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受賞作品ということで手に取りましたが、設定の中にハマりこんでしまいました。
若々しさと歳をとった時の億劫さ、小説内で小説を書くネスト構造、現実と虚構を超える箇所の曖昧さ、
話が所々で飛ぶのですが、気持ちのいい感じで置いてけぼりになるため、スっと受け入れることが出来ました。
もう少し長編の作品を読んでみたいですね。
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そいつがいてくれたおかげで
「角刈り」というあだ名をつけられずに高校生活を終えることのできるほど角刈りだった友人が、当時まだ
「ライトノベル」という呼び方もなく
「アニメのノベライズ」やらメディアミックスみたいな感じのを読んでいた。
私は「どうせ本を読むなら、アニメのノベライズじゃ中途半端」な気がして、でも小学生の頃ゲームブックにハマってたので中途半端の中にも良さがあると思いつつラノベと距離を取っていた。(スレイヤーズやオーフェンなんかはアニメで見ていた。)
「ラノベが…苦手だ…」たぶん
危機的な状況の掛け合いにも緊張感が無く、それが海外の特攻野郎たちの馬鹿な掛け合いなら許せるのに中途半端さが嫌なのか、何が嫌なのか自分でも答えがわからない。
その答えを探したくて、読む。
でもそこに「創作をする主人公」と言う要素が加わると「手にとって読もう」と思うまでになる。
(私もアイデアくらいなら考えたことがある)
この本の主人公は「売れない若手の小説家」である。
彼はある日、先輩作家から「伝説の文豪」が書いた『絶対小説』と言うタイトルの序文を読ませてもらう。
その小説を手に入れたものは傑作を書く力が約束されるというシロモノなのだが…
呼んだ途端、小説は消え
盗んだのではと疑われ先輩とは、喧嘩別れとなる。
そこから主人公にら力が宿り
『文豪』のファンの集合体であるカルト組織や
その力で書き上げた小説で儲けようと企む「闇の出版業界人」という組織から狙われ争奪戦が起こる。
主人公が「何故小説を書くのか?」という問いに、どう答えを導くのか?
また、私は「何故小説を読むのか?」
の、答えのヒントがないか?
を考えつつ読む。
小説を執筆する苦しみ、そして謎の文豪の力に委ねて書いたものか、自分の力で書いたものなのかどうか?という悩みも…描こうとしている姿勢が良い。
でも、なんかえらく突拍子もない展開ですこし気持ちが置いてけぼりをくらう。
「ライトノベル」って、たぶん青少年少女が、活字離れうんたら(懐疑的ですが)と言われている中で、手に取りやすく楽しめる娯楽兼出版不況の救世主なのかも…と読んでるうちに思う。
と、ラノベについて理解したような気になったけども、ラノベと呼ばれないけど「ラノベっぽい」と感じる要素のある本もあるしわからない.
(代表的な作品、展開、台詞の要素を見て取るのかもしれないが、そもそもラノベそんなに読んでないのに感じるのは固定観念?)
結局、苦手な理由を探すどころか
「おっさんが若い人向けの本を読んで批判するなよ」という結論になる。
荒唐無稽な展開
ライトノベルという位置づけ、味付け
でも、扱うネタちょっと古い感
その中に様々な問題を詰め込む
出版不況、AI小説の台頭、才能の問題
講談社は悪の編集部がある…
化学が進むにつれて、現実がつまらなくなる事への反抗
講談社は悪の巣窟…
(講談社の賞を取った作品だよね?)
やはり楽しみたくて読む。
色々考えたくて読む。のが答え
「ただの娯楽」にしたって
ジャンル分けされたってなんだって
無数のパターンを無数の作者が描いて
それをさらに無数の読者が読んで
様々な解釈して、と無限に広がる可能性がある。
とか…この話の風呂敷同様
壮大なことを考えてしまった。
やっぱり、ちょっとライトノベルって
アニメや漫画を読んでた大人の人が
書いた「今の少年少女向け」ではなくて「ライトノベルを読む人向け」に作られてるってことなのかなぁ…
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伝説の文豪が遺した原稿〈絶対小説〉。それを手にした者には比類なき文才が与えられる。新人作家・兎谷三為にそんな都市伝説を教えた先輩は忽然と姿を消した。兄と原稿の行方を探すまことに誘われた兎谷は、秘密結社に狙われて常識はずれの冒険に巻き込まれる。絶対小説とは何なのか、愛があっても傑作は書けないのか――。これは物語を愛するしかない僕とあなたの物語だ。
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「小説の神様」のアンソロジーにこの作家さんの作品が載ってて、それが面白かったので気になっていた作家さんの再デビュー(?)作。なので期待していたのですが……
(恐らくアニメやラノベなどファンには知られているのであろう)多種多用な世界観やジャンルの場面が二転三転と目まぐるしく代わり、それらの内容や表現、言葉などで元ネタや前知識がないと分からないところが多かったので、私の知識と想像力では理解が追い付かず、作品を楽しむことができませんでした。
2話~6話がそれに該当する部分なのですが、もうちょっと内容を絞ってシェイプアップしてくれれば、私のような人でも理解できたのかも、などと思いましたが、結局のところ私は本作のターゲットユーザーじゃなかった、というのが楽しめなかった一番の要因なのでしょうねぇ……