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kaedeさんのレビュー一覧

投稿者:kaede

809 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本花屋の二階で

2001/02/10 16:54

ためらいながらも手を伸ばそうとしている2人。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ある朝目覚めたら裸の上に妙な痛みの残る身体に驚いた大学生の明信は、隣に同じく全裸の幼馴染み・花屋の龍が寝ていて動揺しまくるが、実のところ酔っ払っていた明信に前夜の記憶はなく・・・。
 7歳も年上で昔から面倒見のよかった龍に、会えば何故か甘えてしまう明信だったが・・・。
 今までの同シリーズだと、恋愛色より家族愛色の方が濃い、という感じがしたのですが、明ちゃんの話は龍ちゃんとの大切な思い出をモチーフに家族的なことももちろん絡んではくるものの、龍ちゃんの明ちゃんへの優しさがすごく伝わってくるし、無茶やってた過去のことはどうやっても消すことは出来ず、いつまでも自分はそれを背負って生きていかないといけない。
 それゆえに前へ足を踏み出すことをためらう龍ちゃんの気持ちも、また、その龍の傍にいてあげたいと思う明ちゃんの気持も、互いにためらいながらも手を伸ばそうとしているようなやりとりもよかったです。

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紙の本眠る兎

2002/09/20 00:03

増幅していく罪悪感は、まんまと読み手を複雑な思いに。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

男同士の恋愛なんて考えもしない高校生が、たまたま見たホモ雑誌に掲載されていた、出会いを求めて手紙募集をしている男にふざけて手紙を出し、思いがけず返事がきてしまうところから始まる物語。
会うつもりなんてないのに、来ない自分を待っている姿を見て、つい同情して名乗り出てしまう高校生は、いつしか大人で優しくて穏やかで、人一倍臆病な相手の男にハマってしまう。

前半の、罪悪感を覚えながらも、それを食いとめることが出来ず、それどころか、より一層罪悪感を増幅させてしまう主人公の行動が、とてもこの著者さんの作品らしく、読み手をとても複雑な気分にさせる。
そして後半は、突然の危機に、無我夢中に修復しようと躍起になる男と、慌てて逃げ出す男。
いつのまにか互いに、思いがけないほど強く愛し合っていたのだ、という甘さも描かれハッピーエンド。

ちょっと痛々しい話、アンハッピーエンド、というイメージのある著者さんだっただけに、どんでん返しでアンハッピーエンドなどにならずによかったー、とは思ったけれど、ちょっと物足りないラストかな、と読み終えたところに、今度は臆病な年上の恋人視点での8年後のミニストーリー付き。
最初は臆病で優しい男と、その気もないのにズルズルと付き合っては、真剣な相手に対し、最低な男だった高校生が、もう、なんていい男になったんだ!!(笑)、と感動するぐらいいい男になっていて、大満足して読み終えることが出来た。

おまけに作品のタイトルについても、ストーリーを読んでしまえば、愛しているのにうまく伝わらないもどかしさの感じられる、とてもせつない思いの込められた言葉であることがわかり、そのタイトルを振りかえるだけでも、作品を読んだ時のせつなさが思い出される、素敵なタイトルだと思えた。

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紙の本君の体温、僕の心音

2001/11/23 20:42

粗雑な面も見せつつ頼もしくて。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 どうしようもないぐらい篤臣を好きではあるのに、どこか気が回らなくて篤臣の不安の大きさを見過ごしてしまうような、大阪弁が特徴的な江南。
 そして、睦言の最中でも集中していないのかと疑うほど、色気のない発言をしてみたりして、そこが照れ屋な部分でもありつつ、ちょっと色っぽさに欠ける素の部分であるようなところがなんだか憎めない篤臣。
 そんな二人の、擦れ違いのお話しのはず、だけれど、一巻をほとんど忘れてしまった頃に読んだせいか、前半二人のキャラが掴めなくて、せっかくの擦れ違いも、ありきたりな話しに見えた。
 後半は二人のキャラも掴めて、二人の色気のない、じゃれ合いのようなえっちシーンでの会話が、おもしろくて、せつなくて、甘ったるくてすごくよかった。
 こんなにえっちしながらしゃべるカップルの話しもあまりないかもと思うぐらいしゃべってる(笑)のがまたおもしろい。
 あと、江南が篤臣を好きで好きでリードしているように見えて、本当はどうも篤臣が照れながら、乱暴な口をききながら、江南のワガママをきいてあげているというか、甘えさせてあげているような頼もしさを感じるような関係もすごくいい感じ。

 あと、本の裏表紙にも書かれている書き下ろしの「誓いのウェディング!?」というお話しでは、最初、二人のその後を書くのはいいけど、私的には結婚式までやるの…?と、ボーイズラブでの結婚というものには、あまりいい印象がなかったけれど、これはどの本で読んだより結婚、というものに違和感ないお話しに仕上がっていたように思えてよかった。

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紙の本右手にメス、左手に花束

2001/02/16 23:30

安直な展開でないところが自然な感じ。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 法医学教室助手の篤臣と、外科医の江南の出会いは9年前、K医科大学の入学式で、たまたま出席番号が隣り合わせだったことから。その後の実験、実習もいつも一緒で、なんとなく気も合ったし、誰もが認めるイイ男で頼りがいのある江南に篤臣は何かとじゃれつくのだったが、江南の心に秘めた思いにはまるで気付かず、それがとんでもない事態を引き起こすことになる。
 出だし、現在2人はらぶらぶなんだよという状態から、篤臣の回想というカタチで始まる物語が、なんとなく展開的にテンポが悪いような印象を受けたものの、回想が始まってしまえば、篤臣の回想の中から感じる江南の葛藤や、逆に篤臣の葛藤が、せつなくてよかった。
 親友だと思っていた男の気持ちを知って裏切られた気持ちになる篤臣。混乱を抱え喧嘩別れしたあとに襲う孤独感。離れていた時間がもたらした意外な事態に絞めつけられる想い。強がって見せても、その実繊細な江南の弱さを持っていることを知っている篤臣は、わだかまりを抱えたまま、自分の気持ちも、まだはっきりとはわからないままのそのままをぶつけることを決断するところ、よくありがちな、「失いそうになって自分の気持ちに気付いた」的な安直な展開ではないところが、自然な感じでよかったし、とにかく弱さを見せまいとする強情っぱりの江南がせつなくてよかった。

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紙の本このままでいさせて

2000/09/26 06:50

そのままでいさせてあげて。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「このままでいさせて」
そんなタイトル通り、本当に「そのままでいさせてあげて」、と、読んでいる間中思ってしまうお話しでした。

キビシイ現実から、まるで夢の逃避行のような二人の楽しい生活。
だけど、二人はそれが永遠に続かないことはわかっているし、まだ二人が永遠に一緒にいられるだけのチカラが互いにないこともよくわかっている。
それでも、1分1秒でもお互いのそばにいたいという気持ちが夢の時間を引き延ばしていて。

お互いにめぐり合ってから、随分成長していけてはいるんだけど
やっぱり愛してる、という想いだけじゃ一緒にいられない現実が本当にせつない。

特撮ヒーローに助けを求めるような話しなんて、どんなに子供っぽい話しなのかと、あらすじの先入観から手元に置いてから随分と未読のままだったこのお話しでしたが、あらすじの最後の行に書かれた「イノセント・ロマンス」という言葉に、ああ、そうだなーと改めて頷き、著者のあとがきに書かれた「相手を思う切なさで、胸が痛み、涙が流れるような瞬間を書きたい」という言葉に、しっかり伝わりました、と思わず頷いてしまいました。

この二人の未来が本当に幸せであればいいなと思った1冊。

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あまりの無自覚さに「やられた」

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この物語のおもしろいところは、ドジなOLの沙耶が沙耶なりに一生懸命に恋愛しているんだけど、大人の柘植さんはちっとも動じなくて悔しがるところが可愛い。でもまた一方で柘植さんが、沙耶には動じないように見えて、思い切り振り回されているからより一層おもしろい。
 今回もまた、柘植さんとしばしの同居生活にあたって、随分ラブラブな生活を期待していた沙耶が、ちっともラブラブにならない柘植さんにしびれをきらして、柘植さんがお風呂に入っているところに一緒に入ってしまうという大胆さを見せる。沙耶ってば可愛い顔して大胆〜、と驚かされつつ、一生懸命さがとても可愛い。そしてそんな沙耶を冷たくあしらう柘植さんに沙耶は怒るけれど、もちろん柘植さんは内心沙耶の行動に思い切り振り回される中で、大人の分別で理性を保っている。表面的には本当に柘植さんってば冷たい、というふうにしか見えないのに、内心は無自覚な沙耶に、ものすごく「やられた」という感じなのがすごくいい。

 最後の方では、沙耶と微妙な雰囲気のハルキが登場。
 まだまだ柘植さんの気持ちがわかっていない沙耶と柘植さんがどうなっていくのか、ちょっと心配な11巻。もうすでに次巻が待ち遠しい。

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紙の本プライム・タイム 4

2002/05/29 16:31

今までの頑張りが本当に報われて。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

すでに出来上がっているカップルの四冊目のお話、ということで、どういうふうに読ませてくれるのか、不安と期待で読んだ。
前回、いいところで終わっていた映画制作をスタートされるところから始まる物語。もちろん、そうスムーズにはいかない映画制作の過程がおもしろく辛く描かれている。そんな中、一番傍にいながら、一人で頑張ろうとする柏木を慮って、心配しつつ声をかけられない梶の態度はせつなく、また、確かに時間を惜しむように何度も肌を重ねる柏木と梶は、あいかわらずラブラブの甘々カップルだった。
でもメインは映画制作。恋愛メインで読みたい私には、普通だったら、ツボから外れた話に感じたと思う。けれど、今回は私的に、前作の2、3巻の展開より、ずっと読後「よかった」と思える話になっていたと思う。出来上がっているカップルの続巻、というと、つい二人の恋愛仲の危機、という話になりがちで、辛い展開が多かったりする。けれど、この四巻では、メインは恋愛以外ながら、そのメインテーマである映画制作は、恋人の梶と柏木の二人の夢でもあり、仕事でもある共通性のあるテーマである。
また、四巻までに、どれほど柏木が靫プロの中で奔走し頑張ってきたか、どれほど梶がそれを支えてきたか、という過程を嫌と言うほど読んでいる中でのテーマであったため、今回は何だか読んでいる自分までが、靫プロの一員にでもなったかのように、ウキウキハラハラドキドキの展開に同調してしまい、十分楽しむことが出来た。

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紙の本ひつじの涙 1

2002/04/27 20:05

笑顔の裏にある事情。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

高校入学したばかりの女の子・圭は、同級生の神崎京介が一人暮らしをしている部屋に入れてもらって、とある探し物をしたいと猛アタック。
だが、訳アリで、同じ中学出身者がいない高校へわざわざ入学していた京介は執拗な圭にいい返事をしない。
そんな京介に、圭は昔の辛かった自分に似ている部分を見出し、また京介は、自分に必要な何かを圭の中に見出していく。

人が笑顔でいるということは、存外難しく、その笑顔の裏にはいろいろな事情が隠されていることがある。
あきらめようとするのは簡単。
なかったことにしようとするのも簡単。
見えないフリをしてしまえばラクになることもあるけれど。
向き合うことで、辛くても乗り越えていくことで、得られることは何にも替え難い。

原点が同じ二人だからわかる気持ちが上手に描かれ、少しシリアス系の話なのに、能天気なクラスメイトたちや、圭を過剰に愛する兄たちの存在が、おもしろおかしいテイストに仕上げているので読みやすく、読み応えもある。

まだまだ一巻ということで、これからが楽しみだ。

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紙の本ドンファン

2001/10/26 10:49

親子モノでも義理なら大丈夫な方にはオススメ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 チャランポランのだらしない親父のように見えて、要所要所で優しく頼もしく、時にカッコよかったりセクシーだったりする翼郎の、セクハラにまぎれた由利への溺愛ぶりがとにかく甘ったるい。また由利もギャーギャーと翼郎に怒ったり呆れたり暴れたり(笑)しつつも、子供らしく寂しがったりするところが可愛く、話のテンポもよく、ちょっとえっち度も、高いとか回数が多いわけではないけれど、とにかく由利が可愛くて妙にえっちっぽい。由利の中の、寂しい、という感情も、由利が八歳で母親に捨てられ、翼郎の元に連れてこられた、という過去が根底にあるせいか、ストーリー的にもドタバタとしているのに、上っ面だけのではない描かれ方をされていてせつない部分も浮いていない。
 結構親子ものは苦手、という方でも本当の親子ものではないならOKという方にはぜひオススメな甘ったるいお話し。

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紙の本囚われた欲望

2001/10/19 11:22

辛い部分も多いけど、欲しいものを欲しいと言えない不器用さがいとおしい。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 あまり関わりを持ったことのないような同級生・熊川に突然好きにされ、当然怒って、謝罪する熊川を無視すれば、事情を知らない部外者からあまりに憔悴する熊川を援護するように誠に許すように助言されてしまう。誠は何も悪くないのにまるで誠が許さないことが悪いように言われ、仕方なく許したフリをして卒業までを過ごすが、卒業のとき、またこれからも同じように付き合ってくれるだろうと言う熊川にキレて、誠は今までのことは許したフリをしていただけなのだと告げる。

 何も自分の気持ちは知らないで許されたと思っていた熊川を最後に傷付けることができて、今までの自分の苦しみは軽くなったはずなのに、誠の中はすっきりしないまま、熊川が事故で亡くなってしまう。そんな最低な高校生活の後は自棄になり、もう生きていくことに執着しない日々を過ごしていた中で、ひょんなことからバイトが決まり、暮らしていく中で、今度は弟と出会い、贖罪で抱かれる日々が訪れる。

 前半、とても重たい展開で、読むのも辛い。ただ、同級生に好かれ、その感情がエスカレートしたことから、自分は何もしていない、と言ってしまえば語弊があるけれど、自分の感情を無視して強姦され、当然のように強姦されたことに対して怒りの態度を示せば、周囲から悪者扱いされ、仕方なく許したフリをすれば、相手はすっかり許されたかのように馴れ馴れしい友達づきあいをするハメになり、それすら真実を告げれば相手は憔悴しきった中で亡くなってしまう。そのことで罪悪感を抱いて自棄になってしまえば、今度は弟にいいようにされてしまう日々。あまりに不幸この上ない身の上の誠に、もう最後まで読めないかも、と思えるほど。

 だけどそんな中、誠が熊川弟を意識していく様子と熊川の誠に対する微妙な感情が少し見える場面がうまくリンクする。もしかしたら熊川弟はそんなに悪い子じゃないのかも、とわかり出すと、もうぐっとお話しがせつなくなってくる。

 優等生な兄と反抗的な弟して周囲に烙印を押されていた熊川兄弟。兄のことを嫌いだという反面、本当は偽善者の兄の陰で、まともに喧嘩の相手もしてもらえずに、兄に反発していた熊川弟こと憲二は、本当は兄に構ってもらえずに寂しさを抱えていた子供だったのだ。そのことを知った誠は憲二を愛おしく感じる。

 なのに誠が憲二を嫌っているのではない、と知っても、人から自分なんかが好かれるわけがないと思っている憲二は、誠もまた、自分の暴挙を受け止めるのではなく受け流されていると思いこんでしまうところもせつなく、「鹿住さん、めちゃくちゃ上手〜!!」と思える二人に仕上がっていました。

 ただ、誠を引き取るバイト先のマスターというのが中途半端。誠にああいうふうに絡むのなら、少しの恋愛感情がありそうなものなのに、結局そうでもないらしいし、それなら人のいいマスターに徹して接して欲しかった。

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紙の本君は僕の太陽だ! 2

2001/07/05 15:55

自分の気持ちを認めてしまうことが怖くて。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 前作は事件性メインの話しだったけれど、今回のは、深く二人の関係を考えさせるような出来事がメインで、恋愛モノ、としてボーイズラブを楽しみたい私には、こちらの方がとてもよかったです。

 いつまでも永遠に続く恋愛感情なんて信じられない津森に、最初こそ今日と明日だけの絶対の愛を誓う、ということでうまくいくかのように思えた高城が、その現状に疑問を抱いていく。このままでいいのか。これからどうすればいいのか。
 そんな中、突然の津森の異変に高城は動揺してしまう。それでなくてもコミュニケーションがうまく取れる相手ではないのに、何も言わずに背を向けてしまう津森に、何が悪かったのか、どうしてあげればいいのか、思いつくことが出来ない高城。

 頼って欲しいのに頼ってもらえない自分が不甲斐なくて仕方ない高城の健気さも、また、津森の不器用さもせつなく、津森が思いつめて身動きが取れなくなっているとき、井沢にその気持ちの正体を言い当てられるシーンでは久々に泣いてしまいました。

 男同士の腹を割った会話に津森の井沢への信頼度が伺えたし、高城が井沢に頼ったことを知らされ、津森の複雑さが感じられたし、井沢に言い当てられた、津森自身信じられないような、自分の大切な気持ちには、認めるのが怖いような、大事な気持ちに困惑する気持ちが痛いほど伝わってきた。

 そんな中、紆余曲折を経て、ラスト、なかなか豪快で意外なシーンを持って来られて驚きと共に爽快で、そして甘々な気分が味わえました。

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紙の本小さな花束を持って

2000/09/15 07:03

痛々しいぐらいせつなくて。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

■あらすじ■親友の死。その存在は片想いであったものの親友の領域を超えるものだった七生は、一年たっても、まだ静の面影を引きずっていた。そんなとき、はっきりとは知らされなかった静の男の恋人・宗馬との出会い。
俳優である宗馬は傲慢でおよそ静の恋人らしからぬように見えたが、とにかく七生は自分の知り得なかった静の顔がどんなものであったのかを知りたくて、宗馬につきまとった。そしてその結果・・・。
■書評■最初からぐいぐい引きこまれるように読める展開で、七生の健気なところが可愛くて、でも痛々しいぐらいせつなくて、互いに静の存在が足かせのようにも、絆のようにも絡み合っていて、とてもよかったです。

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誰もが惹かれる優しくて暖かい前向きなパワー。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 あろうの告白でどうすればいいのかパニックになるかなで。それでも恋する気持ちは理屈じゃないこと、考えなくても出てくる答えなんだと知るかなで。
 そしてまた、かなでと同じ未来が見える並木は、未来が見えることが原因で少し歪んだところを持っていたが、かなでと出会い、同じ未来が見えるかなでの生き方を目の当たりにして、少しずつ変わろうとしてた。
 優しくてしっかりした女の子・かなでのパワーでみんなが元気になっていく。ただ、かなでの恋人の席は一つしかないのが残念だ。

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紙の本青年14歳

2002/07/15 12:41

短い話の中におもしろせつなさが満載。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小学校時代からの親友の町田に、ある日突然告白された伊東。
驚いている伊東をよそに、翌日には嘘だったと町田は誤魔化そうとしたけれど、かえって本気なのだと知らされ複雑な心境に。

可愛い顔をしている方の町田から、告白どころか「やらして」などとストレートに告げるところもおかしいけれど、ボサッとしたような感じの伊東を、可愛い町田が「夜のオカズ」にしていたことまでサラリと言われて、大パニックを起こす伊東の反応もおもしろい。

挙句の果ては、どっちがヤるかヤられるか、を争いだして、笑える話だなぁと思っていたら、突然せつない初恋モードみたいな雰囲気にもなったりして、短い話なのにとても満足できる作品になっている。

そんな高校生モノの話も楽しめるけれど、もちろんリーマンものも上手い。
女の子を放り出しても悪友・高円寺のヘルプコールに飛び出してしまう中野。
惚れっぽくすぐにフラれてしまう悪友を慰めながら、自分ならフッたりしないのに、と内心で思っていた中野は、酔った勢いで寝てしまう。
短いお話の中で、そこからの紆余曲折がおもしろせつなく描かれている。
他二編収録の短編集。

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情けなかった脇キャラも名誉挽回?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いよいよ最終巻ということで、物語もクライマックス。
由貴の中の佳樹に惹かれる拓磨は、由貴と佳樹の間で揺れ、また佳樹も、拓磨に愛されていることを知って自信を得たはずなのに、反面どこかに不安定さを残していた。
そして由貴の中の他人格はとうとう一つの人格に戻ることになるが、それは由貴が残るのか、佳樹が乗っ取るのか、最後まで目が離せない。

好きな人物をあきらめないといけない、という思いと、自分が消えてしまう、という怖さ、など、他人格者の話としても、恋愛モノのお話としてもよかったし、舞台の初主役、という難しい仕事の中で、危険な目に遭う、という話が平行に進んでいることも、話のおもしろさに深みを与えていた。
ただ、これほどの紆余曲折を経た二人だったので、最後の新しい由貴を拓磨が受け入れる場面では、もう少しエッチの描写は長めでもよかったのでは、と思えた。

それと、今まで散々じらされた寿磨と英田の二人も、最後の最後にやっと、寿磨がなかなかカッコイイ面をやっと見せ付けることが出来、それこそ二人の話も、もっともっと読んでみたかったと思えた。

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