殺人ライセンス
著者 今野敏 (著)
高校生の久(ひさし=キュウ)は「殺人ライセンス」というサイトに遭遇。それは、ターゲットを殺害する危険なオンラインゲームだった。そのゲームが突然アクセスできなくなった後、ゲ...
殺人ライセンス
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商品説明
高校生の久(ひさし=キュウ)は「殺人ライセンス」というサイトに遭遇。それは、ターゲットを殺害する危険なオンラインゲームだった。そのゲームが突然アクセスできなくなった後、ゲームの標的と同じような名前のストーカー公務員が殺害された。戦慄するキュウ。一方、勤務先をリストラされた相沢は、素人探偵として、キュウと事件の解明に乗り出す。相沢の娘・麻理とキュウがクラスメートという縁もあったが、麻理は、キュウや相沢の行動を冷ややかに眺めていた。相沢の同級生の丸谷刑事らは、捜査本部につめながら、犯人を絞れない事態に焦っていた。そして再びネット上に出現した「殺人ライセンス」と同じ第二の殺人事件が……。高校生と捜査本部、殺人ゲームと現実の捜査の接点はどこに――?
著者紹介
今野敏 (著)
- 略歴
- 1955年北海道生まれ。上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て、執筆に専念。「隠蔽捜査」で吉川英治文学新人賞を受賞。
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小説として具体性が求められる
2019/06/29 10:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は今野敏の警察小説に属する作品である。ただし、これまでの登場人物とは全く異なる警察官の登場である。つまり、シリーズものではないということである。この作品の特徴は、ネットワークとゲームを道具にして、殺人を犯す容疑者を追求するというストーリーである。
ただし、本書は実際に書かれたのが平成14年とかなり前である。ネットワークもゲームも進展のスピードが速い。それらの道具が陳腐化しているか否かが問われる。結果としてはそれほど違和感はなかった。それというのも具体的な描写が少なかった点が上げられる。たとえば、ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムのシリーズに登場するような、きわめてリアルなテクノロジー利用の犯罪ならば、読者はそのテクノロジー描写の方に心を奪われるであろう。
しかし、本書ではあくまでその仕掛けは読者を引き込むための道具に過ぎない。その点を利している点を感じるのである。あくまで道具であると言ったのは、殺人を行うのは人間で、ネットワークを利用するというだけの話である。
刑事の活躍がメインとなるストーリーである。本書にネットワーク自体の利用説明を求める読者も多くはないであろう。ただし、今後もネットワークの盲点を悪用する犯罪は増加する一方であろう。関係者の知識が求められることは確かである。