ひもさんのレビュー一覧
投稿者:ひも
2002/07/31 11:32
永遠の片想いの辛さ
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唯川さん自身の体験と、その周りの女性たちの体験を基に片想いについて考える本です。そこに紹介されているエピソードはどれも小説顔負けの世界で、それぞれが一冊の本になりそうなほど濃密で切ない話です。唯川さんが恋愛小説を書き続けていられるのも、自分だけでなくて友人達の体験を多く聞いているからなのだと実感させられました。
ずっとずっと電話を待ち続ける拷問。自分の思いを伝えようとしたことが全て相手の迷惑だったことを知ったときのショック。相手から一方的に別れさせられた後の、どうしようもなく辛く寂しい想い。様々な形の“片想い”をテーマに、唯川さんが考える片想いが語られています。
ただ、あとがきに「これを読んでくれた皆さんが、ちょっとだけ元気になれるように」とありましたが、これ読むと逆に沈むのは私だけでしょうか?恋愛が恐くなるんですけど…。
紙の本早おぼえ四字熟語
2002/07/10 19:23
楽しく四字熟語
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中学受験用の四字熟語集です。無味乾燥にならないよう、一つ一つの語にそれに応じたマンガがつけられています。レイアウトも見やすく、例文もついていて使いやすい一冊です。勉強が嫌いな子でも読めるとは言いませんが、少なくとも勉強ばかりで疲れてる子がパラパラとめくるのに適した本です。肩を張らなくて済む参考書ですから。
大人でもときどき迷うような熟語もあって焦ります。「行雲流水」「権謀術策」「熟慮断行」「主客転倒」などは、知らない人が意外にいるのではないでしょうか。こんな言葉、小学生が自然に使っていたら恐いですよね。そうでなくとも、「うよきょくせつ」なんて、意味がわかっても漢字が書けないのでは?
子どもに笑われないよう、買ったら先に読んでしまいましょう。
紙の本好きになるひと 高橋しん初期短編集完全版 (Big spirits comics special)
2002/06/24 21:48
描き直しされてる嬉しい一冊
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人気漫画家であっても、駆け出しの頃の短編集ってかなり絵柄が違ってがっかりする人が多いんじゃないかと思います。高橋さんもそうだったらしく、自分が漫画家になったら短編は描き直そう、と思ってたらしいんですね。読者としては本当に嬉しい限りです。絵柄だけじゃなくて、当時の電話を現在の携帯電話に直してあったりと、細かいところも見逃せません。さすがに「公衆電話が見つからなくて連絡できなかった」ってセリフは改訂されてませんが。そんな時代があったんですねぇ…。
全体として、ほのぼのと読める本です。重い要素はほとんどありません。「最終兵器彼女」とはまた違った一面が見られると思います。
それにしても高橋さんのマンガにはいつも陸上が出てきますね。若い頃の思い入れが相当強かったんでしょう。
紙の本愛しても届かない
2002/07/24 21:51
女の世界
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裏切るためにつくった親友。
そこまでして手に入れた彼だったが、思いがけないところでその元親友に再会することになり…。
普段の何気ない日常を舞台に、異常なほどの恋心が場を占める世界です。恋愛コンプレックスだけではなく、自分の就いている職に対する劣等感を織り交ぜ、相手に対する愛憎を描いています。
同じような行動を犯さなくとも、そういうことを考えてしまうほどにまで誰かを好きになった経験がある人なら、きっと本書は心に何かを残してくれるでしょう。
蛇足:それにしても、唯川さんの「神の視点」の描写方法(誰かを主語にして描くのではなく、絶対的第三者の視点で描く方法)にはところどころ違和感を覚えるのですが、なぜ主人公を主語にしてしまわないのでしょう。他の人の心理描写などほとんど出てこないのですから主語を「わたし」にしてしまった方が読者が感情移入しやすいように思うのですが。
紙の本あなたに贈る英語のことば
2002/07/21 20:19
いま、ちょっとうつむいている人へ
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何かに不安になる、しっかりしなきゃいけないときに落ち込んでしまう、そんなことありますよね。そんなときにちょっと開いてもらいたい一冊です。きっとほんの少し、心が軽くなるでしょう。少しずつ助けてもらうことであなたの心も少しずつ強くなっていきます。私がお気に入りの言葉は、「幸せを共有すると2倍になる。悲しみは分かち合えば半分になる」。
それにしても、こういうやさしい言葉は英語よりも日本語の方が落ち着くのは私が日本人だからでしょうか。でもアクション映画は英語の方がカッコイイですよね。きっと日本語はもともと相手を思いやる言葉だからそう感じるのだと思います。
紙の本うたかた/サンクチュアリ
2002/07/20 19:57
サンクチュアリ
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特別な人ではなく、普通の人の受難。同じような経験のある人には、涙なしには読めない作品です。
「苦しい思いをしてる人しか、同じ思いをしてる人に自然な言葉をあげられないよね」そう馨に言わせる作者は、おそらくそれほどの苦しみをしたことがあるか、もしくは周りにそういう人がいるのでしょう。巻末の解説には「私、本当にいろんな人見てきたのよ」とあります。
これが初期の作品だということを後で知り、二度驚きました。世界観の広さはもちろん、手法が熟達しているからです。むしろ最近の作品よりも上手く感じるのは私だけでしょうか。
このサンクチュアリ、読者の心を最も強く打つために推理小説や映画の手法を自然に使っています。一度読んで終わりという作品ではありません。二度三度と読むうちに細部にわたる作者の感性に触れることができるでしょう。
紙の本サトラレ 3
2002/07/08 19:38
ドラマ化記念
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映画に続きついにドラマにもなったサトラレ。作者も「原稿収入がアシスタント収入を上回ったのでこれからは漫画家を名乗ろうと思います…恥ずかしいけど」と言うように、巻を重ねるにつれ着実にファンの数を増やしていっています。
今回は、最初のサトラレのエピソードも収録してあります。もっと話がふくらんだだろうに、一話だけで完結しています。このエピソードだけで一巻分にはなりそうなテーマでした。
他に、サトラレではないのに「自分はサトラレだ」と思う人々の苦悩を描くストーリーもあります。もし現実にサトラレが存在するならありがちな話だと思いました。ぜひ一読を。
紙の本不機嫌な愛撫 (少コミCheese!フラワーコミックス)
2002/06/24 19:49
短編も秀作
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北川さんの想いが一冊の中に詰まっています。「東京ジュリエット」や「罪に濡れたふたり」を短編にしたらこんな雰囲気なんだろうな。内容は全然違いますけどね。表現されている人物の感情が似てるんですよ。
ヒロインはホステスなんですけど(それがちょっとした障害になるのですが)その会話が妙にリアルなのは北川さんに経験があるからなのかな?と思ってみたりもしました。こういう描写ってある程度いろいろな経験がないと描けませんよね。
あと余談ですけど、「中学生にあんなことやこんなことをしたら犯罪なのよ」と言ってますが、高校生であっても十分犯罪です。「中学生相手に理性おさえる大人の身にもなってみなさい」なんて、どうせ同じなら抑えなくてよかったのに(違うか)。
紙の本罪に濡れたふたり 9
2002/06/17 19:34
恭子もかわいそう
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いいかげん恭子もかわいそうです。そりゃ性格はかなりきついですけど(香純を陥れようとしたくらいですし)もともと恭子に落ち度はないわけで…。今回にしても、香純から「由貴とはもう会わない。誓える」と言われていたのに、結果的には裏切られることになってしまったわけで。香純は無理矢理N.Y.に連れて行かれるし、どこまでいっても「誰も幸せになれない」構図が続いています。この先どうなっちゃうんでしょう?
2002/06/17 19:28
超豪華!
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短編集+小説+読者・担当者との会談+林原めぐみさんとのトーク+林原さんの朗読CDと、これ以上ないほどの超豪華な一冊です。10冊全て読んだことが前提になっているので、読んだことがない人はやめておきましょう。
短編にはとても熱が入っています。本編と同じシーンを由貴の視点で描いただけなのですが、本編よりもずっと感動的に仕上がっています。二人が幼かった頃のショートストーリーや、和樹が小学生の頃の話も本編と重要なリンクをなしています。何度読んでも楽しめます。
表紙は10巻の表紙と一続きになっているんですよ。
紙の本14恋愛白書 夏物語
2002/05/30 20:05
果歩ちゃんに降りかかる障害がリアル
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今回も果歩ちゃん、かなり辛い目に遭ってます。
冒頭から「ブス」って下級生に言われるし(イラスト見る限りどう見てもブスじゃないんですけどね…)その中傷を吐いた下級生が翼君とくっつきそうになるし、しかも…。
あとは本で読んでください。
それにしても果歩ちゃん、毎回何度も泣いてますよね。泣いた方が逆に辛さが軽くなるのかな? ほんとに気丈だし。案外周りにいる男の子達の方が弱かったりして。
2002/05/29 19:15
翼君の悲劇
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つくづく翼君がかわいそうです。望まずに果保と別れた上に、退学を迫られ、イギリス留学をしたはいいものの今度は母がガンになって急遽帰国。帰ってみたら果保はリヒトとくっついているという悲惨な状況…。果保もまだ未練があるせいで3人の関係がますます複雑な状態に。それでもイジけたりしない翼君は13のころから比べるとかなり大人になってますね。板挟みになってる果歩ちゃんも大変だけど…。この先どうなるんでしょう?
紙の本14恋愛白書 冬物語
2002/05/27 20:05
かわいそう…。
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ああ…果歩ちゃんがかわいそう…。
小林先生はこれまで、失恋・恋人の浮気・親の浮気疑惑などいろいろな精神的ショックを描いてきましたけど、今回のようなショックは初めてですね。だれでも経験しうるし、現に経験者は大勢いるはずなのですが。内容は読んでみてください。同じ境遇にいる人にはちょっと苦しいかもしれませんけど…。
先生は元気づけるために書いたらしいんですけど、心情描写がリアルすぎて笑えません。
紙の本19才♡浮気はしちゃだめ
2002/05/27 19:49
シリーズで唯一…
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小林先生は80冊以上もティーンズハートを書いてますけど、その中でこれは継子いじめ(姑が嫁をいびること)を扱った唯一の作品です。そりゃそうですよね。そもそも「ティーンズ」のうちでお嫁さんになること自体ほとんど考えられないわけで。そのぶん貴重な一冊です。結婚相手の親に自分を認めてもらえない辛さを体験した人は少ないでしょうけど、それでも泣けてきてしまいます。今の果歩ちゃんにも通じるところがあるかな。
2002/05/19 21:04
全巻の中で一番感動的
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涙なくして読めません。まさに「涙」です。
ベルメールとナミ達が平和に暮らしていた日々と、その直後に襲う悪夢が対照的で、ショックをより大きくしています。
これまで「強い女」を維持してきたナミが最後に見せる弱音、そして涙。
読者の感動を誘う要素をありったけ詰め込んでいます。
未だに全巻の中でも最高傑作だと言えるでしょう。