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佐高信と田原総一郎、両者とも好きなんですけどねー。(笑)
実は、表題の部分は全体の3分の1くらいで、3分の2は著者がサンデー毎日誌上で連載する「政経外科」を再収録したものである。
「政経外科」に関していえば、特に弱者に対する論評が際立っていると思う。ファントム墜落事件の犠牲者の話や、三菱重工での労災顛末など知らなかった話ばかりであったので、こうした話は今後も継続的に紹介してほしいものである。個人的には、車には速度リミッター(たとえばMAX時速60kmなど)をつけるべきだと思うが、ある施設での業務上過失致死には大騒ぎするのがマスコミの常であるのに、年間で万を数える交通事故死にはこうした安全性を問題にしないマスコミには不信しかもたないが、同じことを考えていた人がいると知ってとても共感できました。
田原総一郎については、氏の信条の変節と政治へのかかわり方に対する痛烈な批判である。サンデープロジェクトは好きな番組であったのだが(笑)、著者がそこまで言うほどの体たらくぶりとは思えなかったのだがなあ。本書の印象では「可愛さ余って憎さ百倍」というやつで、逆説ながら実は田原への想いがあふれているようにも読める・・・。(笑)
総じて、批判を行うには孤独に耐える強い意志が必要だが、再構築するものではないのである意味、簡単でもある。著者は様々な活動も行っているのだが、その壁を越える別のものが必要だと感じてしまう内容でもあった。
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途中で終了。
あまりの口汚さと取り上げる問題のつまらなさ、革新(進歩)的主張にひとつとして耳を傾ける気になれなかった。
たまには違う思想にも当たる必要があると思って読んでみたが、少なくともこの人の著作は全く入って来なかった。
あと、本のタイトルに合致する部分はこの本のほんの一部に過ぎないところも気に入らなかった。
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タイトルの一部になっている田原総一朗への執拗とも思える批判、
大手・中小を問わずメディアの犯した罪、政治家・財界人への容赦
のない毒舌てんこ盛りだ。「辛口・佐高」健在だな。
田原については30ページ弱ではあるが、1ページに1回は必ず笑える。
「結局、田原は相手によって主張を変えるカメレオンなのである。
安倍晋三に会えば、安倍に合わせて口当たりのいいことを言い、
姜尚中に会えば姜が喜ぶことを言う。最後は安倍と同じ改憲なのだが、
実体は小心な首振り人形である。」
また、本書では横浜米軍機墜落事件に何度も触れている。住宅街に
アメリカ軍のファントム偵察機が墜落した事件があったことは知って
いたが、その詳細までは知識になかった。
全身に大火傷を負った3歳と1歳の男児が亡くなり、その母親も重度の
火傷を負い体と心を病んだまま事件から数年後に世を去った。
墜落した偵察機に乗っていたアメリカ兵ふたりはパラシュートで脱出し
無傷。海上自衛隊から派遣されたヘリコプターは負傷者の救出をする
どころか、無傷のアメリカ兵を真っ先に救助した。
この事件や沖縄をはじめとした基地の町でのアメリカ兵の不祥事をひき、
著者は言う。アメリカ軍が日本を守ってくれるという政治家は、本気で
そう思っているのかと。
そのアメリカの一番のいいなりになっているのは小泉純一郎であるとし、
小泉が強引に推し進めた郵政民営化にしてもアメリカの意思が働いたの
ではないかと。
米軍ばかりではない。トヨタや三菱重工業などの大手企業を真っ向から
批判する筆は、冴えまくっている。