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2/11 今の自分が読むべくして読んだような本だと思った。人を愛することとそれが終わったときの決着のつけ方。励まされ、救われた。
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「浮舟」を読んで、私の中で恋愛に対する気持ちがぐちゃぐちゃになった。
胸が締め付けられて、離してくれないような作品だった。
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短編が3つ収録されてるんですけど、
2つめの「卒塔婆小町」になんでかかなり号泣しました。恋愛小説で初めて泣きました。
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医師のエリート・コースを進んでいた男が、ある母子に惹かれていき、その人生が大きく変っていく「弱法師」。女性編集者と若き青年作家との壮絶な愛が描かれる「卒塔婆小町」。父・母・娘・伯母の奇妙で不思議な人間関係がヘヴィな「浮舟」…の三つの中編を収録。「卒塔婆小町」は、最近読んだ中で 最も感動した物語。
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何冊も持っているはずなのに一度も読み終わった記憶のないこの著者の本ですが、初めて読み終わりました(笑)。能のモチーフを借りた、成就しない恋愛を綴る三篇。この人の文章の息苦しいまでの濃密さが好きで買うのですが、逆にそれが苦しくなって途中で本を置いてしまうこともある。この本はそれがいい方に出ていたと思う。最後の「浮舟」の乳房の描写のためだけでも、この本を買った価値はあった。物語としては、美しく閉じて完結した「卒塔婆小町」が一番好き。
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能の「弱法師」、「卒塔婆小町」、「浮舟」を素材とした短編集。
たまにはこういうのもい...いかな?
能だと、聴覚、視覚的に美しいせいか、何故かすんなりと物語に入って行けるけど、現代の小説家がアレンジするとこんなにも重い話だったのかと気づかされる。
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「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」の3話からなる短編集。話が美しすぎて私にはちょっと・・・。「卒塔婆小町」の将来有望な若手小説家が、美人ではあるが男性を愛せない編集者に恋をして身を削っていく様はよかったです。
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恋とは死に至る病である。
中山可穂というとレズビアンの小説のイメージが強い。確かに私もそう思っていたし、この中にもその話はある。付け加えるならこの中には性描写も無い。それで魅力が半減したと思うのはきっとすごく勿体無い、と私は思う。
かなわないものの前で、人はこれほど無力で、これほど美しいのかと言うことを存分に教えてくれる3作。前述のとおり、ここには激しい描写は精神的にも肉体的にも無いけれど、ひたひたと圧倒させる筆力は素晴らしい。
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泣きました。三つのお話が入ってるんですが、後ろにいくにしたがって、とん、どん、すがしゃーんって感じで泣きました。こんなにまで誰かを想えたら、つらい恋でも、いいな。
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この人の描く恋愛は、いつも命懸けというか、全身全霊というか。
愛するがゆえに疲弊し、深く傷ついていく気がする。
能なんて碌すっぽ知りゃせんので、能の曲目を下敷きにされてもピンと来んのですが。
唯一「浮舟」は源氏モノなので、予備知識無くともすんなりと設定の意味がわかった。
・・・いや、もしかしたら大学で源氏関連の曲目に触れてたのに全然思い出せてないのかも・・・。
謡曲とか見せられても、どうにも眠たくなってしまうんよね。。。
3篇のうち、一番良かったのは「卒塔婆小町」。
叶わぬ恋に身を焦がして焦がして焦がしつくした繊細な作家の狂気が、胸に迫る。
絶望するほどに想い続けた理由は不明にしても。
理由なんて、本人にもわかるわけない、か。
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【かなわぬ恋こそ、美しい―雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。父と母、伯母の不可思議な関係に胸をふるわせる少女(「浮舟」)。能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の三篇】
深くて叶わぬ愛。
それがこの3作品で共通に感じたことでした。
人が人を好きになるには性別も年齢も何も関係ないんだということがとても伝わり、
どれも泣きたくなるような作品でした。
そしてどれも苦しいほどの恋を描いているのに、
文章が綺麗なのですーっと心に染み渡っていきます。
3作品とも良かったですが、特に心に響いたのは【卒塔婆小町】。
最後の数行で涙がぼろぼろこぼれました。
最後は救われたような救われなかったような・・・
でもこれで2人がまた出会えたんだと思うと、
「長かったね。でも良かったね」と声をかけてあげたくなりました。
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コレは中山可穂にしては性描写が少ない、ってゆーかほどんど無い。
だけど、やっぱりこの人の話は密度と粘度が高くて好き。
真っ黒の鉄の箱に、歯磨き粉みたいな質の半液体が表面張力でギリギリまで注がれてる感じ。
性描写を使わずに、人と人との心のつながりを書いた、中山可穂の新境地。
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2007.03.25
大好きな中山可穂さんの短編集が文庫化されていたので、その中で一番好きな「浮舟」を読んで……お風呂の中で号泣。初めて読んだときも泣いたけど、今回も泣いた。切ない(T_T)
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叶わぬ恋情、儚き生命。たとえ孤独を身に纏おうとも、死の淵に誘われようとも、人は誰かを恋する事を止められない-。能をモチーフに現代の不可能な愛のかたちを描く、静かで激しい純愛小説。
中編三編「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」、何れも痛々しいほど純粋で美しい話で引き込まれた。三編共に秀逸で甲乙付け難いが、原典に思い入れがある分、「卒塔婆小町」が最も心に沁みた。作家の狂おしい迄の一途な愛、女性編集者のこれまでの人生の道程、共に壮絶で圧倒される。
ホラーでも怪談でも無いが、恐い物語である。
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一番心に残ったのは「卒塔婆小町」。天才的な小説家の男が、編集者に恋をし、彼女の為だけに小説を書き、捧げる。と、こうして書くと何の変哲もない話だが、登場人物達の、確かな存在感・愛の重量。誰に感情移入して読めばいいのか。誰に感情移入しても、苦しくて押しつぶされてしまいそうになる。どうしてここまで狂おしい感情を表現できるのか。最後まで揺ぎ無い「美しさ」を貫き通す作者の文章力にも圧倒される。読み終わった後、心にずしりと「何か」が残るはずです。純度の高い「愛」の本質とは、透き通るものでもなく、こんなにも重いものだったのか、と気付かされました。