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正しいことを言っているのに周りの人に相手にされなかったり煩がられたりする人はどこにでもいるものである。
自分の中で納得できずにモヤモヤしている人は本書を読んでみると、客観的に自分を見つめ直すことができるのではないだろうか。
本書では論破すること、ディベートにも否定的であり極端な面もある。
仕事の場ではロジカルな意見も必要なときもある。
ただ仕事上ではここで言う情緒的コミュニケーションも心がけたほうがよいだろうしバランスが大切だ。
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この本の書いてあることを鵜呑みにしてはいけないが、参考にすべきことは多い。
大切なことは、相手にとって快適な存在になること。
当たり前だけど、難しいだけに、気をつけなくてはならないこと。この本はそれを教えてくれます。
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特定の人を思い浮かべつつ読んだ。率直に言って面倒臭い。自分もロジカルだけでは人は動かせないことは理解しているつもりだが、相手があまりにも理不尽な動きをしてくると、さすがにイライラが抑えられなくなってくる。
しかし、辛抱強くやるしかないのが現実。本当にキツイ。
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おじさん著者による、おじさんの溜飲を下げたいだけの本。
日本のおじさん達が抱く「最近の若い奴らはよぉ」という呪詛と苦悩が業間からにじみ出ています。
日本的おじさんになりたい若い人は読んでもいいのでは。
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職場の人間関係を考える人におすすめ。
【概要】
●人も職場も感情で動く。仕事がうまく進むかは人間関係で決まる。
●職場のコミュニケーション
●正しい理屈がなぜ通用しないか
●説得力を高める心理学
●相談上手のコミュニケーション
●信頼関係が高まる法則
【感想】
●ロジカルシンキングは日本に合っていないことがわかった。
●正論がまったくダメなわけではなく、それ以上に感情論を考慮する必要がある。
●論理的思考の必要性若しくは重要性を説いている本が多数ある。これら多くの本を読めばいろいろな意見があるのだということがわかるが、どの本の内容も一理ある。
数多くある考え方のうち、今の自分がおかれた環境に最も適した手法は何か。それをよく考えて用いる必要があるのだが、それが難しい。
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日本人は実利より、名誉を優先させ、体面を重んじる。だから、露骨な競争により、勝敗を決し、敗者の体面が汚されるような事態を避け、同調性につながる。
だから、どれだけ正当性があり、実利につながる正論でも体面や名誉を軽んじるものは敬遠、忌避される。
ここが欧米との違いであり、日本人がディベートが苦手な背景である。
つまり。日本人のリーダーは結論を出せる人ではなく、みんなの関係を維持する調整役が求められているのだ。
その価値観の違いを踏まえないと、組織は機能しない。
相手と異なる価値観を持っていることを前提に、声掛けや適度な甘えなどにより、良好な人間関係を築くことが日本的組織においては有用である。
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日本の業務の進め方についての考察。コミュニケーション、コンテクスト重視であるため、ロジカルであることは、順位としては高くない、という特徴の話が中心。
言ってることは分かるが、ただし『正論バカ』は、そういうことを分かっていないし、説得しても、なかなか聞かない。
『正論バカ』対策に関して弱いのは残念。
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「正論で人は動かない、人は感情で動く」この言葉に激しく同意して軽く流し読みした。
仕事などのコミュニケーションで、正論が全てではないのは確かだ。
お客との交渉や仕事の円滑化、部下を含めたチーム内のモチベアップ、社内コントロールのためにも、共感力と正当な評価などを意識してやっていきたいと思う。
仕事で命令的、論理的なコミュニケーションに頼ってる人は一度手に取ってみることをおすすめ。
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若者がロジカルに正論できつく接してくるのに対して、人間は感情で動くものだ、と批判する内容です。くわえて若者がミスを指摘されると感情的な応答をすることも批判しています。本書はそういった始まり方をするのですが、あまり上手な論法ではないので、若者叩きの色合いが濃い。言いたいことは分かるんです。ただ、ロジカルな若者を全否定する感じがよくないんですよねえ。「最近の若者はあたまにくるなあ!」という感情を理屈で固めているかのようで、若者を敵視しちゃうのがよろしくない。
この本の著者は、場の空気、職場の空気を乱さないことが大切だと考えていました。会議で異を唱える人はけむたがられるしそう言うのは嫌でしょう? というスタンス。太平洋戦争が場の空気によって、敗北必至なのに突き進んでいったのが山本七平『空気の研究』で論じられていたけれど、いやいや、現代にもあるかという感じがしました。後半にかけてはスムーズな論法になっていくのだけれど、序盤なんかは論理の乱れが見えるくらいになりながらでも、懸命に書き続けている。このあたり、ここで想定されているロジカル若者って、もしかするとかなり極端なタイプなんじゃないでしょうか。こういうロジカルシンキングで正論ばかりの人たちがはびこってきた! という危機感と嫌悪感に突き動かされていたりしたのかもしれません。
日本人というは、ロジカルよりも感情を優先する。だからたとえば、上司が「どうなってるんだ!」と怒ったとき、その事情を説明すると「そんな言い訳をするな!」とさらに怒りを買うことになる。どうなってるんだ、と聞いてくるから説明したのに、上司の言葉を真に受けてはいけない。まずは謝罪からはじまる。これが日本的コミュニケーションであり、本書は、そういった日本的コミュニケーションの不合理さを、そこで生き抜いていくために飲み込んで、賢く振舞うべくその所作を教えるような本でした。
僕はどっちかというと仕事ではロジカル優先です。それが、感情を優先しないといけない、と説かれると、やれやれと徒労感を感じます。職場で感情を優先することのなにが嫌かって、そうやって感情を優先する人たちにその自覚がないこと、つまり不合理であることの自覚がまったくないことにあります。まあ人間ですから、かっちりとロジカルだけで動くことなんてそうそうないし、そうするべきでもないでしょうけれども、感情的に動いていてもロジカルで動いているつもりの人もけっこういますよね。また、なにかのきっかけで自分がロジックではなく感情で動いていることに気付いたとき、「それはこうこうだったからしょうがないんだ」と言い張って自己肯定して認めないケースもあります(僕自身もあります)。それらは、この日本社会で生き抜いていく上では大事な処世術ではあるのですが、見方を変えれば日本社会への「迎合」でもあるので、たとえば空気を読み過ぎるなどのよくない傾向であっても、そのまま現状を維持し矢面に立たずやり過ごす方向へと進んでいってしまうという難があります。前提から変えることや、構造から変えることはとても難しいことであっても、それをあきらめてはいけな���なあと僕は思うほうですから、本書を読み進めていくのには、なかなか疲労感が募りました。
では引用を。
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感情コントロールができていない人は、概してストレス耐性が低い。ゆえに、思い通りにならなかったり嫌な思いをさせられたりして、ちょっとでもストレスがかかる状況になると、落ち込んだり怒りを爆発させたりと、ストレス反応を示しがちだ。(p37)
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→ロジカルな若者がミスを指摘されたりなどすると感情的になると説明されているところでの文章です。でも、感情で動くのが日本社会であり、職場の上司や先輩たちだと言っているのですから、なんだか言葉が足りないのでした。どっちもどっちですからねえ。この知見は役に立つものだとは思うのですが、使い方が恣意的で。
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理屈の応酬だけでなく、気持ちのケアも考慮する。それが日本的な議論の仕方の鉄則なのだということを忘れてはならない。ロジカルだけではけっしてうまくいかないのである。(p40)
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→正論をぶつけたら、提案者の体面が保てず嫌がられるから、というのがその理由です。感情と結びつきすぎなのが、日本的です。たとえば反省するとき、技術的な部分だけ反省して修正すればいいのだけど、その人の人格まで自分で責めたり、人に責められるみたいなことってありますが、これも反省だけしたら、もう心はさっぱりしていていいんですよね、ほんとは。そこに感情を結び付けるのが、日本的です。季節や風景、自然などに感情を重ねる文化が日本の文化なので、その癖がしみついているのかもしれない。
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大事なのは場の空気を乱さないことである。波風を立てない。意見が対立しても対決の雰囲気は避けて、考え方や能力の違いを極力表面化しないように心がける。そうすることで、みんなの一体感を損なわないようにする。とにかくその場が気まずい雰囲気にならないように配慮する。(p71)
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→言いたいことを言わなければならないシーンはあるので、こういった「空気」を味方につけてから言うべきだ、というのが本書の論調です。とはいえ、なぜ空気を乱してはいけないのか、というところまで考えていて空気を乱さない人ってなかなかいません。空気は守るものだ、という暗黙の了解を遂行するだけだったりします。空気を乱すな、といいがちな人が他人の考え方や能力を揶揄していたりするものですから。
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コミュニケーションには道具的機能と情緒的機能がある。(p94)
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→情報を伝え合うのが道具的コミュニケーションで、気持ちを伝え合うのが情緒的コミュニケーション。この情緒的コミュニケーションをおろそかにしてはいけない、というのが著者の主張でした。これにはつよく同意するところです。仕事上の論理的で効率追求の場では、情報さえ伝え合えば事足りるという安直な発想が浮かびやすいかもしれません。でも、まあ、多くの人が気づいていると思いますが、気持ちを確かめ合うような時間ってほんとに大事なんですよね。
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甘えというのは、個と個��分離独立しているという冷たい現実を拒絶しようとする心理といえる。相手と自分との間に一体感を感じることと言ってもよい。(p110)
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→手のかかる部下のほうがかわいがられることについて述べられているところでした。これも、効率やロジカル追及では得られない、人間的事実でしょうか。また、甘えには、現実の冷たさに耐えられない心理がある、という知見は学びになりました。
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たとえば創造性についてみると、ポジティブな感情を報告した日には、創造的なアイデアを生み出す可能性が他の日と比べて50%以上も高かった。その好影響は、翌日以降にも持ち越されることがわかった。(p119)
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→前向きでよい気分でいると、創造性が高まると。これはあるだろうなあとは思いつつ、世の中が悪くなると芸術が素晴らしくなる、という話を聴いたことがあるので、このあたりをもっと詳しく考えたり読んだりしてみたいですね。
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こちらのことをまるで機械やロボットみたいに操ろうとする人がいたら、どうにも不愉快な存在なはずだ。そんな人に対して、好意的な印象を持つことができるだろうか。そんな人を信頼できるだろうか。ちょっと考えれば、答えは明らかだ。
(中略)
その人と本気で向き合う気持ちがなければ信頼関係を築くことはできない。相手を操作しようなどとは思わないこと。表面的なスキルに走りやすい人は、そのことを肝に銘じておきたい。(p186)
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→強い不安を抱えている人のなかには、他者を自分の思い通りに動かせると不安が減る、つまり不確定要素が減るので安心が増えるため、他者を支配するタイプのひとがいます。この引用からみても、そういった人物は他者を不愉快にすることがわかります。で、信頼関係を築けないためにもっと不安に陥っていくという悪循環がみえてきます。
といったところでした。序盤こそ納得のいかない論調で難儀しましたが、後半は学びの多い本でした。