ペアドクイベントレポート

ベストセラー哲学書作家と実践! 明日からの人生に役立つ地上最強の哲学活用法

オンライン 2021.7.30

今回のペアドクイベントのテーマは、「体験の哲学」

自分の知ってるものだけと接して、新しいものはよく分からないから嫌と避ける。
そしてやってくるこの言葉「最近退屈~、なんか面白いことないかな……」。

コロナ禍で行動が制限されている中では、このようなことを思ってしまう方も少なくないのでは?この状態を「哲学的ゾンビ」と著者は言います。世界には未体験が溢れています。著者・参加者(約80名)と体験を意識して味わうことの大事さを知り、明日からの人生に役立てるオンラインペアドクイベントを行いました。

ペアドクとは?

ペアドクとは、30分で読んで30分で感想をシェアするペア読書から発展したイベント/サービスです。ペアドクのイベントは、その場で著者の話を聞くだけでなく、その場で本を読んで参加者と語り著者や編集者に質問できるのが特徴です。準備不要なお手軽さもありつつ、本のメッセージを自分ごとにして明日からの第一歩を踏み出しやすくしています。

イベントの流れ

当日は、気になる章を読んでハっとしたことをメモしてもらいつつ、第3章やチェックリストを参考に何か1つ「体験」してもらいました。炭酸水を飲む、腹筋をするなど、普段は何気なく行っていることをじっくり体験してもらいました。それらを元に対話、及び、著者への質疑応答を行いました。著者の飲茶さんは顔出しせずに声だけの参加となりました。本レポートでは、質疑応答の部分の様子を抜粋してお伝えしていきます。

本イベントのテーマ本 体験の哲学 地上最強の人生に役立つ哲学活用法

飲茶さんとの質疑応答!

事前知識があると純粋体験にならないのでは?

質問者:事前に体験の対象(リンゴなど)の歴史や背景を調べてしまうと、その調べた内容に体験が引っ張られることはないでしょうか。事前知識に引っ張られた体験は、純粋経験になるのでしょうか?

飲茶氏:おっしゃる通りですね。最終ゴールは、事前知識に引っ張られないで体験することです。とはいえ、ヒトはなかなかそれをできません。毎日歩いてる道、いつも飲んでいるコーヒー。これらに「当たり前」という先入観を持っています。これも、ある意味で事前知識と言えます。でも、きちんと調べてみたら、たいていの場合、自分の事前知識と違います。そんな背景があったんだ、じゃあ、もう一度、きちんと体験してみようかな、と思うきっかけとして事前知識を使ってもらえればと思っています。例えば、皆さんの家にポスターがあったとしても、いつもは全然きちんと見ていないですよね。でも、世界的アーティストが書いた何億円もするポスターと知ったら、え、マジで?ってなってじっくりポスターみるじゃないですか。そういうことです。

体験チェックリストを埋める行為に慣れてしまうのでは?

質問者:体験チェックリストを埋めていくことで、最初のうちは新鮮さがあったとしても、チェックリストを埋める行為に慣れてしまう気もします。常に厳かに体験するために気を付けるべきことってありますか?

飲茶氏:この本は、哲学的ゾンビの状態から如何に抜け出すか?を説いています。なので、「最初のうちは新鮮さがあったとしても、チェックリストを埋める行為になれてしまった」ことに気づいたら、あれ、哲学的ゾンビになっているのではないか?と振り返ってもらいたい。いまの体験を意識して生きているのか?と。改めて、第一章を読んで、哲学的ゾンビになってしまう恐れを思い出してほしいです。

体験したくない体験をどう扱ったらよいか?

質問者:自分が体験したくない体験(失恋や仕事の失敗)をしたときに何かできることはありますでしょうか。

飲茶氏:何もせずに味わいましょう。いつか、私たちは、病気などで死ぬほど苦しい目にあいます。なので、失恋や仕事の失敗レベルの体験したくない体験に対して、こんな風に気分を落ち着かせましょうといったところで、将来もっと大変なことが起きた時に避けることはできないのです。だから、私たちにできることは、そういう体験もありうると。じゃあ、どう向き合うか?を考えておくことです。失恋や仕事の失敗くらいでその体験から逃げてしまうことはまずいと思いますね。

知識が先か体験が先か

質問者:例えば「芋煮」の経験をしたときに、細かく分ければ味噌や醤油や山形風や仙台風などあると思いますが、その定義は「知っている」という経験に紐づきます。体験が知識を深め、知識が体験を広げると思う一方で、知識がなければ体験もできないのではないかと思います。知識と体験はどちらが先にくるのでしょうか。

飲茶氏:この質問は二つの文脈がありますね。1つ目として、なんらかの知識があったほうが体験の感度は広がります。そのうえで2つ目の文脈として知識と体験はどちらが先に来るかですが、仏教の悟りが目指すのは、明らかに体験が先です。リンゴという知識を知っていると、目の前にある皿にのったものをリンゴと認識できます。ただそうすると、皿の端っこの汚れなどが見えなくなるわけです。知識や言葉がないと世界を把握することができないわけです。仏教では、皿もリンゴも汚れも一緒くたにして、それらを一緒に味わえるようにするのがゴールです。それが西田氏が言う純粋体験です。

併読すると理解が深まる書籍は?

質問者:体験を進めていくうえで、併読するとより深まるオススメの書籍あればお願いします。「善の研究」「メルロ=ポンティ・コレクション」「現象学の理念」は読みました。

飲茶氏:そこまで哲学書を読めるんであれば、仏教書を読んだほうが良いかもしれません。道元の正法眼蔵とか仏教関係の文献をあさってもらえれば、いくらでも出てくる。人生すべて費やせると思う。

優先してやったほうがよい体験はあるか?

質問者:本を読んで純粋体験を多くしたいと思う一方で、時間は有限で全ての事象を純粋体験するのは難しいなぁと感じました。優先して行った方が良い純粋体験や選定基準があれば教えていただけると嬉しいです。

飲茶氏:体力がいるってのがもしかしたら先入観かもしれないですよ。別に体力使わないでできるかもしれない。僕の体感だと体力はいりません。それでも、もし質問者さんが体力を使ってしまったということであれば、その疲れたということも純粋体験してみたらよいのではと思います。選別するというのは東洋哲学的ではないんですよね。

巻末のチェックリストの選定基準は?

質問者:「飲茶が選ぶぜひあなたに体験してほしいこと」の選定基準についてお伺いしたいです。

飲茶氏:そんな深い選定基準はないです。一つ上げるとしたら、「一日中〇〇する」ことですかね。東洋哲学や仏教をしってもらったら座禅をしてもらったら終了なのですが、その方便として、まずは1つずつの体験を味わってもらいたいです。

体験は言語化・アウトプットした方が良いのか?

質問者:体験したことは言語化しきれない部分があると思います。味わう、というのは無理にアウトプットするのではなく溜めるイメージでしょうか。それとも、誰かと積極的にシェアしたほうがよいものでしょうか。

飲茶氏:体験したものは言語化をむりやりする必要はありません。アウトプットという発想も溜める発想もありません。純粋に、その瞬間で起きていることを味わうで終了です。3年前に見た富士山の風景なんて、忘れちゃってるわけです。あー、そういえば忘れちゃってるなと思うこと、これこそが現在の体験です。それはそれとして、自分の体験を誰かとシェアしたほうが人生が豊かになるとは思います。

イベント満足度は95.6%!

参加者のアンケートでの満足度はなんと95.6%(フル参加100%、視聴参加85.6%)でした!一部の感想を抜粋してご紹介しますね。

コロナ禍で人との関わりが少なくなっていると感じて、今回初めてペア読書に参加させて頂きました。哲学に関連した本を読むことがあまりなかった私でもわかりやすく、すいすい読むことができました。人に話そうと思って本を読むというのが新鮮で、他の人の意見も聞くことができたのでとても楽しかったです!また興味がある本があったら参加したいです。貴重な体験をありがとうございました!

飲茶さんの生ボイスが聞けて、飲茶さんの人となりがなんとなくだけど知ることができた。飲茶さんの他の著書も読みたいなと思った。コロナ過だからこそ生まれたイベントなのかはよく知らないけど、ZOOMというツールを使って、遠隔で議論ができるというのはすごく新鮮な試みで、いいイベントだと思った。また、自分の興味がある本であればぜひこのイベントに参加してみたいと思った。

読むことができたのは、良い経験だったし、楽しかった。hontoの企画また参加したいです。難しいことはわからないけれど、こういうことが哲学なのかのと驚きがありました。貴重な体験ありがとうございました。

楽しい時間をありがとうございました!とても興味深い内容で、ぜひ著者の方のお話を直接聞いてみたい!と思い、参加させていただきました。その他の皆さんのご意見や体験を聞くことも『新たな体験』となり、世界が広がったような気がします。明日からの日常、ワクワクします(笑)。ありがとうございました!

体験の哲学の中に、「知識より体験を話した方がよっぽど楽しい、真のコミュニケーションになる」という記載があります。まさに、これが、セミナーや通常の読書会とペアドクイベントの違いだと思います。ペアドクイベントは、本を真ん中に置きながら、読んでハっとした体験をシェアします。ただの知識じゃないから、身になるし楽しいと言えます。今後も、多種多様なテーマで月1回程度開催していきます。是非、ご参加ください。

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