づけ”を最適化しようということですよね。一方で、「天才性」は、アイデンティティそのものです。「絶対的」というと、ちょっと語弊があるんですけど、私というものが知覚するもの、パーセプション、あるいは認知するもの。「純粋に知覚したり認知するもの」というのがあって、認知するから、導かれていくというのがジーニアス・ファインダーの考え方です。例えば、難しい資格の試験とか、世界一周とか、事業を作ったり、劇団経営したり、本を書いたり。そうすると見えてくるのは、「相手やマーケットと、自分の距離感」なんです。マンツーマンが得意、講演で話すのが得意、等ですね。自分がどういう位置関係でいると心地よくて、他人には到達しづらい部分というのが見えてくる。それはいろんなこと試したり、いろんなフィードバックの中で明確になっていくのです。
それを見つけるのがジーニアス・ファインダーです。その一つ目のポイントが知覚や認知のバイアスを取る“トゲ抜き”です。「その考え方を受け入れられないな」とか「私はそれが嫌いだ」とか「私はそれが好きだ」というのは、天才性には該当しません。それよりは、「なんでそれを嫌いになったんだっけ?」とか「こういうタイプがあまり好きじゃないけど、それはなんでだっけ?」と振り返って、記憶と固定観念の“目詰まり”をとることが大事なんです。
僕も非常に荒れた小・中学校とか通っていましたから「授業を壊すやつはどうなんだろう?」と思っていましたが、今思うと、相手の文脈ってあるわけです。「両親が離婚されていて、生活が大変だったんだなぁ」とか、グレるならグレるなりの理由があって。それはやっぱり小学校とか中学校では、知覚しえないところがあったりするわけです。大人になると、その背景がわかったりするわけですね。「そうだよな、しょうがないよな」と思ったりもします。そんなわけで、過去の認知をひっくり返していくことで、かなり自由になりますよということ、そして目詰まりがなくなると、純粋に自分の知覚がフラフラと寄っていくところというのが見えてくるよ、というのがジーニアス・ファインダーの主題です。
天才性に基づくと、生活と仕事が定まってきます。僕の場合は動きながらじゃないと仕事ができない。散歩しながらとか、歩きながら移動しながらでないとできません。皆さんが、天才性が発揮できる環境や、生活を考察していければよいなと思い、この本を書きました。
山口さんとの質疑応答!
ジーニアスファインダーの特徴は?
質問者:自己分析には、才能プロファイリング、強み発掘などのさまざまな手法があります。ジーニアスファインダーの特徴を教えていただけますか?
山口氏:そうですね。他の解析ツールは、“トゲ抜き”という概念がないので、今の時点での自己評価になりがちですね。バイアスを洗い流しをしてから、ピュアに自己評価をしたほうがよいです。あとは、接続ですね。自分のジーニアスポジションから、どうやって仕事や生活などの物理的な世界に接続していくか?を考えるということに重きを置いています。それが、同調圧力の強い日本の中で幸せに生きるコツと思っています。
トゲが溶けたか?をどう分かればよいか?
質問者:最近、トゲ抜きをしました。そのトゲは確かに幼少期から持っていたものなのですが、大人になってある事件が起きたことでやっと気づいたものです。リフレクションや友達からの声がけで楽になりましたが、トゲが溶けたのかわかりません。気づくだけでも大きい気はしますが、もう1歩進むためになにが必要だと思いますか。
山口氏:トゲ抜きは、やはり3ヶ月から6ヶ月ぐらいセッションしないと、なかなか出来ないとは思います。「今の状態から心を整える」というのが、ヨガとかマインドフルネスだとするならば「過去の状態から整えていく」というのが、このジーニアス・ファインダーのトゲ抜きと言えるかと思います。
「どこまでトゲが抜けたのか?」というのは程度論だと思いますので、気にする必要がありません。「抜けてないな」って気がついたのもいいかもしれないとは思いますよ。
質問者さんに関して言うと、まず自分の限界もあるのでワークショップとか、プロのメンターと一緒に話しながらやると、自分の中にある溜まっているものが出てきたりしますから。自分で気がつかないものだったら、そういうふうにやったほうがいいかなと思います。
フィジカルフィットネスは一般化していると思うのですが、それと同様に、「メンタルデトックス」とか「メンタルフィットネス」が、これから増えていくと思うんです。フィジカルフィットネスにパーソナルジムとかあるように、メンタルフィットネスにもパーソナルメンターがいて。「こういうことがあって、こういうふうに感じて、こういうほうに知覚したんだよね」「あぁ、そっか。そのパターンですね」というのを、リフレクションする形は増えてくるんじゃないかなと。
得意じゃない領域とどう付き合えばよいか?
質問者:自然と意識が向く方向、向かない方向を理解できてきましたが、得意じゃない、意識が向かない方向とはどう付き合えばよいですか?
山口氏:グッドクエッションですね。このジーニアス・ファインダーは、隠された裏側の事情がありまして、実は教育論から来ているんです。どういうことかというと、国語、算数、理科、社会というのは「そこを伸ばせばいい」という文脈です。
得意なやり方が誰にでもあるんです。『ドラゴン桜』じゃないですけれども。別に東大合格だって、いろんなやり方があるわけで。向いてないことも含めて、この国語、算数、理科、社会というのを埋めていく。意識の動かせる方向性を増やしていくことですね。これが学ぶということだと思っています。
なので、自分の得意な意識の……僕だったら「非常に概念的な処理が得意な領域」があるんですけど。じゃあそれが、それぞれの領域でどういうメリットがあるの? というのが、本の中に書いてあったと思うんですね。例えば概念的になにかを描くのが得意な人って、それを現実化する力がやっぱり強いんですよ。人の気持ちを知覚できる人というのは、やっぱりオキシトシンが出るというか、幸せなんです。
でもやっぱり僕は“下の泥んこ遊び”をしなきゃいけないというか、理科の領域で風を感じたりとか、水の中でああやって泳いだりとか、そういうことをしないといけないとも思っています。本質的なエネルギーって、そこからしか入ってこないからです。
エネルギーというのは下からしか入ってこない。上からは絶対来ないというわけで。自分が向いてない方向というのを理解できるというところが“ミソ”かなと思っていて。ギブアップしないように、少しずつ少しずつ、向いてない側にもチャプチャプと入っていくというところが。挫折しないように、とにかく続けることが大事です。国語・算数・理科・社会それぞれを、ほんの少しずつできる範囲でやるという。
天才性に忠実に生きても、社会に役立たないのでは?
質問者:多くの人が自分の天才性に忠実に生きると、社会がよくなるのでしょうか? 自分の天才性がわかってきたような気がしますが『社会に役立たないと価値がない』と思うと実行に踏み切れません。
山口氏:人間というのは「社会的存在」であると同時に「個人的存在」でもあるんですよね。同時に存在しているという理解をしたほうがよいと思います。「社会のために」と言っていて、自分がハッピーじゃない人って、やっぱりいるんですけども。そういう人は、一番信用しちゃいけない(笑)。
みんなが自分の偏見にとらわれず、固定観念を減らしていって、自由に暮らしていくということで、社会がハッピーになります。ハッピーな人が増えれば当然、ハッピーな社会になりますので。ただ「個人がたくさん集まるから社会」ということでもないし「社会を分断すると個人になる」というわけでもないんです。同時並行で存在している。足したり引いたりするものではないんですね、社会って。
自分1人がハッピーであれば、社会の中はそれで「プラス1」でしょ。もし、誰かの役に立とうとしていても、自分が苦しかったら、プラスマイナスゼロなんですよ。「役に立たないから何?」という感じです。
イベント満足度は91.5%!

参加者のアンケートでの満足度は91.5%(フル参加:91.3%、視聴枠:91.9%)でした!一部の感想を抜粋してご紹介しますね。本を読んで自己分析する盛り盛りの内容の為、戸惑う方もいらっしゃいましたが、おおむね満足頂きました!
30分という短い時間で読み込むことができ、アウトプットまでできて、一人で読む何倍も学びがあったからです。
知らない方と本の感想をシェアすることは初めてだったのですが、新しい気づきを得られて楽しかったです!
質疑応答が難しかった。コンテンツと「とげぬき」が非常にユニークだった。
著者の山口さんのお話を直接伺えたこと、初対面の方と本の内容について話し合えたこと
zoomに慣れていないのとイベント初参加で様子見の部分があり戸惑うことが多かったが、今日参加したことでなんとなく感覚がつかめました。
ペアドクは、「本」を主語とせずに、「自分と他者の関係」を主語にするという意味で、本書の未来の産業を選ぼうでいうところのコミュニティやピアバリューと近いところがあると思いました。皆さんも、本が真ん中にあるからこそ、思ったよりは他者と話せたという実感があったのではないでしょうか。対話の結果、「めっちゃ共感する~」という方もいると思いますが、「価値観合わないな」という方もいると思います。どちらの場合も、他者を鏡として自分・他者を知るきっかけにはなっていると思います。その価値を感じてもらえたら、このイベントは成功かなと思っています。今後も、多種多様なテーマで月1回程度開催していきます。是非、ご参加ください。