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期待以上に面白く読めました。
ドイツ出身の曹洞宗の僧侶である著者が
そのバックボーンの観点から、キリスト教を含む
一神教と仏教の違いを述べているのと、最後には
日本人の宗教に対する感覚とその感覚と向かい方
が世界に発信・輸出できるものであるという論が
書かれてあります。
一神教であるキリスト教のこわさ、危うさ。と、
基本的には、一人称(私が修行して悟りを開いて
仏陀になることを目指すという)的な仏教の
他者に対する冷たさ。
それらのネガティブ要素を日本人は、灰汁を抜くという
習慣・技術をもって、宗教臭さを除去して社会・生活に
普通に宗教色を残さずに取り入れる。という感覚。
これは、日本人が宗教に関して語る、語られる際の感覚
の本質のような気がします。
最後の日本人・日本が世界の宗教の課題を解消できるのだ
的な大言壮語にはすこし”本当か??”と、”そこまでは!?”
というところはありますが。。
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キリスト教文化で育って仏教を実践するドイツ人僧侶による比較宗教論。
一番面白いのは後半での、ユダヤ教のYHWH(神)は多神教の中のユダヤ民族の氏神としての一神崇拝であったのが、イエスの出現により、一神教=どの民族も受け入れるが、入信しないと迫害される になったという下り。そしてそれに対する排他性の矛盾。
クリスチャンの友人のオススメで読んでみた。新しい視点で面白く最後まで読める。
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ドイツ人禅僧が書き起こしたキリスト教と仏教に対する考察意見本。作者の経験と知見から双方の考えが書かれており、比較しながら読むには面白い。
比較して読んでみたい人には面白いとは思うが、各宗教の深掘りができるかと言えばノーなので、極端な話ブログ感覚で読むとおすすめか。
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ドイツ人のお坊さん、ネルケ無方さんをテレビで見たことがあり、分かりやすくて面白かったので、本も読んでみようと思った。仏教やキリスト教への理解が深まったような気がする。自分の中の仏性を感じて、働きかけてみようという気になった。
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1. はじめに
- 本書では、戦後の日本社会における西洋の影響と仏教の役割が検討されている。
- 日本人が「日本らしさ」を失い、欧米的価値観に影響を受けている現状について議論。
2. 日本人のアイデンティティの喪失
- 戦後、日本は欧米の文化を受け入れ、伝統的な価値観が薄れている。
- 「自分らしさ」の喪失が問題視されている。
- 日本人が持つべき「日本の心」を再発見したいという欲求が生まれている。
3. 仏教と一神教
- 日本社会における一神教(キリスト教やイスラム教)の影響とその問題点について。
- 一神教は排他的であり、相手を認めることが難しいという性質を持つ。
- 仏教は対照的に、敵を想定しない考え方を持っている。
4. 宗教のニオイ
- 一神教には「ニオイ」があり、それが理解を妨げる要因となっている。
- 日本人にとって、仏教は「ニオイのない宗教」として受け入れられているが、理解が不足している。
- ニオイを嗅ぎ、異なる宗教を理解することの重要性が強調されている。
5. 仏教の冷たさとキリスト教の危うさ
- 仏教は「一人称」の宗教であり、自己中心的な傾向があるとされる。
- キリスト教は「愛」を強調するが、実際には争いを引き起こす原因ともなる。
- 両宗教の特性が現代社会における問題にどのように関連しているかを分析。
6. 日本における宗教の未来
- 日本仏教が「社会参画仏教」として新しい形を模索する必要性。
- 仏教が社会に貢献し、現代のニーズに応えることが求められている。
- 伝統と現代を結びつける方法を探る必要性がある。
7. 結論
- 本書は、日本人が自らのアイデンティティを見つけるために、仏教を再評価し、理解することが重要であると結論づけている。
- 一神教との対比を通じて、仏教の特性とその社会的役割が明らかにされている。